FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百一話 べつばら

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 久しぶりに陽射しの下へと出た冬眠明けの小動物のように瞼をしばたたかせながら、それぞれが思い思いに背伸びをする。
 午前十一時頃に出発して、三百三十メートルの道のりを歩いただけであったが、すでにお昼時を過ぎてだいぶ経っていた。もう冬であるものの、それほど寒さを感じさせない陽気である。
 南に時間を確認した奈緒が、左に向かって歩み始めた。
「おやつにはちょっと早いけど、メインディッシュの時間でーす」
「こっからまだ食べるんだ」春樹が少しげんなりした様子を見せ、「振り返るとそんなに食べてない気がするけど、糖度が高かったせいか、おなかに重みを感じる」と腹をさする。
「今度は大丈夫だよ、腹ごなしに甘くないやつだから」
 そう答えた奈緒が立ち止まって、ガラス張りのドアから店内をのぞき込むと、その背中に南が訊いた。
「腹ごなしって、本気でこのあとまだ食べるの?」
「ううん、これが最後。食べ終わったら駅まで行ってバースデー解散」
 この子の左上腕に胸が当たるほど近づいた南が、双方の前腕を絡ませて「政府みたいにおかしな名称つけないの」と言い放ち、ドアの上の壁に描かれたホットサンドと紅茶の絵を見上げる。
「ああ、ここ、前々からカフェがあるなとは思っていたけど、入ったことない。ホットサンドのお店だったんだ。あんまりこっちの道にそれることないから、分からなかった」
「そうなの? 地元なのに?」春樹が訊く。
「うん、家と駅の往復がほとんどだからね。食べる物は大抵駅にあるあず急ストアで購入するし、来てもさっきの商店街だから」
 奈緒が頬をわたあめのように膨らませると、綺羅星のごとく輝かせた眸子を見開いて南を見る。
「じゃあちょうどいいね、ちょうどだね。みんなでお昼ごはんを食べて行こう。いやだと言ってもそのつもりでどうぞ」
 奈緒が扉に手をかける。
「意外に横開きなの。初めて来た時押してもひいても開かなくて焦った。中にお客さんいるのに入れないって。そんで帰る時も出られませんってお店の人に訴えた」と笑う。そして開けない。だからしびれを切らした南が開けて奈緒を店内へと押し込む。
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