FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

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 瞬息の間を置いて、春樹が落ち着いたノイズ交じりの声を奏でた。
「なにがあったか聞いていい?」
「階段から転がり落ちました」
 眉をひそめて、は? とても言いたげな懐疑的視線をこの子に送る彼に、南が真剣な眼差しで頭を一回横に傾け、彼の視線を奪う。
「そう。わたしが助けようとしたんだけど、この子に引っ張られちゃって、自分まで巻き込まれた」
「ごろごろごろーって、ね」
 奈緒がそう言って南に頷くと、彼女も「うん」と頷き返す。
 信じられない様子の春樹が、二人の表情を探る。
「うそくせー。そんなのいったい誰が信じんだよ、誰も信じねーだろ。そもそもそんなになるまで落ちれる階段なんてあんの? 何千段あったら、そんな大惨事な顔になれるわけ?」
 間髪入れずに、奈緒が答える。
「あるよ、ほら、あそこの階段」
「あそこってどこ?」
「あそこ。わかんないけど」と南を見る。
 彼女は「えーと」と考えた様子を見せたので、この子が代わりに、昨日の帰り道で示し合わせた通りの話を伝える。
「名前、なんて言ったけ? あのデパート。“エレベンタ”が、なかなか来なくて、南ちゃんが、動く 階段で 行こうって言うから、足 腰鍛えるために、動かない階段から行きましょうって、わたしが言ったら、そのままごろごろーって」
「そう。ごろごろーって」南がこの子の口調を真似る。
 春樹が小声になった。
「南が[登校]拒否ってたことと、なんかカンケーあんじゃね?」
「ないよ」奈緒と南が声をそろえる。
 春樹が面白がっているように笑う。
「なんか、行方不明説出てんだけど」
「ふっ、訊かないで。わたしも一人になって人生を考えたくなる年頃の時もあんのよ」南が遠い目をした。
「俺はまた悪い仲間とつるんで、なにかしでかしたんじゃないかって考えているんですけど」と瞼を細めて、疑惑の眼差しを南に送る。




🐿️成瀬奈緒🍭
作画:緒方宗谷
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