FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🎀

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 確信をもって爛々と答える奈緒に、二人とも何も答えず顔を見合わせる。それから、感心しながらも呆れた様子で眉を持ち上げた南が、背もたれに寄りかかって椅子を後ろに傾けた。
「でも昼休みに抜け出すなんてあほなことするね、放課後にすればいいじゃん」
「ばっくれ上等の“ちみ”に言われたくないよ」
「ほざけ」
 白々しく答えた春樹のすねをつま先で蹴ろうとするも軽くよけられて、紫色のコメットバード[スポーツシューズ会社のワードマーク]ラインが空を切る。彼はその足を勝ち誇ったような様子で見送ると、気を取り直して言った。
「数日前に奈緒の誕生日七月だったって思い出して、日にち調べたらちょうど久々に登校した日だったじゃん。それで、それなら復帰祝いもかねてなんかあげようかなって思ったの。なにがいいだろうって考えたんだけど、菜緒ならやっぱりうまいもんがいいだろうなって思えたから、やっぱこれしかないだろなって。それに今日の朝気がついて、昼速攻で買いに行ったってわけ。思いついたが吉日っていうじゃん? 開店は十一時からだから登校する時には買えないし、どうせだったら温かいものをって思ってさ。でも金欠になる前でよかったぜ、ギリ間に合ったもんな。もう財布ん中小銭しか残ってねーけど。なかなかおつなもんだろ? これ、合格祝いとか引出物とかにも重宝だぜ」
「合格祝いは分かるけど、引出物はどうかなぁ?」
 南が、怪訝な顔して疑問の目でブツを見やる。それを奈緒が笑う。
「わたしは欲しいけどね」
 破顔一笑の春樹が、ずいと顔面を近づける。
「おおよ、こういう時は必ず買ってきてやる」
「本当? らっきぃー」またもや1オクターブ低く喚起する。
「春樹あんた、あわよくば奈緒のこと狙ってんじゃないの?」南が疑念の眼差しを送る。
「親友の誕生日忘れてたやつに言われたくねーなぁ」
「わたしだって誕生日を祝ってやるのはやぶさかではない気持ちだよ」
 奈緒がはにかみながら頬を膨らませて、春樹を見上げる。
「春樹君優しいし、甘いものくれるから好感度高いよ」
 茶色い髪をかきあげて、春樹は恥ずかしそうに瞳を逸らせる。一言も発せずにいた務は、彼の瞳を穴が開くほど強く見つめていた。






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