FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

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 組んだ右足の上に肘をついて、こぶしに顎を乗せる南の横で、奈緒が最後のたこ焼きを平らげた。
「わたしは、中三の時に倒れて、もしかしたら死んでたかもしれない。南ちゃんは、引っ越さなかったら、今頃マフィアや半グレになって 逮捕 されてたかもしれない。それでも二人してそうならずに済んで、普通の女子高生として 過ご せてる。なのにあの子たちは、悪い世界から抜け出せなくて 苦しみ もがいて るのに、今もこれからもそういう世界にいるのかもしれない。あの二人は、もし少し違えば、普通の女子高生だったと思う。ちょっとおいたが好きな程度の」
「人間って、人と人が支え合う間って書くでしょ? わたしたちを成すものは、個人ではなくて、例えば、わたしと奈緒の間にある思いやりとかでできてるんだと思う。だから、いい意味でも悪い意味でも、繋がった人との間にあるもので自分ができていくんだと思う。友達とか親とか。わたしの場合は、あんなでもやっぱりお父さんが想ってくれていたから、悪いほうに沈んでいかなかったんだと思う。でも他の子たちは、救い出してくれる誰かがいなかったばかりに浮き上がれなくて溺れて、でも自分一人では沈みたくないから、周りの子たちを巻き添えにしたり、裏社会でのし上がるために組織化したりして、どんどん堕ちていった。逮捕されても最後の救いの手である親にも見放されて、放置されたりしたら、もう自暴自棄になって、自分から奈落にダイブするしかなくなるんだろうね。わたしだって一歩間違えば、原付で疑われた時に学校辞めて、元の木阿弥になってたかもしれない」
 奈緒は、そばに停まっていたスクーターを見やる。
「あれも南ちゃんにとっては、お手の物なんだね。やっぱり、この間のスクーター……」
「やめてよ、疑うの。理沙は、マイナスドライバーとかハサミとかでかかるー、とか、ちょっといじればすぐだー、とか言ってたけど、わたしは何度やっても……って白状させないで!」
 奈緒は「あはは」と笑った。
 でも、楽しげというより、切なげだった。
 夏前だというのに、冬から散り残っているかのようなセピア色の枯れ葉が、悲しげに揺れていた。





🛵伊奈波理沙🦋
作画∶緒方宗谷
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