491 / 514
モモタとママと虹の架け橋
第百二十四話 トラウマはトラと馬じゃないよ
しおりを挟む
モモタたちは、風を切って高速道路を走る観葉植物を乗せたトラックの荷台に乗っていました。
祐ちゃんのお家に戻った時のように人間のふりをして新幹線に乗ってしまえば良かったのに、どうしてなのでしょう。実は、この間乗った新幹線で一悶着あったので、乗るのはもうコリゴリなのでした。
あの日、実はこんなことがあったのです。
帰巣本能を発揮したモモタは、東京にある上野駅が祐ちゃんのお家に近い駅だと感じて、そこで下りることにしました。ですが、上野駅の新幹線ホームは地下にあるので、カンタンたちは空に飛び立つことが出来ません。しかも、ウロウロしている間に乗車しようとする乗客とぶつかって、カンタンが転んでしまいました。
潰されてはたまらないと飛び立ったアゲハちゃんに、人々の注目が集まりました。その下には、かぶっていた帽子が落ちています。トレンチコートの裾がめくれていました。カンタンの長いくちばしとお尻と足が丸見えです。
地面に叩きつけられてびっくりしたモモタとチュウ太が、カンタンの口の中から慌てて這い出てきました。それを見たホームにいた人々は大絶叫。
その悲鳴で怖くなったのでしょうか。カンタンの背中にいたキキが、大慌てでトレンチコートの中から出てきて、間髪入れずに飛び立ちました。一人の人間がばらけて色々な動物に分裂していくそのさまに、その場にいた人たちは大パニック。その声でモモタたちも大パニック。人間よりも身長の高いカンタンまで飛び立つ始末でしたから、大騒ぎとなりました。
キキとカンタンは空を探しましたが、どこにもありません。チュウ太は、ホームの下に逃げて隠れてしまいました。アゲハちゃんは、柱の上のほうにとまって難を逃れたようです。
困ったのはモモタでした。チュウ太と一緒に隠れてしまいたかったのですが、キキとカンタンを見捨てるわけにもいきません。そもそも、ホームからどうやって外に出られるか分かりませんし、もともとの予定はお空に飛んで逃げる、というものでしたから、キキとカンタンの動向を見守る必要があったのです。
二羽が、外へと繋がる道を見つけてくれさえすれば、自分の跳躍力で外に出る自信もありました。
人間になれているモモタでさえ怯えているのですから、ほとんど人間に会ったことのないキキとアゲハちゃんは、とても怖かったでしょう。しかも空も見えない地下のホーム。恐怖は極限にまで達している様子でした。
キキは、人間たちの刺すような視線に耐えられないのでしょう。捕まえようとする駅員さんから、叫びながら逃げ回っています。人間に免疫のあるカンタンでさえ、慌てふためいて飛び回っていました。
モモタは、長いエスカレーターを見つけて叫びました。
「みんな、動く階段があるよ。上の階に行けるから、もしかしたら窓があるかもしれないよ」
その声を聞いて、Uターンしてきたカンタンが、真っ先に階上目指してエスカレーターの上を飛んでいきます。キキは、柱から舞い上がったアゲハちゃんを見つけて背中にとまらせました。その間に、ホームの上に上がってきたチュウ太をモモタがくわえます。
チュウ太をくわえてエレベーターを駆けあがるモモタと共に、キキも一緒に階上へと飛んでいきました。それでも難儀は過ぎ去りません。まだまだ地下だったのです。階下と同じように人間たちが大パニックになる中を、モモタたちはエスカレーターを見つけ出して、さらに階上へと急ぎました。
そしてようやく一階まで上がってくると、一目散に改札に向かいます。みんな外が見えていたわけではありませんが、改札がある方向に外がある、と本能的に察したのでしょう。においや風の流れでそう気がつけたのかもしれません。
ですが、外に出たら出たで大変でした。大量の車は行き交っているわ、たくさんの人がいるわ、けたたましい音が鳴り響いているわ、猛獣たちの匂いは漂ってくるわで、みんな戦々恐々です。
