FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百三十五話 恩義

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 緊張した一日となったが、無事学内での時間を過ごしきることが出来たその日の帰り道、北千束駅の改札を出たところで、奈緒がくすりと笑う。「なに?」と問う南に対して、この子が答えた。
「なにもうちに来て土下座までして謝らなくてもよかったのに」
「こんなことに巻き込んで、本当に申し訳ないと思ってるよ。事情は説明できないけど、それでもやっぱりちゃんと謝りたかったの」
「でも、うまい言い訳考えたでしょ、わたし。カツアゲされそうになったわたしを助けようとしてけんかになったって」
「でもすんなり返り討ちにあって、ごめんなさいごめんなさいって泣いて謝ってたとかは、ずいぶんと余計よ。しかも、相手中学生っぽかったとか、なんなの? プライドが傷つく」
「でも、それを打ち明けたふりして、バイク事件のこととかで内申 悪いし、退学処分に“なったりかねない”から、学校には黙っていてほしいって頼んだのは、名案でした」
「ああ、それはほんと。うまいこと考えられるものね」
「うん。うまく騙せてよかったね」
 奈緒は、口を四つ切りんごのような形に開いて白い歯を見せ、「ウッシッシッ」と笑った。 
ハンギングバスケットのつるされた木製の門の内側に入り、ジョーンドナープル色のレンガで縁どられた浮須橙色のメルヘンなこの子のうちに上がると南は、出迎えた母親に対して、ワイシャツを貸してくれたことに礼を言った。
「明日には洗って必ず返します」
「いいのよべつに。縫えばなんとかなるなんて昨日言っていたけれど、年頃の女の子がそんなの着てちゃいけないわよ。娘を助けてくれたお礼にあげるわ、それ」
 南は遠慮したが、奈緒も一緒になって勧めるので、渋々、それでいて嬉しそうにはにかみながら、「ありがとうございます」とお礼を言った。
「そんなことより、寒いから早く早く」と奈緒が急かして、階段を上ってゆく。ひんやりとした自分の部屋に入るなり、前身が痙攣したかと見まがうほどに震えだした。
「うう~、寒い寒い、寒いよぉ」
 すぐさま暖房のリモコンをとってONにして、電気ストーブのつまみを強に回すと、オイルヒーターのスイッチをつけて、機器の上に手を置いて熱気が上がってくるのを待つ。










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