FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🎂

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 春樹が灰色のスウェットで指についたかりんとうの粉末をはらいながら、右後ろに引かれるように頭を傾けて鼻先を向ける。
「お、コロッケあんじゃん。買っていかねーの?」
「“あしゃり”のなんかコロッケがおすすめだけど、揚げたて以外は冷たいから今は買わない。家で食べるにはいいよ」奈緒が恍惚の視線をショーケースに送る。
「俺ああいうの好きだな。つっちーんちに遊びに行くと、大抵肉屋でコロッケ買い食いする。ここのはソースあるんだな。向こうのはないから、ちょっとうらやましい」
 務は答えなかったが、返答に似た鼻息を吹く。少し微笑を混ぜたような音だった。代わりに奈緒が答える。
「この中で春樹君が 一番羨ましい。食べ歩きだけで おなかいっぱいになれる。 そういう人生を歩みたい」
「食い意地しかないな」
「でもショッピングモールで食べるのよりも、心があったまる気がする。手作りだし。お店で食べるほうが美味しいけど、家庭料理のほうが大好きなのと 同じ感じ」
「確かに。完成度が高いっていうのは、ある意味万人受けする味ってことでもあるんだろうな。特にコンビニのパウチ商品とかってそうじゃん。美味しすぎて当たり障りないっていうかさ。でも逆に個人商店や家庭の味って、ちょっと違うって思わせるなにかがある。結果として好き嫌いが結構出る。完成度低いって言われたらそれまでだけど、レーダーチャートで言うと、何かに特化してるからこそ、いびつな形になるってだけで、どの部分とってみても悪くないんだろうな。バランスの問題っていうか、あとは、作る側の好みと食べる側の好みががっちりハマると、心に沁みこんでもう忘れらんない味になるんだと思う」
 商店街の中に住む者の言葉は、三人の心に沁み入ったようであった。
















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