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大都会のお友達
なにも起きなければ消える線
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モモタがお世話になっているお家の近くには、とても人気のあるイタリアンのレストランがありました。
地中海をイメージした白い内装で、観葉植物がたくさん置いてありました。
とても過ごしやすそうなお店です。
今日のランチは、お魚の香草焼。モモタは、お魚を焼くにおいにつられて、遊びに来ました。
ですがレストランなので、モモタは中に入れません。仕方がないので、裏に回ってみました。
表よりも裏口の方が良い香り。よく見ると、窓が少し開いていて、そこから香りが漏れているようです。
その窓から、幸せそうな家族の声が聞こえました。
「いやー、食った食った。今日のメインディッシュはスズキだったか」
「本当ね、あなた。たっぷり堪能できましたわ」
「パパ、ママ、またお夕飯も食べに来ようね」
モモタが見ると、ゴキブリ一家のお帰りです。
モモタは、どんなおいしいご飯があるのだろう、と思って、室外機の上にぴょんとのって、キッチンを覗いてみました。
中には3人の人が、お料理を作っています。
そのわきで、ちょろちょろと茶羽ゴキブリが遊んでいました。
モモタは、ビックリです。
「君たち大丈夫なの?そんなところで騒いでいたら、丸めた新聞紙で叩かれちゃうよ」
「叩かれる?なんでさ。ここはゴキブリ天国だよ。
人間が僕たちを叩くなんて、ありっこないよ」
そばにいた茶羽のゴキちゃんに聞くと、自分たちを追いかけまわす人間に会ったことがないと言うのです。
どうしてただろう、とモモタは考えましたが、全くわかりません。
ゴキブリが出てくるような汚れた場所ではありませんでした。
にゃあにゃあお喋りしていると、モモタに気が付いた人間がそばにやって来て、スズキの切れ端をくれました。
モモタとおしゃべりしていたゴキちゃんのすぐ上を、人間の手が通りましたが、ゴキちゃんは逃げません。
とても美味しかったので、モモタは時々通うようになりました。
ここは、とても人気のあるレストランです。
ですが、モモタは知ってしまいました。このお店がきれいなのは、お食事するところだけで、キッチンはとても汚いのです。
一日に出た汚れをお掃除するのは朝なのです。
夜お掃除すればいいのに、朝やるものだから、みんなが寝静まった深夜に、ゴキブリが大宴会をしていたのです。
でも誰も気が付いていません。
だって、昼間に出るゴキブリの数は、夜出る数の何百分の一でしたから。
知らぬがホトケとは、この事です。
地中海をイメージした白い内装で、観葉植物がたくさん置いてありました。
とても過ごしやすそうなお店です。
今日のランチは、お魚の香草焼。モモタは、お魚を焼くにおいにつられて、遊びに来ました。
ですがレストランなので、モモタは中に入れません。仕方がないので、裏に回ってみました。
表よりも裏口の方が良い香り。よく見ると、窓が少し開いていて、そこから香りが漏れているようです。
その窓から、幸せそうな家族の声が聞こえました。
「いやー、食った食った。今日のメインディッシュはスズキだったか」
「本当ね、あなた。たっぷり堪能できましたわ」
「パパ、ママ、またお夕飯も食べに来ようね」
モモタが見ると、ゴキブリ一家のお帰りです。
モモタは、どんなおいしいご飯があるのだろう、と思って、室外機の上にぴょんとのって、キッチンを覗いてみました。
中には3人の人が、お料理を作っています。
そのわきで、ちょろちょろと茶羽ゴキブリが遊んでいました。
モモタは、ビックリです。
「君たち大丈夫なの?そんなところで騒いでいたら、丸めた新聞紙で叩かれちゃうよ」
「叩かれる?なんでさ。ここはゴキブリ天国だよ。
人間が僕たちを叩くなんて、ありっこないよ」
そばにいた茶羽のゴキちゃんに聞くと、自分たちを追いかけまわす人間に会ったことがないと言うのです。
どうしてただろう、とモモタは考えましたが、全くわかりません。
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モモタとおしゃべりしていたゴキちゃんのすぐ上を、人間の手が通りましたが、ゴキちゃんは逃げません。
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ここは、とても人気のあるレストランです。
ですが、モモタは知ってしまいました。このお店がきれいなのは、お食事するところだけで、キッチンはとても汚いのです。
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夜お掃除すればいいのに、朝やるものだから、みんなが寝静まった深夜に、ゴキブリが大宴会をしていたのです。
でも誰も気が付いていません。
だって、昼間に出るゴキブリの数は、夜出る数の何百分の一でしたから。
知らぬがホトケとは、この事です。
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