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二年生の一学期
第百六十八話 裏切り
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貯水槽室に乱入してきた三人は、その光景を目の当たりにするや否や四白眼になるほど瞳を見開いて愕然とし、金縛りにでもかかったように固まった。杏奈に庇われる奈緒の姿は髪がびしょ濡れで、体操着のハーフパンツは膝下まで脱がされており、服も腹部がはだけて白いブラのカップ台がちらりと見えるほど露出し、曲線を描くその肌の上には水の粒が光を反射していた。そればかりやワイシャツのフロントの下のほうは幾つかボタンが無くなっていて、バックリ開いた前建の間から下着の前中心がのぞいている。
「お前らなにやってんだよ」春樹がわなわな震えながら、必死な形相で声を絞り出す。
最後尾の南が両手で口を覆った。
「ひどいっ、ここまでするなんて……」
激しく動揺した様子で、ふらふらとよろめく。
「あっ、いやっ、ちがっ――」
魚子が、吃音気味の声で言葉の破片を落とすと、即座に奈緒から離れて立ち上がる暖乃とかおりを追うようにして、もんどりうちながら下肢で胴体を掲げる。
春樹がかぶりを振った。
「もはや犯罪じゃんかよ、最低だな、お前ら。奈緒に厳しく当たりながらも、嫌ってはいないって信じてたのによ」
溶けた蝋が固まったような表情をした魚子が、吹き出る脂汗を流しながら弁明を繰り返す。
「ごっ、誤解だって。あたしらそんなつもりでしてたんじゃないよ」
「ほんとだよ、この子が頑なだから、ついカッとなってエスカレートしちゃって――」暖乃が続く。
身を起こした杏奈が、二人の言葉の粒を吹き飛ばすように声を上げた。
「わたし、やめてっていったのに、止められなかった。わたしも成瀬さんも必死に頼んだのに……ごめんなさい。わたしがもっとちゃんと守ってあげられたら、こんなことにならなかったのに」
しおらしく自分の無力さを訴える杏奈を見て、ウィップスの三人はみんな開いた口が塞がらない。すくむ足で立ち尽くしているのがやっとの様子だった。
杏奈がよろめきながら立ち上がる。
「わたし、わたし頑張ったんだよ、頑張ったんだけど――」
彼女の頭があって見えなかった奈緒の胸部が光の下に晒される。第一から第三ボタンまでが無くなっていて、ふくよかな谷間があらわになっていた。それを見た務の鼻と眉間に、強烈な皺が寄る。彼の前に立つ春樹も渋面と化し、視線を貯水槽へと逸らす。南は更に顔を歪ませ食いしばった歯をむき出しにして、暖乃、魚子、かおり、と順々に睨みつける。
「お前らなにやってんだよ」春樹がわなわな震えながら、必死な形相で声を絞り出す。
最後尾の南が両手で口を覆った。
「ひどいっ、ここまでするなんて……」
激しく動揺した様子で、ふらふらとよろめく。
「あっ、いやっ、ちがっ――」
魚子が、吃音気味の声で言葉の破片を落とすと、即座に奈緒から離れて立ち上がる暖乃とかおりを追うようにして、もんどりうちながら下肢で胴体を掲げる。
春樹がかぶりを振った。
「もはや犯罪じゃんかよ、最低だな、お前ら。奈緒に厳しく当たりながらも、嫌ってはいないって信じてたのによ」
溶けた蝋が固まったような表情をした魚子が、吹き出る脂汗を流しながら弁明を繰り返す。
「ごっ、誤解だって。あたしらそんなつもりでしてたんじゃないよ」
「ほんとだよ、この子が頑なだから、ついカッとなってエスカレートしちゃって――」暖乃が続く。
身を起こした杏奈が、二人の言葉の粒を吹き飛ばすように声を上げた。
「わたし、やめてっていったのに、止められなかった。わたしも成瀬さんも必死に頼んだのに……ごめんなさい。わたしがもっとちゃんと守ってあげられたら、こんなことにならなかったのに」
しおらしく自分の無力さを訴える杏奈を見て、ウィップスの三人はみんな開いた口が塞がらない。すくむ足で立ち尽くしているのがやっとの様子だった。
杏奈がよろめきながら立ち上がる。
「わたし、わたし頑張ったんだよ、頑張ったんだけど――」
彼女の頭があって見えなかった奈緒の胸部が光の下に晒される。第一から第三ボタンまでが無くなっていて、ふくよかな谷間があらわになっていた。それを見た務の鼻と眉間に、強烈な皺が寄る。彼の前に立つ春樹も渋面と化し、視線を貯水槽へと逸らす。南は更に顔を歪ませ食いしばった歯をむき出しにして、暖乃、魚子、かおり、と順々に睨みつける。
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