FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

🖼️

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 後ろに座っていた茅根麗(めね うらら)が、黒目がちな細めの目を弓なりに細めて、上半身を奈緒に傾けた。
((万年筆のうわさの時))
「あー、でもそれと修学旅行と、なんの因果がありますか?」この子が振り向いて問い詰める。
「そんな食いつかれても……。ショックで休んだんでしょ? 生徒会がその間に誤解を解いていったみたいな?」
「そうか……それで――置いてけぼりですか」
 奈緒は眉を顰めて、担任の長谷川こあらを見つめあげる。
 教壇の上にいる彼女が、紺のオフィシャルなジャケットに通したほっそりとした腕を、微妙に不釣り合いに思える大きめに膨らんだ白いブラウスの前で組んで、持っていた書類をきしませた。
「先生を恨まないでくださーい。行く行かないは、あなたやおうちの人次第です。そもそも去年、わたしは二年の担任ではなかったので、細かい経緯は知りませんよ。なんにしても疑惑が晴れるまで大騒ぎでしたから、いけるような状況ではなかったんじゃない?」
「そうでした」奈緒がしゅんとしょぼくれた。
 すかさず粂川が笑う。
「楽しかったなぁ、韓国」
 奈緒が、倒した身をすかさず起こして食いつく。
「韓国? やだぁ、キムチ大好き。カラフルなやつ食べたかった。あとパフェぇ、山盛りなやつぅ。伸びる“ホットトット”ー。それにー、それにー」
「文化を体験してこいよ」
 正論をぶつけられて、菜緒がキレた。
「どの体で言うんだよ。“いじけ”より食い気だろー、く めー か わー。ていうか、あなたはその席で心が痛みませんの? 体が大きいんだから考慮して くださーい」
「俺に言うなよ。五十音順にしたの学校なんだからさ。好きでど真ん中の最前列に座ったんじゃねーよ」
 ちょっとしたお笑いステージが公演された教室は、チャイムが鳴るまで笑い声が絶えなかった。
 このクラスに南たちいつものメンバーは、誰一人としていなかったが、前の席に座る川島茜と、後ろの席に座る芽根麗、そして、お互いがお互いを心の友と自称他称する粂川勝が右斜め前にいたので、楽しい学園生活を予感させるに十分な条件がそろっていた。








🫶茅根麗🎤
🐿️成瀬奈緒🍭
作画:緒方宗谷
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