FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍰

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 奈緒が慌てる。
「うそだよ、うそだよ。両方いるもんね。ね、ね、南ちゃん」
 助けを求められた彼女が、この子にゆさゆさ揺さぶられながら、顎を上下にカクカク揺らす。
「まあ、あえて庇わないよ、ただでさえ甘いもの食べすぎなんだから」
 奈緒が閃いた。
「そいじゃ、心愛ちゃんにあげる。それをわたしがおすそ分け。ね、心愛ちゃんにあげて。いつもありがとうって。わたしがいる横であげると いいと思うよ」
「今の報酬予測に満たされながら、いつかの報酬予測にどっぷりつかっているなんて、なんて幸せなんだろうね、成瀬さんは」
 務が笑うと、南が白い歯を見せて、イーとした。
「もうほとんど溺れてんだよ、この子は」
「ドーパミン大量放出中なんだろうな。でもこういうのって、実際手に入れた時には快楽潰えちまって得られないって言わないか?」
 春樹にそう問われて、務が答える。
「うん、そうだけど、成瀬さんを見ていると、期待値に放出されるだけじゃなくて、報酬を得た時にもちゃんと出てるみたいだね」
 互いが互いに言うわけでもなかったが、なんとなく会話が成立した。そのそよぐ空気を感じ取ったかのように、奈緒が二人の間の煌めきに視線を揺らめかせた。
「決めました。シュークリームと、アップルパイを く-だ-さ-い」
 南が値札を見やる。
「うっ、高い」
 そう言って振り返り、務と春樹にツンと微笑んだ。
「ほら、紳士諸君、出したまえ」
「しょうがねぇな」
 ぼやく春樹の横で務が笑う。
「じゃあ、いくつ買う?」
「南は?」と春樹。
「いいの?」
「うん」 
 二人の会話を聞いて、務が店員に言った。
「じゃあ、アップルパイとシュークリーム二つずつ」
 奈緒が訊く。
「二人は食べないの?」
「うん。塩大福とかりんとうで口の中が甘いままだから。それに今日の主役は成瀬さんでしょ」


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