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エルフ
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1週間と4日目の朝、ぼやけた青白い天井が見える。太陽が顔を出したばかりで辺りはまだ薄暗く、さっきまで雪が降っていたのか、まだ秋口なのに窓枠にはうっすらと雪が積もっていた。横を見ると、自分が横になるベッドにもたれかかってサラが寝ている。ずっとそばに居てくれたようだ。
寝息を立てるサラの頭を撫でながら、ミリィは天使との戦いの結果を深刻に受け止めていた。強くはないが弱くはない、と思っていた自分が、どこにでも出現できる下級な天使にさえ1人では勝てないことを知る羽目になったからだ。
もしかしたら、今の自分は、天使降臨のときいた最下級のエスプスであるエスパーにさえ劣るかもしれない。天使や悪魔と戦争になったとき、何の役にも立たないかもしれない、と1人で考えていた。
「ん、んん・・・」
「おはよう、サラ」
「ミッミリィさん!?・・・よかった・・・、もう目を覚まさないかと思って、夜も眠れなくて・・・、でも、本当によかった」
(しっかり寝てたじゃん)
心で突っ込みを入れるミリィだったが、すごく嬉しかった。
「そばにずっと居てくれたのね・・・、ありがとう」
「1週間以上も眠りつづけていたんですよ・・・、だから、心配で心配で・・・」
音のなかった世界に小鳥たちの歌声が聞こえるようになり、やがて、兵士たちの訓練が始まって点呼を取る声が聞こえる。9時を過ぎた頃、ミリィが目覚めたと聞いたラングが、勢いよく扉をあけて入ってきた。
「ミリィ殿!?」
「にゃーに?」
ガタガタガタン!!
ラングが転げる。ずっと心配しいてたラングは、拍子抜けした。想像の中のミリィは、補助がないと起きれないほど弱々しい姿だったが、現実の前に音を立てて崩れ去る。何事もなかったかのように、ミリィは平然として朝食をとっていた。
「お前なー、1週間以上も眠りこけてたんだから、少しは・・・」
「何言ってんの! 一週間以上も寝てたのよ? お腹がすくのは当たり前でしょ!?」
「それはそうなんだが・・・」
「でも、ミリィさんが元気になって、よかったです」
苦笑いを浮かべて頭をかくラングの横で、けらけら笑いながらサラが言った。
「そういえば、王様のほうは大丈夫だったの?」
「あぁ、顔に2か所、腹に1か所にアザができていただけで、ぜんぜん大丈夫だ。
ちなみに、憑依されていた頃の記憶はないらしい」
「殴ったこと、言っていないわよね?」
疑いの眼差しでミリィは言った。
「ハハ・・・、何も言ってないよ」
ラングは、ちょっとビビッて答えた。
ミリィの体は少しいうことを聞かなかったが2人には言わず、身支度をして会見の間へ向かった。
寝息を立てるサラの頭を撫でながら、ミリィは天使との戦いの結果を深刻に受け止めていた。強くはないが弱くはない、と思っていた自分が、どこにでも出現できる下級な天使にさえ1人では勝てないことを知る羽目になったからだ。
もしかしたら、今の自分は、天使降臨のときいた最下級のエスプスであるエスパーにさえ劣るかもしれない。天使や悪魔と戦争になったとき、何の役にも立たないかもしれない、と1人で考えていた。
「ん、んん・・・」
「おはよう、サラ」
「ミッミリィさん!?・・・よかった・・・、もう目を覚まさないかと思って、夜も眠れなくて・・・、でも、本当によかった」
(しっかり寝てたじゃん)
心で突っ込みを入れるミリィだったが、すごく嬉しかった。
「そばにずっと居てくれたのね・・・、ありがとう」
「1週間以上も眠りつづけていたんですよ・・・、だから、心配で心配で・・・」
音のなかった世界に小鳥たちの歌声が聞こえるようになり、やがて、兵士たちの訓練が始まって点呼を取る声が聞こえる。9時を過ぎた頃、ミリィが目覚めたと聞いたラングが、勢いよく扉をあけて入ってきた。
「ミリィ殿!?」
「にゃーに?」
ガタガタガタン!!
ラングが転げる。ずっと心配しいてたラングは、拍子抜けした。想像の中のミリィは、補助がないと起きれないほど弱々しい姿だったが、現実の前に音を立てて崩れ去る。何事もなかったかのように、ミリィは平然として朝食をとっていた。
「お前なー、1週間以上も眠りこけてたんだから、少しは・・・」
「何言ってんの! 一週間以上も寝てたのよ? お腹がすくのは当たり前でしょ!?」
「それはそうなんだが・・・」
「でも、ミリィさんが元気になって、よかったです」
苦笑いを浮かべて頭をかくラングの横で、けらけら笑いながらサラが言った。
「そういえば、王様のほうは大丈夫だったの?」
「あぁ、顔に2か所、腹に1か所にアザができていただけで、ぜんぜん大丈夫だ。
ちなみに、憑依されていた頃の記憶はないらしい」
「殴ったこと、言っていないわよね?」
疑いの眼差しでミリィは言った。
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