FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 杏奈が慌てた様子で奈緒に歩み寄り、力んだ二の腕を両手で抱擁する。
「ごめんね。あれは本心からじゃないのよ。ああでも言わなかったら、許してもらえなかったでしょう? どんな理由があったにせよ、てさげの中から万年筆が出てきちゃったんだから、言い訳できないじゃない。こういうのって、警察に連れていかれたらもう最後、盗りましたっていうのを前提に処理されると思うわ」
「だからって、身体障がい者だから、仕方ないんですって、言われたら、傷つく。みんなより劣って い る の は 確かだけれど、でも、心は 劣って い ま せ ん」
「分かってる。でもああ言わなかったら大ごとになってた。ああ言わざるを得なかったのよ。考えてみて、警察に連れていかれたら、一人ではもう出てこられないわよ。それは小沢さんの件で分かっているでしょう? そうなったら家族にも連絡されるし、学校にも連絡される。そうなったら、またいじめが再発するかもだよ。幸いウィップスとはクラス違うけど、逆に表に出てこない陰湿ないじめとかになると、もう最悪じゃない」
「南ちゃんと務君がいるもん」
 奈緒が口を尖らせて反論すると、杏奈はあからさまに不愉快そうに表情を歪める。
「務君に頼るのはよしな。受験勉強だってしなきゃならないのに生徒会やって、最近は部活にも出ているでしょ。バイトだってあるんだよ。それなのに成瀬さんのことも見守らないといけないなんて、ちょっと大変なんじゃないかな」
「っ――」
「小沢さんは猪突猛進だからストレートにシメるとか言い出して、校舎裏とかに呼び出しちゃうかもしれないでしょ。小沢さんに勝てそうな子なんていないから、その恨みはみんな成瀬さんに降りかかってくると思うよ。実際、去年の冬のウィップスの態度って、小沢さんへの不満も大いにあったと思うわ。どんなに相手が悪くても、先に手を出したほうが負け。小沢さんの性格じゃ、社会的に生きていけない。わたしが去年どれだけ苦労したか知らないでしょ? 小沢さんのことを停学にさせようって話まであったんだよ、職員室では」
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