102 / 107
剥魔
1
しおりを挟む
封魔の結界が消失すると同時に、ルーゲイルは天高く舞い上がる。その身から溢れだす魔力は、強力なグラビトンと化して、全ての者に浴びせかかってきた。
もはや魔力を押さえつける障害はない。容赦ない攻撃が、敵味方区別なく全ての人間に加えられる。
辺りは魔界と見まがうほどの禍々しい景色へと変貌し、息をするのさえままならない。疲弊した兵士たちの力は更にそぎ落とされ、逆に、悪魔や魔獣たちの力は、さらに上がった。
ルーゲイルの手に、魔力も霊力も吸い上げられて干からびたシヴァの死体が、無残にたなびいている。
大きく空を旋回ししてるルーゲイルの蹄が鳴る度に、魔力が作り出した黒く燃える流星のような炎が、地上に降り注ぐ。
空中にそびえる魔界の門前に立ったルーゲイルは、凄まじい魔力を発して、その門を焼き払った。
「人間界は私がいただく。天帝にも、悪魔王にも地上は渡さない。全ての人類を滅ぼし、この私が大魔王として人間界を統べるのだ!! はっはっはっはっはっはっ、はっはっはっはっはっ!!」
ミリィに、現人神だったときの記憶は無い。だか、なんとなくだが感覚は覚えていた。
飛ばしたミリィちゃん2号を使ってスパティアルサンダーを唱え、空間に電撃の網を張ってルーゲイルの足を止める。そして、間髪いれずにクリムズンノウズユウンを撃ち放つ。
「あれ、現人神の時に使った技ですよ!」とびっくりしたサラが言った。
「あの時より、強力なんじゃないか?」
直接喰らったことのあるウォーロックが発した言葉に、ミリィは調子に乗ってもう1発撃ち放った。
ミリィの身の丈ほどもある弾頭が、ルーゲイルに直撃して炸裂する。
「もう1発! もう1発! もう1発!」
続けざまにクリムズンノウズユウンを浴びせかける。
「ぐおおおおおおおお!!!!」
両腕を十字に構えて踏ん張り耐えるルーゲイルは、地上へと押し落とされた。
「耐え抜かれた!!」ミリィが舌を打つ。
ミリィが2号を退かせる間もなく、ルーゲイルが天へ駆けあがって来て、ミリィちゃん2号を轢き潰す。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
ルーゲイルは、落ちていくミリィちゃん2号の下に回り込んで、二の腕を鷲掴みにして受け止めた。
「ああああああああっっ!!」
「大丈夫か! ミリィ!!」
ラングが駆け寄る。
「熱い!! 腕が! 全身が熱い!!」
魔力によって魂が焼けただれていく。その効果が肉体にまで及んで、ミリィは悶絶した。体は汚い紫色に変色して、全身に広がっていく。
左右の二の腕を鷲掴みにされて掲げられたミリィちゃん2号も、同じように変色していく。
ルーゲイルの後ろに禍々しい魔力が渦巻き始めた。
「おい・・・、なんだ、あれは・・・」
ウォーロックの声に顔を上げたラングは、苦しげに言葉を吐く。
「まさか、冗談だろ? まだ降魔があるのか?」
サラも愕然としながら、声を絞り出す。
「あれ、ただの悪魔じゃありませんよ! あんな魔力、魔王クラスじゃなきゃあり得ませんよ!!」
もはや、連合軍に戦意は無い。
死屍累々の上でようやく戦っていたハイナイトたちは立ち尽くしている。フィーリアン王室の騎士団ですら、退却を始めていた。
もはや魔力を押さえつける障害はない。容赦ない攻撃が、敵味方区別なく全ての人間に加えられる。
辺りは魔界と見まがうほどの禍々しい景色へと変貌し、息をするのさえままならない。疲弊した兵士たちの力は更にそぎ落とされ、逆に、悪魔や魔獣たちの力は、さらに上がった。
ルーゲイルの手に、魔力も霊力も吸い上げられて干からびたシヴァの死体が、無残にたなびいている。
大きく空を旋回ししてるルーゲイルの蹄が鳴る度に、魔力が作り出した黒く燃える流星のような炎が、地上に降り注ぐ。
空中にそびえる魔界の門前に立ったルーゲイルは、凄まじい魔力を発して、その門を焼き払った。
「人間界は私がいただく。天帝にも、悪魔王にも地上は渡さない。全ての人類を滅ぼし、この私が大魔王として人間界を統べるのだ!! はっはっはっはっはっはっ、はっはっはっはっはっ!!」
ミリィに、現人神だったときの記憶は無い。だか、なんとなくだが感覚は覚えていた。
飛ばしたミリィちゃん2号を使ってスパティアルサンダーを唱え、空間に電撃の網を張ってルーゲイルの足を止める。そして、間髪いれずにクリムズンノウズユウンを撃ち放つ。
「あれ、現人神の時に使った技ですよ!」とびっくりしたサラが言った。
「あの時より、強力なんじゃないか?」
直接喰らったことのあるウォーロックが発した言葉に、ミリィは調子に乗ってもう1発撃ち放った。
ミリィの身の丈ほどもある弾頭が、ルーゲイルに直撃して炸裂する。
「もう1発! もう1発! もう1発!」
続けざまにクリムズンノウズユウンを浴びせかける。
「ぐおおおおおおおお!!!!」
両腕を十字に構えて踏ん張り耐えるルーゲイルは、地上へと押し落とされた。
「耐え抜かれた!!」ミリィが舌を打つ。
ミリィが2号を退かせる間もなく、ルーゲイルが天へ駆けあがって来て、ミリィちゃん2号を轢き潰す。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
ルーゲイルは、落ちていくミリィちゃん2号の下に回り込んで、二の腕を鷲掴みにして受け止めた。
「ああああああああっっ!!」
「大丈夫か! ミリィ!!」
ラングが駆け寄る。
「熱い!! 腕が! 全身が熱い!!」
魔力によって魂が焼けただれていく。その効果が肉体にまで及んで、ミリィは悶絶した。体は汚い紫色に変色して、全身に広がっていく。
左右の二の腕を鷲掴みにされて掲げられたミリィちゃん2号も、同じように変色していく。
ルーゲイルの後ろに禍々しい魔力が渦巻き始めた。
「おい・・・、なんだ、あれは・・・」
ウォーロックの声に顔を上げたラングは、苦しげに言葉を吐く。
「まさか、冗談だろ? まだ降魔があるのか?」
サラも愕然としながら、声を絞り出す。
「あれ、ただの悪魔じゃありませんよ! あんな魔力、魔王クラスじゃなきゃあり得ませんよ!!」
もはや、連合軍に戦意は無い。
死屍累々の上でようやく戦っていたハイナイトたちは立ち尽くしている。フィーリアン王室の騎士団ですら、退却を始めていた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる