FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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 感嘆した様子で息を吐いた陽菜子が、蛍光灯を目だけで見上げる。
「すごい人だとは思っていたけどまさかここまでとはねぇ。だってウィップスのことまで黙らせちゃうんだから。正義感強いし、友達想いだし、今回のことでさらに株が上がったよ。美人で頭もよくて気立てもよくて、勇気もあって優しくて、ほんとあんな完璧な人いるんだね。天は人に二物を与えずって言うけれど、二物どころじゃないじゃん。何物もらってんのかしら」
 それを聞いて、奈緒は複雑そうな、笑みとも嘆息したともとれる顔をする。
「本当になにもされてないよ。ナナちゃんたちとは一緒に帰っただけ」
「でも仲良くないじゃん」瑠衣がつっこむ。
「う…。それでも ち が う。去年一緒に踊った仲間だから、ダンス部に入って全国目指すって報告を受けただけ。今年のダンスの大会 でたら、練習だけより百倍ためになるって言ってた。あなたもやりませんかって言われたから、考えておきますって言って おいた。楽しそうだからどうしようかなって思う」
 陽菜子が呆気にとられた。
「そうなの? まあなんにしろ、あの愚連隊が静かになってくれれば、ちょっとはこの学校の雰囲気もよくなるよ。進学校目指している割に、ここって結構緩いじゃない? 微妙に乱れてる感じ。平和になってくれたらなによりだね」
 茶髪メッシュの髪をかきあげる二つ後ろの席の女子を見ながら、瑠衣が身を起こした。
「いやぁ、まだこれから一悶着あるんじゃなーい? 風紀委員が息巻いているみたいよぉ、この勢いのまま、学校の風紀を是正しようって。手始めに派手な髪色やめさせるって噂もあるから、やんなっちゃう」
「ええっ⁉ 瑠衣ちゃんの髪って地毛じゃないの?」奈緒が絶叫を上げる。
 訝しげに眉間に皺を寄せた瑠衣が、奈緒を近視で乱視ふうに見やる。
「当たり前でしょ、わたしのことなんだと思ってるの? 日本人よ。こてこての太田区民よ」
 驚きを食べてしまったような顔で、奈緒が傍白した。
「ふらんす人形だと思ってた」
「人じゃないんかい」
「あら、言っちゃった」
 三人がけらけら笑う。
 季節は七月。もうすぐ灼熱の真夏がやって来る。冷房が効いているはずの教室だったが湿度が高く、心なしか肌がべたつく今日この頃だった。




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