FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🌻

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 春樹が、「ああ」と頷く。「あれだけ人が行き交っているのに、俺たち雪に埋もれた山の森のようにスカスカで、凍てつきつつある枯れた木々のようだったもんな」
「なんか必死過ぎて、場所の記憶がてんでないよ。でも高木の背中だけは鮮明に覚えてる。さすがバスケ部員だよね、高速で突き進んでいくんだもん。二つ並んだバス停を通り過ぎて、T字路に突き当たったんだけど、ノンストップで直角に右折して歩道渡ったこの男は格好良かった。今考えると、絶対轢かれるぞこのばかって感じだけど。それからどう行ったんだろ? ちょっと行ったり来たりしてから、駅からそれほど遠くない場所にあった雑居ビルに入ったの」
「あの時の俺は神がかっていたな。入り口にあった数段の階段に蹴躓いてひっくり返るかと思ったけど、超スローモーションでさ、そのまんま宙を走るようにもがきながらも身を立て直して走り続けた」
「一瞬だったよ。中に入ってエレベーターの扉に大きな音を立てて突っ込んでた。それで間髪入れずに何度もボタンを押してた」
「心臓破裂するかと思ったぜ。すんげー胸痛てーの。死んじゃうくらい」
「それでどうしたの?」奈緒がわくわくした様子で瞳を爛々と輝かせながら南に訊く。
「ダンススクールは最上階にあって、ブレイクダンス教室 なんたらパーティーって書かれていたから、ああここだ、間違いないって思って安心したんだけど、受付に訊いたら、あいつら今日は予約入っていないから来ないって言うじゃない」
 春樹が笑う。
「まじ終わったって思ったよな」
「このばか、マジ考えろー考えろーってうなされてるの。わたし、両足で地団駄踏んで、ほんともどかしかった。ぶっ飛ばしてやりたかったよ」
「おまえ、最近ヤンキーだったの隠さなくなってんのな」
「うーん。なんか変な噂流れてるみたいなんだよね」
「仕返しかな?」奈緒が強張る。
「いんやぁ、二年になったあたりからでここ最近じゃないから、違うと思うけど。あの子の思考能力なら、そのくらいの権謀術数は簡単にしてのけるでしょうね。今はなんだか分からなくても、ゆくゆくは芽が出て大ごとになって、気がついた時はもう手遅れっていうふうに」
 難しい顔をして唇を突き出した奈緒は、逡巡するそぶりも見せず、何かに決心した口調で一言話す。
「わたし、断固として謝らない」
「うん、その意気だよ。わたしたちが絶対に守ってあげるから、一緒に女子高生しようね」
 南が歯を見せて浮かべたその輝く満面の笑顔は、いつかに見せた、熱い熱い日差しを反射して太陽みたに咲くひまわりのような笑顔だった。



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