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二年生の一学期
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説得を試みる杏奈に、務が言った。
「成瀬さんに話しかけるのはやめて。もうこれ以上見苦しい言い訳なんてしないで。今回のことは警察には言わない。万年筆の件も。黒板の件も。君がやったって証明ができるかどうかは分からないけれど、少なくともどの時点で万年室がコーナーからなくなっていたかは、カメラを調べればわかると思う。それに黒板の筆跡だって、ある程度は特定できる。僕にそこまでさせないで」
杏奈は、信じられない様子で両眼を大きく見開いて、務の双眸を凝視した。
「務君、わたしより成瀬さんなんかを信じるの? この子、自分でなにしているか分からない子なんだよ。怖い思いしたから、混乱してこんなこと言ってるだけでしょう。わたしが助けられなかったからって、逆恨みしているんだよ。今までわたしと一緒にいて、こんなことする人だって思えた? 違うでしょ? 障がい者の言うこと真に受けるなんて信じられない。脳みそ半分しかなくって、想像と現実の区別もつかないような子なんだよ、この子! それになに? 成瀬さんのためにこんなにも奔走してきたわたしに向かって、万引きも黒板に書いたのも監禁も主導したっていう気なの? そんなことない。もしそうだとしても、全部成瀬さんが悪いんだよ。わたしが、成瀬さんのために穏便に済ませてあげようとしていたのに、好き勝手登校してきちゃってさ。自分がどんだけ学校の足引っ張ってるか分かってないんじゃないの? 一年の時からわたしが必死に庇ってあげてきたのにこんな仕打ちで返されて、裏切られたのはこっちだよ!! 全部成瀬さんが悪いんじゃない。どんなことされても仕方がないくらい迷惑かけてきたの。今回のことだって、成瀬さんがゆうこと聞いていれば止められたことだったのにぃっ」
後頭部で話を聞きながら、かおりの黒いリュックを引き寄せて奈緒の枕代わりにした南が、すくっと立ち上がった。務の左を回って杏奈に近寄っていって、広げた右手のひらを振り上げる。瞬きもせず睨みつける杏奈の頬が、ぴしゃりという乾いた大きな音と共に跳ね飛ぶ。その光景を、誰もが信じられない様子で息を飲んで見ていた。
「成瀬さんに話しかけるのはやめて。もうこれ以上見苦しい言い訳なんてしないで。今回のことは警察には言わない。万年筆の件も。黒板の件も。君がやったって証明ができるかどうかは分からないけれど、少なくともどの時点で万年室がコーナーからなくなっていたかは、カメラを調べればわかると思う。それに黒板の筆跡だって、ある程度は特定できる。僕にそこまでさせないで」
杏奈は、信じられない様子で両眼を大きく見開いて、務の双眸を凝視した。
「務君、わたしより成瀬さんなんかを信じるの? この子、自分でなにしているか分からない子なんだよ。怖い思いしたから、混乱してこんなこと言ってるだけでしょう。わたしが助けられなかったからって、逆恨みしているんだよ。今までわたしと一緒にいて、こんなことする人だって思えた? 違うでしょ? 障がい者の言うこと真に受けるなんて信じられない。脳みそ半分しかなくって、想像と現実の区別もつかないような子なんだよ、この子! それになに? 成瀬さんのためにこんなにも奔走してきたわたしに向かって、万引きも黒板に書いたのも監禁も主導したっていう気なの? そんなことない。もしそうだとしても、全部成瀬さんが悪いんだよ。わたしが、成瀬さんのために穏便に済ませてあげようとしていたのに、好き勝手登校してきちゃってさ。自分がどんだけ学校の足引っ張ってるか分かってないんじゃないの? 一年の時からわたしが必死に庇ってあげてきたのにこんな仕打ちで返されて、裏切られたのはこっちだよ!! 全部成瀬さんが悪いんじゃない。どんなことされても仕方がないくらい迷惑かけてきたの。今回のことだって、成瀬さんがゆうこと聞いていれば止められたことだったのにぃっ」
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