しかも、コンクリートに囲まれた大都会でしたから、カンタンのように大きな鳥は大変目立ちました。瞬く間にみんなの大注目を浴びてしまいます。
カンタンは、モモタたちを地に残して上空を旋回していました。どうしていいか分からないのでしょう。飛んでいくことも戻ってくることも出来ずに、延々と道路に囲まれた広場の上を飛び続けています。みんなのもとに戻りたそうにもしていますが、怖くて怖くて戻ってくることも出来ない様子です。
キキが飛んでいって言いました。
「カンタン、落ち着いて。ほらあそこに小さな林があるだろう? 見て、線路の向こう。とりあえず向こうに行こう」
キキは、カンタンを優しく誘導して、とある公園のほうに飛んでいきます。それを見たモモタは、チュウ太をくわえたままついていきました。
さすがにモモタは、珍しくもないただの茶トラ猫でしたから、外に出てしまえば人間の関心を買うことはありません。誰一人として、モモタに興味の眼差しを向ける者はいませんでした。
モモタが線路を横断して、ある美術館の林に入りましたが、キキもカンタンも見当たりません。どうしたんだろう、とモモタがチュウ太と一緒にキョロキョロしていると、アゲハちゃんが飛んできて言いました。
「モモちゃん、モモちゃん、むこうに動物がたくさん住んでいるお家があるの。カンタンがそっちのほうに飛んでいってしまったから、キキは追いかけていったわ」
チュウ太がモモタに言います。
「ここはだいぶ自然が多いけど、人でごった返してるね。野生の人間もいるんだな」
「本当だね。たまにいるけど、ほとんどの人間は森の中や水の中では生活できないのかと思ってた。けど違うんだね」
アゲハちゃんが言いました。
「本当は、人間も森の中で生活したいのよ。だって、みんなハイキングに来て楽しんでいるでしょう?」
そこに、キキが戻ってきました。
「なんの話をしてるの?」アゲハちゃんに訊きました。
「人間は、本当は自然の中で生活したいんじゃないかなって」
チュウ太が付け加えます。
「自然の中で生活したければすればいいのに。なにも、石ばかりでやかましいところに住んでいなくてもいいのにさ」
すると、キキが言いました。
「ムリだよ。人間の体は大きいけれど、そんなに強いわけではないからね。この大冒険でそう思うようになったよ。だって、ツキノワグマのほうが小さいけど、人間より強いんじゃないかな」
モモタが言います。
「でも、クマさんは人間を怖がってる様子だよ」
「人間のほうが頭がいいからさ。力で勝てても頭で負けるから怖いんだ」
「なら、頭のよさを使って森に住めるんじゃないの?」とアゲハちゃんが訊きます。
「どんなに頭がよくても、誰も近寄ってこなければ、頭のよさは発揮できないだろう? そうなったらごはんが獲れないよ。人間は、ごはんを怯えさせる声で吠えられないし、爪も牙もないじゃない? 足だって遅いよ。だから、森の中では生活できないんだ」
みんなとカンタンのいる動物園に向かいながら、モモタが話し始めました。
「でも、石ばかりの中で生活できるなんてすごいね。それなのにごはんに困っている様子もないし。僕たち猫や他のたくさんの動物と一緒に生活してるんだよ。チュウ太だってそうでしょう?」モモタがチュウ太を見やります。
「ん? ああ、そうだね。僕の場合は許可取ってないけどね(笑)」
さすがは動物園です。来園していた動物大好きっ子のみんなは、珍しいオオタカのキキに興味津々で、とても温かい眼差しを向けてくれました。カンタンにも怯える様子を見せずに、一緒に写真を撮ったりしています。
カンタンは動物園生まれでしたから、動物のことが好き好き大好きな人間の優しさを知っていました。ですから、とてもリラックスしているようでした。
「やっと来たのかい? モモタ」カンタンが翼を広げます。「さあ、ここからどう飛んでいけば、祐ちゃんのお家に行けるのかな? 新幹線と違ってここは大空がいっぱいだから、どこへだって飛んでいけるよ」
