FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第百八十三話 男子トーク

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 三時間目の保健の授業で奈緒は、病気と健康の作文を発表する予定になっていた。先週それを先生に仰せつかっていたこの子は、十分ある休み時間を利用して、書いてきた文章の添削を職員室でしてもらっていた。書き終えてからすでに母親に確認してもらって訂正を繰り返していたし、その後、行きつけのデイリーズというカフェレストラン[ファミレス]で南にも読んでもらって、それから清書をしている。だから誤字脱字はないだろう。
 案の定一発合格をもらって職員室をあとにすると、「カフェラテ飲もう」と独りごちって、発表予定の二階の視聴覚室に行かず、二年生のフロアでエレベーターから離れた。A組とB組が体育の授業であるせいか、光にかすむ茶色い床の廊下は静穏としている。
 教室へと戻る途中で奈緒は、A組の前の談話コーナーにいる春樹を見つけて、エレベーターホールと廊下の境で立ち止まった。そして不穏に眉を顰める。向こうはこちらに気がついていない。
 彼と一緒にいる男子の言葉が聞こえる。あれは、一年の時この子と一緒のクラスだった和馬だ。
「羨ましいな、高木は。何人の女子に手を出したんだ?」
雑誌を閉じた春樹が、やたらと深く肩をすぼめて振り返る。奈緒からは後頭部しか見えない。
「はぁ? なんのことだよ」
「やったんだろ、廣飯さんと。気持ちよかったか?」和馬がふしだらににやける。
「バカじゃないの? そんな関係なわけねーだろーよ」
「うそつけ。一人くらい分けてくれよ。俺にも気持ちいいコトさせてくれって」
「語弊があるいい方はよせ。なんか浮気男に聞こえんだろ」
「違うのか? 三股もかけてるくせして。小沢さんか成瀬さん回してくれって」
「勘違いがはなはだしいやつだな。純粋な女友達だって」
 面倒くさそうに応対する春樹は、逃げる間を窺っているようだったが、元クラスメイトでE組の航ともう一人、奈緒の知らない男子が、彼を逃がしてくれない。
 彼ら三人は、上半身を少し傾けて春樹の進路を狭めた。航が、そばに誰もいないことを確認するように、後ろの教室の壁面を見やる。
「誰が一番よかったんだよ。((小沢と成瀬とどっちがおっぱい大きかった? 小沢だろ? バランスは成瀬のほうがよさそうだけどな。色白だし、くびれすごいし。なんか守ってあげたい感が醸し出てるよな。やらしてくれるんなら、いくらでも守ってやるから、一回だけでもホテルに連れ込みてぇ))」




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