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二年生の一学期
🍭
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魚子が手を焼いた表情を浮かべた。
「下手に出てりゃ付け上がっちゃって」
絡めた左腕が首に入ると奈緒は、苦し紛れに後頭部でヘッドバットをかます。
鼻っ柱を強打され、一瞬にしてわさびでも食べたかのように涙をちょちょぎらせた魚子の拘束力が弱まると、残る二人の負担が増して四苦八苦の形相と化した。
「こいつ脱がしちゃう? ちょっとエッチな写真撮ってばらまくよって脅せば、おとなしくなるっしょ、きっと」
暖乃が突然、弾む水風船のように笑って言うと、魚子が声をクラッカーのように破裂させる。
「お、いいじゃん、恥ずかしいの撮ってやっちゃう?」
暖乃がお伺いを立てるように、杏奈へちらりと視線を送ると、一斗缶から腰を浮かした彼女は、期待をにじませた薄ら笑いをへらりと浮かべる。
「まずいよ、そんなの……そんなことしたら、もうこの子学校来らんないじゃん。ネットなんかに流失したら一生消えないんだし、転校先でもさらし者になっちゃうわ」
彼女がスカートのポケットからスマホと取り出した拍子に、シミ一つない艶やかな太腿の間の影の奥に、水色の下着が潜んでいるのがこの子から見えた。
「杏奈ちゃん助けて! 助けて!」奈緒が叫びかける。
今まで以上の力を振り絞って三人の所業から脱しようとするが、まったく敵わない。
杏奈の薄ら笑いはますます面表に広がっていく。
「やめよー。そんな可哀想なことするのー。裸にされるなんてわたしだったら堪えられないもん。転校どころか命絶つね。ほんと三人とも許してあげて」
その言葉とは裏腹に、声は思いのほか軽率だった。
杏奈が、取り出したスマホのビデオを起動してVネックの横にある胸ポケットに入れ直すと、ちょうど奈緒の姿を収めるように向けられたレンズが鈍く光る。
それが合図となって、暖乃が襲い掛かってきた。
「下手に出てりゃ付け上がっちゃって」
絡めた左腕が首に入ると奈緒は、苦し紛れに後頭部でヘッドバットをかます。
鼻っ柱を強打され、一瞬にしてわさびでも食べたかのように涙をちょちょぎらせた魚子の拘束力が弱まると、残る二人の負担が増して四苦八苦の形相と化した。
「こいつ脱がしちゃう? ちょっとエッチな写真撮ってばらまくよって脅せば、おとなしくなるっしょ、きっと」
暖乃が突然、弾む水風船のように笑って言うと、魚子が声をクラッカーのように破裂させる。
「お、いいじゃん、恥ずかしいの撮ってやっちゃう?」
暖乃がお伺いを立てるように、杏奈へちらりと視線を送ると、一斗缶から腰を浮かした彼女は、期待をにじませた薄ら笑いをへらりと浮かべる。
「まずいよ、そんなの……そんなことしたら、もうこの子学校来らんないじゃん。ネットなんかに流失したら一生消えないんだし、転校先でもさらし者になっちゃうわ」
彼女がスカートのポケットからスマホと取り出した拍子に、シミ一つない艶やかな太腿の間の影の奥に、水色の下着が潜んでいるのがこの子から見えた。
「杏奈ちゃん助けて! 助けて!」奈緒が叫びかける。
今まで以上の力を振り絞って三人の所業から脱しようとするが、まったく敵わない。
杏奈の薄ら笑いはますます面表に広がっていく。
「やめよー。そんな可哀想なことするのー。裸にされるなんてわたしだったら堪えられないもん。転校どころか命絶つね。ほんと三人とも許してあげて」
その言葉とは裏腹に、声は思いのほか軽率だった。
杏奈が、取り出したスマホのビデオを起動してVネックの横にある胸ポケットに入れ直すと、ちょうど奈緒の姿を収めるように向けられたレンズが鈍く光る。
それが合図となって、暖乃が襲い掛かってきた。
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