そう言えば――と思い出したモモタが辺りを見渡します。
「あっちのほう」
そう言って鼻先を向けました。
「よおぅーし! それじゃあさっそく出発だー」
カンタンが掛け声をかけて、モモタをお口に誘います。少し翼を羽ばたかせてウォーミングアップをしたカンタンは、意気揚々と飛び立ちました。
みんなはすぐに祐ちゃんの家に辿り着けるものと思っていましたが、動物園からだいぶ長い時間を飛ぶ破目になりました。
――そのような顛末があったので、モモタたちは、もう新幹線はコリゴリだと思って、車で大冒険へと復帰することにしたのでした。
祐ちゃんのお家に戻った時のように人間のふりをして新幹線に乗ってしまえば良かったのに、どうしてなのでしょう。実は、この間乗った新幹線で一悶着あったので、乗るのはもうコリゴリなのでした。
あの日、実はこんなことがあったのです。
帰巣本能を発揮したモモタは、東京にある上野駅が祐ちゃんのお家に近い駅だと感じて、そこで下りることにしました。ですが、上野駅の新幹線ホームは地下にあるので、カンタンたちは空に飛び立つことが出来ません。しかも、ウロウロしている間に乗車しようとする乗客とぶつかって、カンタンが転んでしまいました。
潰されてはたまらないと飛び立ったアゲハちゃんに、人々の注目が集まりました。その下には、かぶっていた帽子が落ちています。トレンチコートの裾がめくれていました。カンタンの長いくちばしとお尻と足が丸見えです。
地面に叩きつけられてびっくりしたモモタとチュウ太が、カンタンの口の中から慌てて這い出てきました。それを見たホームにいた人々は大絶叫。
その悲鳴で怖くなったのでしょうか。カンタンの背中にいたキキが、大慌てでトレンチコートの中から出てきて、間髪入れずに飛び立ちました。一人の人間がばらけて色々な動物に分裂していくそのさまに、その場にいた人たちは大パニック。その声でモモタたちも大パニック。人間よりも身長の高いカンタンまで飛び立つ始末でしたから、大騒ぎとなりました。
キキとカンタンは空を探しましたが、どこにもありません。チュウ太は、ホームの下に逃げて隠れてしまいました。アゲハちゃんは、柱の上のほうにとまって難を逃れたようです。
困ったのはモモタでした。チュウ太と一緒に隠れてしまいたかったのですが、キキとカンタンを見捨てるわけにもいきません。そもそも、ホームからどうやって外に出られるか分かりませんし、もともとの予定はお空に飛んで逃げる、というものでしたから、キキとカンタンの動向を見守る必要があったのです。
二羽が、外へと繋がる道を見つけてくれさえすれば、自分の跳躍力で外に出る自信もありました。
人間になれているモモタでさえ怯えているのですから、ほとんど人間に会ったことのないキキとアゲハちゃんは、とても怖かったでしょう。しかも空も見えない地下のホーム。恐怖は極限にまで達している様子でした。
キキは、人間たちの刺すような視線に耐えられないのでしょう。捕まえようとする駅員さんから、叫びながら逃げ回っています。人間に免疫のあるカンタンでさえ、慌てふためいて飛び回っていました。
モモタは、長いエスカレーターを見つけて叫びました。
「みんな、動く階段があるよ。上の階に行けるから、もしかしたら窓があるかもしれないよ」
その声を聞いて、Uターンしてきたカンタンが、真っ先に階上目指してエスカレーターの上を飛んでいきます。キキは、柱から舞い上がったアゲハちゃんを見つけて背中にとまらせました。その間に、ホームの上に上がってきたチュウ太をモモタがくわえます。
チュウ太をくわえてエレベーターを駆けあがるモモタと共に、キキも一緒に階上へと飛んでいきました。それでも難儀は過ぎ去りません。まだまだ地下だったのです。階下と同じように人間たちが大パニックになる中を、モモタたちはエスカレーターを見つけ出して、さらに階上へと急ぎました。
