FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 その中にいて唯一、一切表情筋を崩さずに聞いた務は、妄執にまみれた彼女の形相を黙視し続けていた。だが、あげ連ねる言葉が途切れると同時に、怒りに帯びながらも感情を押し殺した語気で語り出した。
「どんな理由があったとしても、“廣飯さん”が行った行為は許されるべきではないし、正当化されることなんて絶対にありえない。自分が行った悪行を成瀬さんのせいにするのはよしてほしい。どんな事情があるにせよ、行ったその行動は、自らの人格がもたらした結果であって、成瀬さんがもたらした結果ではないよ。病気でうまく伝えられない言動にどう対処するかを決めるのは、どこまで行っても自分自身だし、その責任は行った本人に帰すべきだと思う。こんな卑劣な行動に出たのは、ひとえに君の人格がなしたことだよ。こんな行動に出なくても、いくらでも手段はあったはずなのに。少なくとも、今君が僕に言ったようなことを、僕は思っていないし望んでもいない。君は、自らの欲望を満たすために、成瀬さんのためだと偽って、僕たちを欺いてきたんだ。結局は全て自分自身のためだったのに」
 杏奈が奈緒に向かって、嫌悪を吐き溜めたような顔をした。
「どれもこれも、友達としてやったことなの。厳しいことだったとしても、すべて成瀬さんのためになると信じてる。わたしが悪役になるかもしれないことは薄々感づいてはいたけれど、でも彼女のために実行するしかなかった。彼女だけじゃない、ウィップスのためにも、務君のためにも、高木君のためにも、小沢さんのためにも」
「わたしのためになんかならないよ」南が呟く。
「なんとでも言えばいいわ。確かにわたしは、成瀬さんのことを休ませようとした。でもこれが全体の利益には適ったことだったのよ。無理して学校に来ていた時の彼女は、目が虚ろで疲れきっていたじゃない。小沢さんがうちまで様子を見に行った時だってそうだったんでしょう? 成瀬さんには休息が必要だったのは間違いない。そうしてくれさえしたら、務君は勉強にも生徒会にも専念出来るし、高木君もバスケに集中できる。正直言って、勝てる相手に試合であと一歩及ばないのって、成瀬さんにかまっていたせいで練習時間が削られているからだってみんな考えてた。実際高木君だってそう思っているでしょ」
 春樹は答えない。ただつらそうな表情を示した。
 
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