72 / 107
黒魔導士の実力
4
しおりを挟む
伝説通りズメホスが魔王だったとしても、ズメホス自身に自我がないため、崇拝する魔導士たちが高位悪魔並みの力を得ることは不可能だろう、とウォーロックは自分の考えを述べた。
ミリィたちはその言葉に納得し、静かに深く頷く。
「さすがにこれ以上は、厄介ごとに巻き込まれたくないわね」
「ですよね」とサラ。「普通は、あんなに強い天人や悪魔と戦うことなんてないですもん」
次の日になっても牝馬の爪は襲ってこなかったため、警備の要請が来る前に、ちゃんとお弁当を持って洞窟へ行くと、見張りらしき魔導士がいる。
それを見たミリィは、頭を引っ込めてから言った。
「・・・やっぱり、力がほしいのかしら」
言い終わって、ウォーロックを見る。
「だろうな・・・」そう答えて「封印の魔法陣にもよるが、天使と戦っていた魔導士たちの力なら、たいがいの封印を破れるだろう。解けないほど強い封印なら、中身もそれなりなのかもしれないな」と続けた。
岩場の影で、4人はひそひそと相談を始めた。
「これなら、町が襲われることも当分ないんじゃないか?」とウォーロック。
「でも力を得たら襲ってきますよ」とサラが続ける。
あれやこれやと話した後、役所へこのことを伝えるため、一度町へ戻ることにした。
しかし役所の長は、それを聞いて開口一番言い放った。
「あぁ~? そんなことあるわけないだろう。いいかげんなことを言うんじゃない!」
「なっ、何それ!? 町の危機を教えてあげたのに!!」
「この国に魔王がいるわけがないだろう。そんな伝説はデマに決まっている!!」
確かにこの国にはそんな伝説が多く、大半が嘘っぱちらしい。
「そんなことよりも、監視砦がなくなって船の監視ができず大変なんだ! お前らなど相手にしてられない! 帰れ!!」
魔王伝説の慣れっこになっている長にミリィの話は全く通じず、聞こうとすらしてくれない。汗の噴出する怖い顔に押され、扉の外まで追い出された。
町を治める男爵のところに行っても相手にしてくれず、仕方なく砦長のところに戻った。役所の上の方にわけを説明してくれと頼んだが、貴族中心の役所の中で、一介の兵士出身である彼の地位は非常に低く、話しても無意味に近いらしい。
「フィーリアンでは、こんなことないのに・・・」
と、ぼやくラングにウォーロックが言った。
「ウィード公国辺り一帯は、降魔戦争や天使降臨のとき辺境だったからな。
あの時代、ウィード公国は存在すらしていなかったらしいから、仕方ないんじゃないか?」
よくこんなんで、国として存在してこれたな・・・と、ミリィは思った。
ミリィたちはその言葉に納得し、静かに深く頷く。
「さすがにこれ以上は、厄介ごとに巻き込まれたくないわね」
「ですよね」とサラ。「普通は、あんなに強い天人や悪魔と戦うことなんてないですもん」
次の日になっても牝馬の爪は襲ってこなかったため、警備の要請が来る前に、ちゃんとお弁当を持って洞窟へ行くと、見張りらしき魔導士がいる。
それを見たミリィは、頭を引っ込めてから言った。
「・・・やっぱり、力がほしいのかしら」
言い終わって、ウォーロックを見る。
「だろうな・・・」そう答えて「封印の魔法陣にもよるが、天使と戦っていた魔導士たちの力なら、たいがいの封印を破れるだろう。解けないほど強い封印なら、中身もそれなりなのかもしれないな」と続けた。
岩場の影で、4人はひそひそと相談を始めた。
「これなら、町が襲われることも当分ないんじゃないか?」とウォーロック。
「でも力を得たら襲ってきますよ」とサラが続ける。
あれやこれやと話した後、役所へこのことを伝えるため、一度町へ戻ることにした。
しかし役所の長は、それを聞いて開口一番言い放った。
「あぁ~? そんなことあるわけないだろう。いいかげんなことを言うんじゃない!」
「なっ、何それ!? 町の危機を教えてあげたのに!!」
「この国に魔王がいるわけがないだろう。そんな伝説はデマに決まっている!!」
確かにこの国にはそんな伝説が多く、大半が嘘っぱちらしい。
「そんなことよりも、監視砦がなくなって船の監視ができず大変なんだ! お前らなど相手にしてられない! 帰れ!!」
魔王伝説の慣れっこになっている長にミリィの話は全く通じず、聞こうとすらしてくれない。汗の噴出する怖い顔に押され、扉の外まで追い出された。
町を治める男爵のところに行っても相手にしてくれず、仕方なく砦長のところに戻った。役所の上の方にわけを説明してくれと頼んだが、貴族中心の役所の中で、一介の兵士出身である彼の地位は非常に低く、話しても無意味に近いらしい。
「フィーリアンでは、こんなことないのに・・・」
と、ぼやくラングにウォーロックが言った。
「ウィード公国辺り一帯は、降魔戦争や天使降臨のとき辺境だったからな。
あの時代、ウィード公国は存在すらしていなかったらしいから、仕方ないんじゃないか?」
よくこんなんで、国として存在してこれたな・・・と、ミリィは思った。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる