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夢見がちなシュモクザメの話
あと少しの勇気は、誰かが注ぐもの
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シュモちゃんは、いつまで経っても浅い珊瑚礁の海から出ていきません。
落ち込んだ表情を浮かべて、薄く笑いました。
「いい加減出ていけばって思ってるでしょ?」
その声は、とても悲しげでした。
「ううん、そんなことないよ」モモタが答えます。
「実は僕も気がついているんだ。
情けないよね、いつまで経っても外に出られないんだから。
こんなんじゃ大人になってもここにいるんだろうね」
「そんなことないよ。今までだって大きくなってこれたじゃない。
浅瀬に長くいることがいけないなんてことないよ。
だって長くいてから飛び出した方が高く珊瑚を飛び越えられるし、早く泳いでだっていけるから」
「そうかな?」
シュモちゃんの眼差しに光が差します。
モモタは、シュモちゃんの色々なところを褒めてやりました。
目が長いこと、海に溶け込むきれいな灰色であるところ、尾びれのとんがり具合が格好良いところ、タイすら仕留めた勇敢なところ。
シュモちゃんは照れました。
「今まで僕は自分が情けないって思ってたけど、モモタにそんなふうに言われると、なんだかか出きるって思えてくる」
「段々と出来るようになっていく途中なんだよ。
ふと行ってみようって思えたら、その時行ってみれば良いんじゃない?」
「戻れなかったらどうしよう」
「その時は、ちょうどいい別の居場所が見つかるよ」
「そうか、そうだよね。
そんなふうに言ってもらえると、なんか安心できるよ」
シュモちゃんは、それからしばらく珊瑚礁の内側に留まっていました。万全をきす、と言うやつです。
そうして幾日かした後に、珊瑚礁を飛び越えて、お外へと泳ぎ出ていきました。
とても躍動的なシュモちゃんの泳ぎッぷりに、モモタは驚きました。
頭をフリフリ、尾びれをフリフリ、しかも一振でスィーと滑らかに泳ぎ進んでいきます。とても素早く快活で爽快な泳ぎでした。
シュモちゃんは一心不乱に泳ぎ回って、モモタにお別れも告げずに、そのまままっすぐに泳いでいきます。
モモタは、その姿をさも自分のことであるかのように誇らしげに見つめていました。
シュモちゃんの笑顔は、麗らかな希望と夢をいだいている笑顔でした。
モモタは間違いないと確信しました。今、絶対幸せなんだって。
落ち込んだ表情を浮かべて、薄く笑いました。
「いい加減出ていけばって思ってるでしょ?」
その声は、とても悲しげでした。
「ううん、そんなことないよ」モモタが答えます。
「実は僕も気がついているんだ。
情けないよね、いつまで経っても外に出られないんだから。
こんなんじゃ大人になってもここにいるんだろうね」
「そんなことないよ。今までだって大きくなってこれたじゃない。
浅瀬に長くいることがいけないなんてことないよ。
だって長くいてから飛び出した方が高く珊瑚を飛び越えられるし、早く泳いでだっていけるから」
「そうかな?」
シュモちゃんの眼差しに光が差します。
モモタは、シュモちゃんの色々なところを褒めてやりました。
目が長いこと、海に溶け込むきれいな灰色であるところ、尾びれのとんがり具合が格好良いところ、タイすら仕留めた勇敢なところ。
シュモちゃんは照れました。
「今まで僕は自分が情けないって思ってたけど、モモタにそんなふうに言われると、なんだかか出きるって思えてくる」
「段々と出来るようになっていく途中なんだよ。
ふと行ってみようって思えたら、その時行ってみれば良いんじゃない?」
「戻れなかったらどうしよう」
「その時は、ちょうどいい別の居場所が見つかるよ」
「そうか、そうだよね。
そんなふうに言ってもらえると、なんか安心できるよ」
シュモちゃんは、それからしばらく珊瑚礁の内側に留まっていました。万全をきす、と言うやつです。
そうして幾日かした後に、珊瑚礁を飛び越えて、お外へと泳ぎ出ていきました。
とても躍動的なシュモちゃんの泳ぎッぷりに、モモタは驚きました。
頭をフリフリ、尾びれをフリフリ、しかも一振でスィーと滑らかに泳ぎ進んでいきます。とても素早く快活で爽快な泳ぎでした。
シュモちゃんは一心不乱に泳ぎ回って、モモタにお別れも告げずに、そのまままっすぐに泳いでいきます。
モモタは、その姿をさも自分のことであるかのように誇らしげに見つめていました。
シュモちゃんの笑顔は、麗らかな希望と夢をいだいている笑顔でした。
モモタは間違いないと確信しました。今、絶対幸せなんだって。
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