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世界の中心、揚羽蝶の話
今までとこれからをつなぐもの
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「やいやいやい、今日から、このお庭は俺たちの縄張りにするぜい」
突然やって来たスズメバチたちを前にして、別荘のお庭に住んでいた虫達はビックリです。
紋黄蝶たちはどこかに飛んで行ってしまいましたし、普段は強がっているカマキリやクモ、虫をご飯にするトカゲやカエルさえも隠れて出てきません。
毒がある針で刺されてはかないません。モモタも隠れていました。
「アゲハちゃんはどこ?」
スズメバチは怖いのですが、お友達の様子が気になります。
スズメバチが陣取ったところはログハウスの軒の下です。ちょうど、アゲハちゃんのお家があるところでした。
「ちょっと、あなたたち!私のお家で何してるのよ!!」
アゲハちゃんの声がしたのでモモタが見ると、なんと大きなスズメバチたちに、1匹で食って掛かっているではありませんか。
「あんだぁお前、やるって言うのか?」
ケンカじゃアゲハちゃんはかないませんから、スズメバチは強気です。ですが、アゲハちゃんは逃げずに言いました。
「本当、あなたたちダメダメね」
「ダメダメ?何がダメだっていうんだ」
「ダサいからに決まってるでしょ?それとも何?あなたたち、自分がカッコイイだなんて思ってるの?」
「どう格好悪いんだ、言ってみろよ」
「何もかもよ、ほら、なんかダサいでしょ」
指を指されたスズメバチが自分の体を見ますが、どこの事か分かりません。
「わけの分からん蝶だな」
「だからダメなのよ、そんなだから、ここにお家を作ろうとするのね」
「どこに家を作ろうと、俺たちの勝手だ」
「そうよ、だから勝手に別の場所に作ればいいのよ」
「勝手にここに作るさ」
「本当に情けないのね、スズメバチが聞いてあきれるわ。
なんかこう、あなたたち、スズメバチらしさがないわ」
散々けなされるスズメバチたちは、だんだん不安になってきました。
「じゃあ、どうすれば格好良くなれるか言ってみろ」
アゲハちゃんは、先生気取りで得意げに言いました。
「格好よくすればいいのよ」
「どう格好よくするんだ?」
「そうね、素敵にすれば格好良くなるわ」
「素敵って言われてもな」
「簡単な事よ、素晴らしくすれば良いんだから」
スズメバチは怒りました。
「何を言ってもダメダメじゃないか」
「分かったわ、そうだからダメなのよ。
もとから変えてみましょうよ、まず、ここにはお家は作りたくないなってところに、お家を作ってみるの」
「たとえば?」
「ここ以外のどこか」
「バカ言うな、俺たちはここが良いんだ」
「見てごらんなさいよ、ここにはスズメバチの巣なんてないでしょう?今までだってないのよ。
だって、それは、スズメバチのみんなが作らなかったからよ、だから、これからも作らない方が良いわ。
それとも何?破る気?ルールを破る気?」
とても長い押し問答でしたが、ついにスズメバチはどこかに行ってしまいました。今までのスズメバチがしてきたことを破る勇気がなかったからです。
みんながワーと歓喜の声をあげて、アゲハちゃんを胴上げしますが、ふに落ちないやり取りに、モモタはおかしくて笑いました。
「具体的に教えてあげたら?」
モモタに答えて、アゲハちゃんが言いました。
「ムリよ、だってなにもないんだもの」
絶対ワザとです。
突然やって来たスズメバチたちを前にして、別荘のお庭に住んでいた虫達はビックリです。
紋黄蝶たちはどこかに飛んで行ってしまいましたし、普段は強がっているカマキリやクモ、虫をご飯にするトカゲやカエルさえも隠れて出てきません。
毒がある針で刺されてはかないません。モモタも隠れていました。
「アゲハちゃんはどこ?」
スズメバチは怖いのですが、お友達の様子が気になります。
スズメバチが陣取ったところはログハウスの軒の下です。ちょうど、アゲハちゃんのお家があるところでした。
「ちょっと、あなたたち!私のお家で何してるのよ!!」
アゲハちゃんの声がしたのでモモタが見ると、なんと大きなスズメバチたちに、1匹で食って掛かっているではありませんか。
「あんだぁお前、やるって言うのか?」
ケンカじゃアゲハちゃんはかないませんから、スズメバチは強気です。ですが、アゲハちゃんは逃げずに言いました。
「本当、あなたたちダメダメね」
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「ダサいからに決まってるでしょ?それとも何?あなたたち、自分がカッコイイだなんて思ってるの?」
「どう格好悪いんだ、言ってみろよ」
「何もかもよ、ほら、なんかダサいでしょ」
指を指されたスズメバチが自分の体を見ますが、どこの事か分かりません。
「わけの分からん蝶だな」
「だからダメなのよ、そんなだから、ここにお家を作ろうとするのね」
「どこに家を作ろうと、俺たちの勝手だ」
「そうよ、だから勝手に別の場所に作ればいいのよ」
「勝手にここに作るさ」
「本当に情けないのね、スズメバチが聞いてあきれるわ。
なんかこう、あなたたち、スズメバチらしさがないわ」
散々けなされるスズメバチたちは、だんだん不安になってきました。
「じゃあ、どうすれば格好良くなれるか言ってみろ」
アゲハちゃんは、先生気取りで得意げに言いました。
「格好よくすればいいのよ」
「どう格好よくするんだ?」
「そうね、素敵にすれば格好良くなるわ」
「素敵って言われてもな」
「簡単な事よ、素晴らしくすれば良いんだから」
スズメバチは怒りました。
「何を言ってもダメダメじゃないか」
「分かったわ、そうだからダメなのよ。
もとから変えてみましょうよ、まず、ここにはお家は作りたくないなってところに、お家を作ってみるの」
「たとえば?」
「ここ以外のどこか」
「バカ言うな、俺たちはここが良いんだ」
「見てごらんなさいよ、ここにはスズメバチの巣なんてないでしょう?今までだってないのよ。
だって、それは、スズメバチのみんなが作らなかったからよ、だから、これからも作らない方が良いわ。
それとも何?破る気?ルールを破る気?」
とても長い押し問答でしたが、ついにスズメバチはどこかに行ってしまいました。今までのスズメバチがしてきたことを破る勇気がなかったからです。
みんながワーと歓喜の声をあげて、アゲハちゃんを胴上げしますが、ふに落ちないやり取りに、モモタはおかしくて笑いました。
「具体的に教えてあげたら?」
モモタに答えて、アゲハちゃんが言いました。
「ムリよ、だってなにもないんだもの」
絶対ワザとです。
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