FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百三十四話 根回し

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 ペットボトルから紅茶をごくごくと呷る春樹の喉仏を優しげに見ながら、南が口角を上げた。
「突然こんな顔になっちゃったから、みんなわたしたちのこと“けんえん”するのに、土屋と高木だけは構ってくれるのね」
 そこに、男友達とのお昼を終えた務が加わる。
「ちなみに敬遠ね」
「いいでしょ、どっちでも」
「よくないと思うよ。小沢さんの単語だと、二人してたばこ吸ってて、みんながいやがったって意味になるから。もしくは猿と犬とか」
「なるほど。しっくりくるな」と春樹が、Since 1911 Hidamariと金字で書かれた紺の第三ボタンの前で腕を組んで、妙に納得した様子で頷く。
「このやろ」
 南が腰を浮かして女の子パンチの構えを見せるが、それが繰り出される前に察してすぐに、ひょいっと横へ飛んでこぶしから逃げる。
 怒ったいがぐりを、奈緒が「まあまあ」となだめた。
「でも、春樹君、クラス違うのにありが とう。南ちゃんも、内心感謝してるよ」
「まーな」春樹は最後の一口を口に入れ、頬を微かに赤らめた。「なんせこんな顔見ものだし、俺をいじめる南に天罰が下ったんだ、ざまーみろって言ってやれるからな」
「ひどいやつだなー」南が口をイーとやる。
「ひどくないよ。奈緒のことは可哀想だと思うから」
 春樹はそう言って、真面目な面持ちで奈緒を見る。
「恨むんなら、南を恨め」
「うん」と奈緒が返事をする。
 南は「慚愧の念に堪えないね」と言って、少し悵然とした面持ちの顔色に変わった。
 そこに、お昼ついでに楽器演奏の練習に行っていた瑠衣が戻ってきて声を上げる。
「あれ? なおちんたちが戻ってきてるぅ。四時間目どうしたのぉ?」
 その後ろであからさまにいやな顔をして視線を反らした陽菜子に気がつきながらも、奈緒が答える。
「校長先生のとこに、お呼ばれでした」
 小声で「じゃ、席戻る」と告げた陽菜子にこくりと頷いてついていこうとした瑠衣が、笑顔で奈緒に手を振ったので、この子が呼び止める。
「瑠衣ちゃん、南ちゃん帰ってきてよかったね」
 
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