FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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「中身が広島焼きになってんだよ。通常版でもけっこう具だくさんで豪華だから、おめでたい焼き。寿本舗[店名]のオリジナル商品で、今日買ってきたのは、季節限定商品で広島風だったかな。こないだ俺も食ったけど、卵がふわふわで黄身の味が濃くて、ソースに負けてねぇの。タコと鰹節の風味が混ざり合って、焼きそばの味を引き立ててんだ。確か去年の冬のには牡蠣が入ってたはず。レタスしゃきしゃきでめっちゃうまい。
 今日は溶けちゃうから買ってきてないけど、『あっぷるニッキ[肉桂]とカスタード』と、『マスカルポーネの包みチョコ』って言う冷やしたい焼きも夏限定で出てる。凍ったリンゴががシャクシャクしてて、生地の甘さと相性がいいし、シナモンがいいクセ加えてる。チョコのほうは、苦みが程よくて甘すぎないけどしっかりある。チョコチップかなんかが入ってるから、カリカリした舌触りが好きだな。生地はアップルのと比べて甘くないから、チョコレートを引き立ててる感じだったかな」
 内容に驚愕した奈緒が、開いた口を強張らせながら固まって聞き入る。
 それに気がついた南が、口をひしゃげてから春樹に言った。
「この子の前でそんな先の話しちゃだめだよ。食欲で苦しむから」
「わははははは。そうだったな、わりぃ、わりぃ」
「もうっ、冬も、誕生日で、お願い しますっっ」奈緒が憤然とこぶしを振った。
 真剣な眼差しで訴えたこの子だったが、二人にはさらりと流される。
 春樹が続けた。
「ちなみにほかの二つは、つぶあんとカスタードな。一番のおすすめは、やっぱつぶあん」
「どんな味?」南が奈緒に訊いた。
「美味しい味。柔らかくて、焼きそばかな? 違うかな? ちょっとおソースの香りがするマヨの味。これあれだ、あれ。おこのみやきだ、きっと」
 




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