FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

🐿️

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「なるほど、でもやだ。いやだ」奈緒が、思いっきり歯をむき出しにした。
「駄々こねない」
 全く動じずぴしゃりと言い放って、切れ長な座った瞳をこの子の視線に合わせた。
「去年の修学旅行だって行っていないでしょう?」
「あれは、わたしは行きたかった。そうだ、これから行こう。二年と一緒に行こう」
「むり、もう間に合わないよ。例年通りならもうしおりとか配られてるし。体育祭終わったら、すぐに出発準備に入ると思うよ」
「わたし、もう一度二年生繰り返す」
「なに言ってるの。三年間一緒にやってきたじゃない。わたしいやだからね、クラスメイトに見送られるなんて。一緒に卒業証書持って写真撮りたいもの」
 茜が、ワックスで押さえつけられた、一本のおくれ毛すらない形のいい頭の輪郭を見上げる。
「これ以上締め付け強くなったら、脱落する子出てくると思うよ」
 細く整えられた眉をピクリともせず、真叶が答える。
「成績については、生徒会から先生たちに要望出してる。代わりに課外活動でフォローしてくださいって」
 紺のベストの前で腕を組むと、大きくため息をついて続ける。
「もうほんと、廣飯さんが学校辞めちゃって、生徒会は大変よ。あの子が始めた事業が幾つもあって、それが動き始めたばかりだったからね。まあ、ようやく軌道に乗ってきてはいるけれど」
 眉を八の字にして、残った息をため息として吐き出す彼女に、奈緒が「“じびょう”って?」と訊く。
「持病じゃなくって、事業ね。ダンス部作って、アンダーグラウンドな生徒にやりがいを作ってあげるとか、勉強や部活についていけない子や一人になりがちな子に居場所を作ってあげるとか。成瀬さんと友達だったから、障がい者が障害のあることを忘れて過ごせる学園づくりっていうのも掲げていたわよ。去年の体育祭からそれが反映されてるの。挙句の果てに、正面玄関のところの階段にエスカレーターを設置しましょうって提案してた。まあ草の根レベルではあったけど」
 茜が笑った。
「二年前は、進学校化に反発する生徒多かったもんね。でも、よくここまで雰囲気変わったと思う」
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