そしてようやく一階まで上がってくると、一目散に改札に向かいます。みんな外が見えていたわけではありませんが、改札がある方向に外がある、と本能的に察したのでしょう。においや風の流れでそう気がつけたのかもしれません。
ですが、外に出たら出たで大変でした。大量の車は行き交っているわ、たくさんの人がいるわ、けたたましい音が鳴り響いているわ、猛獣たちの匂いは漂ってくるわで、みんな戦々恐々です。
しかも、コンクリートに囲まれた大都会でしたから、カンタンのように大きな鳥は大変目立ちました。瞬く間にみんなの大注目を浴びてしまいます。
カンタンは、モモタたちを地に残して上空を旋回していました。どうしていいか分からないのでしょう。飛んでいくことも戻ってくることも出来ずに、延々と道路に囲まれた広場の上を飛び続けています。みんなのもとに戻りたそうにもしていますが、怖くて怖くて戻ってくることも出来ない様子です。
キキが飛んでいって言いました。
「カンタン、落ち着いて。ほらあそこに小さな林があるだろう? 見て、線路の向こう。とりあえず向こうに行こう」
キキは、カンタンを優しく誘導して、とある公園のほうに飛んでいきます。それを見たモモタは、チュウ太をくわえたままついていきました。
さすがにモモタは、珍しくもないただの茶トラ猫でしたから、外に出てしまえば人間の関心を買うことはありません。誰一人として、モモタに興味の眼差しを向ける者はいませんでした。
モモタが線路を横断して、ある美術館の林に入りましたが、キキもカンタンも見当たりません。どうしたんだろう、とモモタがチュウ太と一緒にキョロキョロしていると、アゲハちゃんが飛んできて言いました。
「モモちゃん、モモちゃん、むこうに動物がたくさん住んでいるお家があるの。カンタンがそっちのほうに飛んでいってしまったから、キキは追いかけていったわ」
チュウ太がモモタに言います。
「ここはだいぶ自然が多いけど、人でごった返してるね。野生の人間もいるんだな」
「本当だね。たまにいるけど、ほとんどの人間は森の中や水の中では生活できないのかと思ってた。けど違うんだね」
アゲハちゃんが言いました。
「本当は、人間も森の中で生活したいのよ。だって、みんなハイキングに来て楽しんでいるでしょう?」
そこに、キキが戻ってきました。
「なんの話をしてるの?」アゲハちゃんに訊きました。
「人間は、本当は自然の中で生活したいんじゃないかなって」
チュウ太が付け加えます。
「自然の中で生活したければすればいいのに。なにも、石ばかりでやかましいところに住んでいなくてもいいのにさ」
すると、キキが言いました。
「ムリだよ。人間の体は大きいけれど、そんなに強いわけではないからね。この大冒険でそう思うようになったよ。だって、ツキノワグマのほうが小さいけど、人間より強いんじゃないかな」
モモタが言います。
「でも、クマさんは人間を怖がってる様子だよ」
「人間のほうが頭がいいからさ。力で勝てても頭で負けるから怖いんだ」
「なら、頭のよさを使って森に住めるんじゃないの?」とアゲハちゃんが訊きます。
「どんなに頭がよくても、誰も近寄ってこなければ、頭のよさは発揮できないだろう? そうなったらごはんが獲れないよ。人間は、ごはんを怯えさせる声で吠えられないし、爪も牙もないじゃない? 足だって遅いよ。だから、森の中では生活できないんだ」
みんなとカンタンのいる動物園に向かいながら、モモタが話し始めました。
「でも、石ばかりの中で生活できるなんてすごいね。それなのにごはんに困っている様子もないし。僕たち猫や他のたくさんの動物と一緒に生活してるんだよ。チュウ太だってそうでしょう?」モモタがチュウ太を見やります。
「ん? ああ、そうだね。僕の場合は許可取ってないけどね(笑)」
さすがは動物園です。来園していた動物大好きっ子のみんなは、珍しいオオタカのキキに興味津々で、とても温かい眼差しを向けてくれました。カンタンにも怯える様子を見せずに、一緒に写真を撮ったりしています。
