FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

🍭

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 奈緒に問い直された麗が、公園のベンチに腰かけて考える。
「流川さんが金髪じゃん」
「瑠衣ちゃん以外で」この子も腰かける。
「あとは鳥羽さんとか」
 アシンメトリーの髪が揺れる。
「なんか違くない?」
「シャンパンゴールドアッシュっていうの? なんかあんなやつ」
「どんなやつ。見当たんないだけど?」
「あれ、ダブルカラーでしょ。手、込んでるよね。ギャル巻きゴージャスすぎるし」
 二人は菜緒を放置してケラケラ笑う。
 合間を縫ってから、麗が声を絞り出す。
「そうだ、加藤さん」
「うーん、雅ちゃんかぁ。ほかはぁ?」
 この子に問われて黙り込んだ麗に変わって、もう一人が答えた。
「違うでしょ、イエローベージュでしょ、あれは。金髪って色じゃないよ。もう他に学校にはいないんじゃない? そもそも金髪の子ってそんないたっけ? みんな風紀委員の取り締まりで黒く染めてたし。染め直してる子もいるけど、大体今ほぼ黒いよ。あと、成瀬さんのことを知ってるって子は黒髪で、ずいぶん普通の子だよ。わたしたちみたいな」
 少し間を置いて、麗が売春に話を引き戻す。
「たまにでいいんだよ。お小遣いなくなった時に、ちょっとスマホでパパ探して、ごはんおごってもらって、お礼にちょっとエッチして、お小遣いもらうだけだからさ」
 玲央名も続く。
「そうそう。はじめは緊張するかもだけど、慣れれば怖くないよ。結構みんなやさしいし。でもバージンは、ちゃんと格好いいカレシにしておきたいよね。ウリとかじゃなくてさ。だから、来週合コンしようよ。結構格好いいモテ大男子[モテる大学の男子]集まるって、鏡花たちが言ってた」
「えぇ~?」
 奈緒があからさまに嫌な顔をしたので、麗が慌てる。
「そうか、ごめんごめん。成瀬さんって、鏡花たちと仲悪かったんだもんね。来週の合コンはやめにしよう。わたしたちは参加するけど」
 真顔の玲央名が足をぶらつかせながら、奈緒の斜め前に出た。
「一応言っておくけど、今回ウリは関係ないよ。みんな普通の大学生だし。純粋にカラオケパーティーして、親睦を深めるだけ、みたいな」
「成瀬さんだって、カレシほしいでしょ?」
「うんー…」
 奈緒は、肯定とも否定とも取れない返事をしたので、持っていた麦茶をグビグビ飲み干した麗が、ペットボトルのキャップを閉じて言った。
「考えておいてよ。わたしも友達が増えるのはうれしいし。でも小沢さんには言わないでよね、約束だからね」
「All in bleathが最近ライブやんない。ホームページやなんかも更新されないから貢げなくて、あんまウリもしてないの。だから安心してよ」
 畳みかけてきた玲央名に、奈緒はいい返事を返さなかった。






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