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二年生の二学期
🐿️
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奈緒が真剣な眼差しを彼女に向けて口をつぐみ、他人事のように頷いた。
「意外にいまいちだったよ。カフェラテ普通に飲んだほうが、おいしかった。苦みと酒粕の味が、あんまり合わなかったもん。ネーミングは、ばっちぐーだったのに。大将の甘ラテ。せっかくおいしいの思いついたって思ったのに」
「ボールに甘酒入れて、カフェラテ流し込んだだけだけどな」粂川が吐き捨てる。
「まーね」奈緒も吐き捨てた。
おけいが、ため息をつく。
「意外と、どれも長所あれば短所ありって感じだね。味を開発するのって難しい」
「そう考えると、豆乳すごいよね、どれだけ味あるんだか、ないんだか」
奈緒のおかしな発言に噴き出したおけいが、「どっち?」とつっこむ。
「いや、分かんないけど、どっちだろ」とこの子は首を傾げた。
壁掛け時計を見やった梨花が、深呼吸をする。
「さあさ、今日も時間が無くなってきたから、次行こうよ、次」
それに呼応するかのように、奈緒が味を思い出して「うぇ~」と声を漏らす。「あんこ味は美味しくなかったね。甘さと甘さが全然マッチしなくて、大げんかしてた」最後に「あれは別々に食べるもんだぁ」と訛って、げんなりした。
「おんなじ和の味同士合うと思ったんだけどなぁ。ごめんね、わたしが変な提案して」泉が、同情した笑みを湛える。
「ううん、そんなことないよ。だって、持って帰った あ ん こ、おはぎにして食べました」奈緒がおどけた口調で、言葉をつぶ立てた。そして、「むふっ」と笑う。
「メロン味は? わたしは好きだったけど」玲がみんなに、細いふたえでお伺いを立てる。
「メロン?」みんなが首を傾げると、泉が一人気がついた。
「ずんだ味でしょ? わたしが持ってきた小豆のこしあんと、ずんだのこしあん。
「あれはメロンだったよな」粂川が、あやをつけるように言うと、みんなも「ずんだずんだ」と頷く。なぜか笑いが起こって、「ずんだずんだ」と繰り返した。それから、「ずんだずんだ、だっふんだー[落語の大げさな咳払い]」、というしょうもないことを、意外にも玲が言ってのけて、変な感じのおじさんみたいな顔をしたので、普段のクールさと今の諧謔さとのギャップに抱腹絶倒、爆笑にまで高まっていく。
「意外にいまいちだったよ。カフェラテ普通に飲んだほうが、おいしかった。苦みと酒粕の味が、あんまり合わなかったもん。ネーミングは、ばっちぐーだったのに。大将の甘ラテ。せっかくおいしいの思いついたって思ったのに」
「ボールに甘酒入れて、カフェラテ流し込んだだけだけどな」粂川が吐き捨てる。
「まーね」奈緒も吐き捨てた。
おけいが、ため息をつく。
「意外と、どれも長所あれば短所ありって感じだね。味を開発するのって難しい」
「そう考えると、豆乳すごいよね、どれだけ味あるんだか、ないんだか」
奈緒のおかしな発言に噴き出したおけいが、「どっち?」とつっこむ。
「いや、分かんないけど、どっちだろ」とこの子は首を傾げた。
壁掛け時計を見やった梨花が、深呼吸をする。
「さあさ、今日も時間が無くなってきたから、次行こうよ、次」
それに呼応するかのように、奈緒が味を思い出して「うぇ~」と声を漏らす。「あんこ味は美味しくなかったね。甘さと甘さが全然マッチしなくて、大げんかしてた」最後に「あれは別々に食べるもんだぁ」と訛って、げんなりした。
「おんなじ和の味同士合うと思ったんだけどなぁ。ごめんね、わたしが変な提案して」泉が、同情した笑みを湛える。
「ううん、そんなことないよ。だって、持って帰った あ ん こ、おはぎにして食べました」奈緒がおどけた口調で、言葉をつぶ立てた。そして、「むふっ」と笑う。
「メロン味は? わたしは好きだったけど」玲がみんなに、細いふたえでお伺いを立てる。
「メロン?」みんなが首を傾げると、泉が一人気がついた。
「ずんだ味でしょ? わたしが持ってきた小豆のこしあんと、ずんだのこしあん。
「あれはメロンだったよな」粂川が、あやをつけるように言うと、みんなも「ずんだずんだ」と頷く。なぜか笑いが起こって、「ずんだずんだ」と繰り返した。それから、「ずんだずんだ、だっふんだー[落語の大げさな咳払い]」、というしょうもないことを、意外にも玲が言ってのけて、変な感じのおじさんみたいな顔をしたので、普段のクールさと今の諧謔さとのギャップに抱腹絶倒、爆笑にまで高まっていく。
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イラストは、全て自作です。
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2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
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