カンタンは動物園生まれでしたから、動物のことが好き好き大好きな人間の優しさを知っていました。ですから、とてもリラックスしているようでした。
「やっと来たのかい? モモタ」カンタンが翼を広げます。「さあ、ここからどう飛んでいけば、祐ちゃんのお家に行けるのかな? 新幹線と違ってここは大空がいっぱいだから、どこへだって飛んでいけるよ」
そう言えば――と思い出したモモタが辺りを見渡します。
「あっちのほう」
そう言って鼻先を向けました。
「よおぅーし! それじゃあさっそく出発だー」
カンタンが掛け声をかけて、モモタをお口に誘います。少し翼を羽ばたかせてウォーミングアップをしたカンタンは、意気揚々と飛び立ちました。
みんなはすぐに祐ちゃんの家に辿り着けるものと思っていましたが、動物園からだいぶ長い時間を飛ぶ破目になりました。
――そのような顛末があったので、モモタたちは、もう新幹線はコリゴリだと思って、車で大冒険へと復帰することにしたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)
tomoharu
児童書・童話
え?こんな話絶対ありえない!作り話でしょと思うような話からあるある話まで幅広い範囲で物語を考えました!ぜひ読んでみてください!数年後には大ヒット間違いなし!!
作品情報【伝説の物語(都道府県問題)】【伝説の話題(あだ名とコミュニケーションアプリ)】【マーライオン】【愛学両道】【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】【トモレオ突破椿】など
・【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】とは、その話はさすがに言いすぎでしょと言われているほぼ実話ストーリーです。
小さい頃から今まで主人公である【紘】はどのような体験をしたのかがわかります。ぜひよんでくださいね!
・【トモレオ突破椿】は、公務員試験合格なおかつ様々な問題を解決させる話です。
頭の悪かった人でも公務員になれることを証明させる話でもあるので、ぜひ読んでみてください!
特別記念として実話を元に作った【呪われし◯◯シリーズ】も公開します!
トランプ男と呼ばれている切札勝が、トランプゲームに例えて次々と問題を解決していく【トランプ男】シリーズも大人気!
人気者になるために、ウソばかりついて周りの人を誘導し、すべて自分のものにしようとするウソヒコをガチヒコが止める【嘘つきは、嘘治の始まり】というホラーサスペンスミステリー小説
たったひとつの願いごと
りおん雑貨店
絵本
銀河のはてで、世界を見守っている少年がおりました。
その少年が幸せにならないと、世界は冬のままでした。
少年たちのことが大好きないきものたちの、たったひとつの願いごと。
それは…
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
ぽんちゃん、しっぽ!
こいちろう
児童書・童話
タケルは一人、じいちゃんとばあちゃんの島に引っ越してきた。島の小学校は三年生のタケルと六年生の女子が二人だけ。昼休みなんか広い校庭にひとりぼっちだ。ひとりぼっちはやっぱりつまらない。サッカーをしたって、いつだってゴールだもん。こんなにゴールした小学生ってタケルだけだ。と思っていたら、みかん畑から飛び出してきた。たぬきだ!タケルのけったボールに向かっていちもくさん、あっという間にゴールだ!やった、相手ができたんだ。よし、これで面白くなるぞ・・・
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)
ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる