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愛を語るペルシャ猫の話
相手をちゃんと見据えたら
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数日して立ち直ったモモタは、そばに置いてある裂きかまぼこカニ風味のことを思い出しました。
モモタは、失恋した悲しさからごはんが喉を通らず、裂きかまぼこも開封していなかったのです。
モモタはしばらく考えた後、もう一度マリーちゃんのお家に行ってみることにしました。
モモタに気がついたマリーちゃんが、窓越しにモモタに挨拶をします。フェリクス君はいないようです。
モモタは言いました、
「この間の裂きかまぼこ食べなかったから持ってきたんだ」
しばらく黙って裂きかまぼこを見つめていたマリーちゃんが言いました。
「あなたは何を望んでいらっしゃるの?」
「ええっ?僕何も望んでいないよ。ただマリーちゃんに美味しい裂きかまぼこを食べてもらいたいんだ」
「いいえ、それが本当の目的ではないはずよ。あなたはまだわたしに期待しているのね」
モモタは何も答えられません。確かに淡い期待をいだいていたからです。
「あなたの瞳に写るわたしは、以前よりずいぶんと遠くに写るようになったでしょう?」
「ううん、そんなことないよ」モモタは否定します。
「それでいいのよ、だってそれだけ瞳の中心に映るようになったってことだから」
そしてモモタに訊きます。
「今のわたしはどうかしら?」
「とっても綺麗で可愛いよ」
「以前とは変わって見えて?」
「うん、少し雰囲気が変わったかな、フェリクス君と恋をしているからかな」
マリーちゃんは、クスクスと笑います。
「違うわ、だってあなたと会う前からフェリクスとは仲良しだったもの。あなたの見る目が変わったのよ」
「どういうこと?」
「あなたは、わたしと仲良しになれないことを知って、わたしを遠くに感じるようになったの」
「そんなことないよ」
「あなたは、本当のわたしを見ていたのではないの。あなたが見たいわたしを見ていたのよ。
こうであってほしいというわたしを。
でも、それが叶わぬ願いだと知って諦めの念が生まれたの。
そうして、あなたの瞳を覆っていた望みが洗い流されたから、わたしが遠くに見えたのよ」
「なんか悲しいな」
「そんなことないわ。本当のわたしを本当の距離で見えるようになったのだから」
そう言ったマリーちゃんは、たおやかに微笑みました。
モモタは、改めてマリーちゃんを見つめます。
マリーちゃんの瞳は落ち着いた眼差しで、可愛さよりも綺麗さが勝る女の子でした。
ご主人様に、淑女としてよく教育されているのでしょう。とても綺麗な姿勢です。
今までモモタが見ていたマリーちゃんとは、だいぶ雰囲気が違います。
モモタは少し寂しい気持にもなりましたが、清々しさも感じました。
モモタはその気持ちを胸に、新たな出会いを求めて旅行に出掛けよう、と思いました。
モモタは、失恋した悲しさからごはんが喉を通らず、裂きかまぼこも開封していなかったのです。
モモタはしばらく考えた後、もう一度マリーちゃんのお家に行ってみることにしました。
モモタに気がついたマリーちゃんが、窓越しにモモタに挨拶をします。フェリクス君はいないようです。
モモタは言いました、
「この間の裂きかまぼこ食べなかったから持ってきたんだ」
しばらく黙って裂きかまぼこを見つめていたマリーちゃんが言いました。
「あなたは何を望んでいらっしゃるの?」
「ええっ?僕何も望んでいないよ。ただマリーちゃんに美味しい裂きかまぼこを食べてもらいたいんだ」
「いいえ、それが本当の目的ではないはずよ。あなたはまだわたしに期待しているのね」
モモタは何も答えられません。確かに淡い期待をいだいていたからです。
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「ううん、そんなことないよ」モモタは否定します。
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そしてモモタに訊きます。
「今のわたしはどうかしら?」
「とっても綺麗で可愛いよ」
「以前とは変わって見えて?」
「うん、少し雰囲気が変わったかな、フェリクス君と恋をしているからかな」
マリーちゃんは、クスクスと笑います。
「違うわ、だってあなたと会う前からフェリクスとは仲良しだったもの。あなたの見る目が変わったのよ」
「どういうこと?」
「あなたは、わたしと仲良しになれないことを知って、わたしを遠くに感じるようになったの」
「そんなことないよ」
「あなたは、本当のわたしを見ていたのではないの。あなたが見たいわたしを見ていたのよ。
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でも、それが叶わぬ願いだと知って諦めの念が生まれたの。
そうして、あなたの瞳を覆っていた望みが洗い流されたから、わたしが遠くに見えたのよ」
「なんか悲しいな」
「そんなことないわ。本当のわたしを本当の距離で見えるようになったのだから」
そう言ったマリーちゃんは、たおやかに微笑みました。
モモタは、改めてマリーちゃんを見つめます。
マリーちゃんの瞳は落ち着いた眼差しで、可愛さよりも綺麗さが勝る女の子でした。
ご主人様に、淑女としてよく教育されているのでしょう。とても綺麗な姿勢です。
今までモモタが見ていたマリーちゃんとは、だいぶ雰囲気が違います。
モモタは少し寂しい気持にもなりましたが、清々しさも感じました。
モモタはその気持ちを胸に、新たな出会いを求めて旅行に出掛けよう、と思いました。
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