32 / 50
piece6 サプライズ作戦開始!
サプライズ失敗?
しおりを挟む
――パン、パン!
軽快な破裂音が響き渡った。
目の前に、色とりどりのペーパーリボンが飛んでくる。
「ハッピーバースデー!!」
扉の両サイドに控えていた友人たちの暖かい笑顔が、剛士を迎えた。
「おお」
剛士が柔らかく微笑んだ。
「ありがとう」
そして皆をねぎらうように、拍手をしてみせる。
「……あ、あれ?」
拓真と彩奈が、顔を見合わせる。
「リアクション……薄くない?」
「そんなことねえよ。嬉しいぞ?」
「いや、じゃなくて。これ、サプライズなんだけど」
「ああ。まあ、そうだよな」
剛士が楽しそうに笑い出す。
悠里たち3人は、ますます首を捻った。
「だって、お前らがあまりに不自然だから」
どうやら、勘付かれていたらしい。
「う……不自然、だった?」
赤縁メガネの奥の瞳を歪ませ、彩奈が問う。
「どの辺が?」
「どの辺が、といわれると……まあ全部だけど」
笑いながら、剛士が首を傾げる。
「今日で言うなら、宅配ピザ食べたいから悠里ん家に行くって、皆で騒ぎ出したとこかな」
「なにぃ~!?オレたちの名演技が、見破られただと!?」
拓真が大袈裟に叫びながら、金髪頭を抱える。
「いやだって、そこにピザ食えるレストランがあるのに、拓真は宅配ピザがいいとか言うし」
「うっ」
拓真が上目遣いに剛士を見る。
「彩奈は絶叫系にもう一度乗るとか騒いでたのに、急に、もう全部乗ったから2次会しようとか言うし」
「ううっ」
彩奈が赤メガネの下の目を歪める。
「悠里は、いつもゆっくり話すのに、あん時だけめちゃめちゃ早口で、ウチ来る?とか言ってるし」
「うう……」
恥ずかしさに耐えかね、悠里は両手を頬に当てた。
剛士は楽しそうに口元に笑みを浮かべ、傍らにある悠里の頭を撫でる。
「本当、面白かった」
悠里は、遊園地を後にしたときの彼を思い返す。
勇んで出口に向かって歩き始めた拓真と彩奈の後を追っていたとき、剛士は小さく吹き出していた。
あれは、サプライズを仕掛けるために右往左往する自分たちが、可笑しくて仕方なかったのだろう。
3人の顔を順番に見て、剛士は笑った。
「そもそも、俺の誕生日に遊園地をぶつけてくる時点で、おかしいよな」
「もうそれ、始めからじゃん!」
拓真と彩奈が、ガックリとうな垂れた。
「まさか、計画段階からバレていたなんて……」
「サプライズ、失敗だああ!」
「そんなことねえよ」
剛士が、2人の傍に歩み寄る。
「みんなが、俺のためにがんばってくれたんだから。サプライズに気づいたかなんて関係なしに、本当に嬉しいぞ」
ありがとな、と言いながら、剛士は2人の頭をクシャクシャと撫でた。
軽快な破裂音が響き渡った。
目の前に、色とりどりのペーパーリボンが飛んでくる。
「ハッピーバースデー!!」
扉の両サイドに控えていた友人たちの暖かい笑顔が、剛士を迎えた。
「おお」
剛士が柔らかく微笑んだ。
「ありがとう」
そして皆をねぎらうように、拍手をしてみせる。
「……あ、あれ?」
拓真と彩奈が、顔を見合わせる。
「リアクション……薄くない?」
「そんなことねえよ。嬉しいぞ?」
「いや、じゃなくて。これ、サプライズなんだけど」
「ああ。まあ、そうだよな」
剛士が楽しそうに笑い出す。
悠里たち3人は、ますます首を捻った。
「だって、お前らがあまりに不自然だから」
どうやら、勘付かれていたらしい。
「う……不自然、だった?」
赤縁メガネの奥の瞳を歪ませ、彩奈が問う。
「どの辺が?」
「どの辺が、といわれると……まあ全部だけど」
笑いながら、剛士が首を傾げる。
「今日で言うなら、宅配ピザ食べたいから悠里ん家に行くって、皆で騒ぎ出したとこかな」
「なにぃ~!?オレたちの名演技が、見破られただと!?」
拓真が大袈裟に叫びながら、金髪頭を抱える。
「いやだって、そこにピザ食えるレストランがあるのに、拓真は宅配ピザがいいとか言うし」
「うっ」
拓真が上目遣いに剛士を見る。
「彩奈は絶叫系にもう一度乗るとか騒いでたのに、急に、もう全部乗ったから2次会しようとか言うし」
「ううっ」
彩奈が赤メガネの下の目を歪める。
「悠里は、いつもゆっくり話すのに、あん時だけめちゃめちゃ早口で、ウチ来る?とか言ってるし」
「うう……」
恥ずかしさに耐えかね、悠里は両手を頬に当てた。
剛士は楽しそうに口元に笑みを浮かべ、傍らにある悠里の頭を撫でる。
「本当、面白かった」
悠里は、遊園地を後にしたときの彼を思い返す。
勇んで出口に向かって歩き始めた拓真と彩奈の後を追っていたとき、剛士は小さく吹き出していた。
あれは、サプライズを仕掛けるために右往左往する自分たちが、可笑しくて仕方なかったのだろう。
3人の顔を順番に見て、剛士は笑った。
「そもそも、俺の誕生日に遊園地をぶつけてくる時点で、おかしいよな」
「もうそれ、始めからじゃん!」
拓真と彩奈が、ガックリとうな垂れた。
「まさか、計画段階からバレていたなんて……」
「サプライズ、失敗だああ!」
「そんなことねえよ」
剛士が、2人の傍に歩み寄る。
「みんなが、俺のためにがんばってくれたんだから。サプライズに気づいたかなんて関係なしに、本当に嬉しいぞ」
ありがとな、と言いながら、剛士は2人の頭をクシャクシャと撫でた。
0
あなたにおすすめの小説
憧れのお姉さんは淫らな家庭教師
馬衣蜜柑
恋愛
友達の恋バナに胸を躍らせる教え子・萌音。そんな彼女を、美咲は優しく「大人の身体」へと作り替えていく。「ねえ萌音ちゃん、お友達よりも……気持ちよくしてあげる」眼鏡の家庭教師が教えるのは、教科書には載っていない「女同士」の極上の溶け合い方。
女性向け百合(レズビアン)R18小説。男性は出てきません。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした。今度こそ幸せになります!!〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる