FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百話 一人の時

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 幼児向けのバネで揺れる乗り物が二つあるのみで、猫の額ほどの小さな公園は、杖を持ったおじいちゃんが一人ベンチに座って休んでいるだけであった。柱に囲まれていて、頭上を覆う蔓性の植物の合間から零れ落ちる木漏れ日はほとんどなかったので、静かに影と同化しているその姿は、完全に気配を消し切っている。
 務が、イルカのスプリング遊具を見やる。
「よくこんな所見つけたね。周りが人のうちの敷地に囲まれているし、今入ってきたところは狭い通路になっていてここまで距離があるから、気がついていない人は多いんじゃないかな」
「ほんと隠れ家的。どうして知ってるの?」南が奈緒に訊く。
「ケーキ食べようと思って、ビビビッてきて、運 命の出会い。入る道見て、すぐに分かったもん。ここによっこらしょって座ろう。後ろの家が影、影っていうのも変だけれど、これ[影]作ってくれるから、夏でも快適に食べられるよ」
「夏の時点では、来て食べてたわけね」
「うるさいなぁ、いちいち指摘しないでくださぁい」
 へそを曲げながら眉をちんちくりんに歪めると、務から受け取った箱を、隣に座った南と自分との間にある座面に置いて、アップルパイを取る。
 中を覗き込んだ南が少し考えた様子を見せて、務と春樹に訊いた。
「ほんとに二人は食べなくていいの?」
 自らの言葉を追うようにして顔を上げた彼女に、並んで立つ二人が笑みを返しながら頷く。それを見やって、もう一度視線を残った二つのケーキに戻すと、ぱっちりした愛らしい丸めの猫目に恥じらいをのぞかせながら、首を傾げる。
「それじゃあ、一つはお父さんに取っておこうかな。この箱ちょうだいね」
 甘いものを前にした女の子らしい微笑を湛えて、シュークリームを手に取った。
 
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