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二年生の二学期
第二百三十八話 心残り
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もう数日で年末を迎える街は、とても静かだった。縹渺とした空には一つの雲もなく、青い天幕から、透けるように儚げな冬の陽射しが降り注いでいる。高架下の向こうにあるいつものカフェには一人の客もいなかったので、借り切り状態だ。
席について飲み物とシュークリームを頼むと、ボアコートを脱いだ奈緒が、南に微笑みかける。
「そういえば、冬休みはどこかにお出かけするの?」
「いやぁ、わたしはどこにも行かないなぁ。奈緒は?」
「寒いからおうちで寝てる。でもニュージーランドになら、すぐにでも行ってみたい。わたしが病気になる前のことで、それだけが 今は心残りなの。中学を卒業したら、“ニュージーランダオ”に卒業旅行に行くはずだったけれど、いけなかった。今行きたい。だって向こうは あったかいもんねー」
「なんでニュージーランドだったの?」
「“おともどち”のお母さんのいとこの旦那さんのおじいちゃんがいる。その人は教授なのだけれども、おばあちゃんは幼稚園の園長先生で、りこんした。日本に帰っていて、教授がいて、でもリハビリで、三つも四つも、いろいろ“たいてん”で、わたしは行かれませんでした。 “おともどち”は わたしをおいて ニュージーランドに行きました。そのあと、おともどちとほか、来ました。お土産に海の大きな写真を持って」
幼児めいた口調で訥々と語ると、急に病気であるのが嘘みたく、「あらららって、わたし羨ましくて、ショックだったわよ」と、感情を込めて滑らかに喋り、同情を求めるかの如く悲しげな表情で口をつぐみ、しっかりと双眸を見つめて、小さく三回頷く。
南は少し考えた。
「それって、もう他人なんじゃないの?」
「そんなことないよ。その友達にとっては 血の繋がったおじいちゃんなんだもん」
席について飲み物とシュークリームを頼むと、ボアコートを脱いだ奈緒が、南に微笑みかける。
「そういえば、冬休みはどこかにお出かけするの?」
「いやぁ、わたしはどこにも行かないなぁ。奈緒は?」
「寒いからおうちで寝てる。でもニュージーランドになら、すぐにでも行ってみたい。わたしが病気になる前のことで、それだけが 今は心残りなの。中学を卒業したら、“ニュージーランダオ”に卒業旅行に行くはずだったけれど、いけなかった。今行きたい。だって向こうは あったかいもんねー」
「なんでニュージーランドだったの?」
「“おともどち”のお母さんのいとこの旦那さんのおじいちゃんがいる。その人は教授なのだけれども、おばあちゃんは幼稚園の園長先生で、りこんした。日本に帰っていて、教授がいて、でもリハビリで、三つも四つも、いろいろ“たいてん”で、わたしは行かれませんでした。 “おともどち”は わたしをおいて ニュージーランドに行きました。そのあと、おともどちとほか、来ました。お土産に海の大きな写真を持って」
幼児めいた口調で訥々と語ると、急に病気であるのが嘘みたく、「あらららって、わたし羨ましくて、ショックだったわよ」と、感情を込めて滑らかに喋り、同情を求めるかの如く悲しげな表情で口をつぐみ、しっかりと双眸を見つめて、小さく三回頷く。
南は少し考えた。
「それって、もう他人なんじゃないの?」
「そんなことないよ。その友達にとっては 血の繋がったおじいちゃんなんだもん」
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