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三年生の一学期
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この子の視線の先を南が見やると、そこにはぞろぞろと歩くひだまりの男子生徒たちがいる。
「え? 学ランじゃん」
「学ランは、うちの生徒」
「学ランはどこも同じでしょ。それだけじゃ、うちかどうかは分からないなぁ」南は困った様子で頭を掻く。
「うそぉ。手掛かりこれだけなのよ、どうしてくれるの?」
「わたしなにもしてないって」
噛みつきそうなくらい顔を捩じった奈緒が、説得にかかった。
「旗の台で降りて、おうちに帰ったってことは、ひだまりのせいとしか いないでしょ?」
「高校なんて、この辺りにいくらでもあるよ。学ランだからってうちだとは限らないよ。でも高校生だってことだけは分かったね。使う駅も旗の台。もし探したいなら、そこら辺からあたって見たら?」
「えー? 違うでしょ? ここからあたるのよ。おんなじ学校だったらいいな。だって外は暑いから」
「うちの高校にリーゼントなんていないでしょ。そもそも今どきリーゼントしてる高校生なんているの?」
「いると思うよ、きっと。だって粂川君だってリーゼントだもん」
「うそだよ、まるぼーずだよ」
「そうかもしれないけど、ツッパッてるでしょ? ウケ狙いかもしれないけど、ソリコミあるよ」
「柔道部だからでしょ。試合の時に相手を威圧するためにさ」
奈緒が驚いて、校門の内側に入ったところで立ち止まった。後ろからやって来る生徒たちは、少し迷惑そうにこの子をよけて通っていく。
「信じらんない。粂川のくせに笑い取らないなんて。言ってやんなきゃ。そのツッパリは“ツッポリ”ですか? って」
「うふふん。返り討ちにあうと思うけどね、ツッコミ受けて」
再び歩きだした奈緒が、校舎を見上げる。
「とりあえず、粂川君の話はどうでもいいじゃない。学校の中をうろうろして、一階から七階と、体育館と格闘棟を見て回り ましょうよ。わたしたちの知らないところに 潜んでるかも しれないでしょ? でも見つけたら目立つよ。だって絶滅危惧種だから、南ちゃんみたいに目立つから」
奈緒は南の手を取って、足早にとってとってと昇降口に入っていき、校舎用のスニーカーに履き替えた。
「え? 学ランじゃん」
「学ランは、うちの生徒」
「学ランはどこも同じでしょ。それだけじゃ、うちかどうかは分からないなぁ」南は困った様子で頭を掻く。
「うそぉ。手掛かりこれだけなのよ、どうしてくれるの?」
「わたしなにもしてないって」
噛みつきそうなくらい顔を捩じった奈緒が、説得にかかった。
「旗の台で降りて、おうちに帰ったってことは、ひだまりのせいとしか いないでしょ?」
「高校なんて、この辺りにいくらでもあるよ。学ランだからってうちだとは限らないよ。でも高校生だってことだけは分かったね。使う駅も旗の台。もし探したいなら、そこら辺からあたって見たら?」
「えー? 違うでしょ? ここからあたるのよ。おんなじ学校だったらいいな。だって外は暑いから」
「うちの高校にリーゼントなんていないでしょ。そもそも今どきリーゼントしてる高校生なんているの?」
「いると思うよ、きっと。だって粂川君だってリーゼントだもん」
「うそだよ、まるぼーずだよ」
「そうかもしれないけど、ツッパッてるでしょ? ウケ狙いかもしれないけど、ソリコミあるよ」
「柔道部だからでしょ。試合の時に相手を威圧するためにさ」
奈緒が驚いて、校門の内側に入ったところで立ち止まった。後ろからやって来る生徒たちは、少し迷惑そうにこの子をよけて通っていく。
「信じらんない。粂川のくせに笑い取らないなんて。言ってやんなきゃ。そのツッパリは“ツッポリ”ですか? って」
「うふふん。返り討ちにあうと思うけどね、ツッコミ受けて」
再び歩きだした奈緒が、校舎を見上げる。
「とりあえず、粂川君の話はどうでもいいじゃない。学校の中をうろうろして、一階から七階と、体育館と格闘棟を見て回り ましょうよ。わたしたちの知らないところに 潜んでるかも しれないでしょ? でも見つけたら目立つよ。だって絶滅危惧種だから、南ちゃんみたいに目立つから」
奈緒は南の手を取って、足早にとってとってと昇降口に入っていき、校舎用のスニーカーに履き替えた。
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