おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

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第193話 廃洋館探索任務 ②

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 スケルトンというのは実はそんなに強いモンスターではない。

しかし、剣や槍で武装している、侮る訳にはいかない様だ。

見た感じ門番の様に立っているし、屋敷に何かある………と見て間違いない様だ。

サキ隊長に言われ、屋敷をぐるりと回り調べてみた。今はその報告中。

「ご苦労、ジャズ少尉。」

「は、見た所出入り口はここの正面玄関の門と、裏口に一つ、こっちは鍵が掛かっていました。」

ナナ少尉が質問してきた。

「他に入り口は無いのですね? 中の様子はどうかしら?」

「はい、壁の隙間から覗いてみましたが、やはりスケルトンやゴーストといったモンスターでいっぱいでしたね。屋敷も相当古い建物でしょうし、こんな森の中に屋敷があったなんて、今まで発見されていなかったのが不思議ですね。」

屋敷自体は立派なものだ、ただ所々痛んでいる。周りを囲む塀もしっかりしている。

雰囲気は出ているが、お化け屋敷というには些か間違っていないと思う。

「どうします、隊長?」

「門番は玄関前の二体のスケルトンだけなんだな?」

「はい、武装していますが、問題ありません。」

サキ隊長は少し考え、ナナ少尉に意見を求めた。

「ナナ、どう思う?」

「裏口は鍵が掛かっているのでしょう? なら正面突破しかありませんわ。」

「うん、そうだな。よし! 隊列を組む、ジャズとニールが前衛、私とナナが中衛、リップとメリーが後衛、二列縦隊で行く。いいか! 気合入れろよ!」

「「「「「 了解!! 」」」」」

決まったな、さて、後は行動あるのみ。

冒険者の人達はと様子を見ると、既にキャンプの準備をしていた。

「じゃあ、俺達はここで待っていますから、後の事は軍人さんに任せますよ。」

「解りました、何かあったら大声で合図して下さい。」

よし、早速行動開始だ。銀の剣を装備し、門番のスケルトンに近づく。

「いくぞニール! お前は左の奴を頼む!」

「いいぜ! 手早く片付ける!」

俺とニールがスケルトンに向けて剣を抜き、接近したところで動きがあった。

 それは、意外な反応だった。

「ちょっ、ちょっと待ちなさい君達! 何抜剣しちゃってるの!? そんな怖い顔で向かって来られてもここは通さないよ! 君達常識が無いのかい? 屋敷の主に何かご用なのかね?」

「な、なにー!? スケルトンが喋った。」

 俺が驚いていると、門番のスケルトンは心外だと言わんばかりに腰に手を当て、言葉を発してきた。

「そりゃスケルトンだって喋るよ、獣が喋るんだから。」

「むぅ!? それは私達獣人族に対して失礼です!」

メリー伍長は憤慨しているが、ここは一度立ち止まって様子見をするべきか?

よし、話を合わせてみよう。上手くいけばすんなりと屋敷に入れるかもしれない。

「先ずはその物騒な物を仕舞いなさい、こちらは戦う意思はないからね。」

スケルトンが言った後、俺達は武器を仕舞った。

「やれやれ、これでまともな話が出来るね。まったく、近頃の若者ときたら。直ぐに武器を使いたがる。実にけしからん。」

「は、はあ。」

ふーむ、一応話せるスケルトンらしいな。ちょっと話を合わせてみるか。

「あのう、我々はこの屋敷に入りたいのですが………。」

「で? 君達ちゃんとアポは取ったのかね?」

「へ? アポ?」

「屋敷の主に会うのにいきなりやって来ても会える訳なかろう。アポも取ってないのならなおさらだよ。どこの馬の骨とも知れぬ輩においそれと会える方ではないのだよ。」

ふーむ、アポイントか、どうやって取ろうか?

「隊長、どうします?」

俺が振り向いて尋ねると、サキ隊長は困った様子で腕を組んでいる。

「私に聞くな、アンデッド系モンスターにアポの取り方なぞ知らん。」

ですよね~。

次はナナ少尉に聞いてみよう。

「ナナ少尉、アポの取り方って………………。」

「そうですわね~、アンデッド系モンスターのアポの取り方は存じませんが、貴族同士のアポの取り方ならば解りますが。」

ふーむ、貴族か。

ここは今一度スケルトンに聞いてみるか。

「一つ尋ねたいのだが、ここの屋敷の主というのは、どこぞのお貴族様なのか?」

スケルトンは快活に答えた。

「ああ、そうだよ。生きていた頃は男爵様だったのだよ。領民たちからも慕われていてね、あんな事がなければ、今頃はとっくに………………。」

(あんな事?)

あまり立ち入った事は聞かない方がいいな。面倒くさいかもしれん。

「なら、アポを取るにはどうしたらいいんだ?」

「なんだ、そんな事も知らんのかね? 君たちは本当に常識が無いね。」

お前に言われたくはない。喋るスケルトンよ。

もう一度振り向き、今度はナナ少尉に聞いてみた。

「ナナ少尉、貴族に会う約束みたいなのはどうしたらいいでしょうか?」

「そうね、普通ならまず、他の貴族からの紹介状を一筆書いてもらいますわ。それを遣いの者に持たせ、相手の使いに渡すのですわ。会うつもりがあれば、返事が来ますし、直接出向いて訪ねる事もありますわ。」

なるほど、やはりめんどくさいな。貴族ってのは。

「そう言えばナナ少尉はフローラ家のご息女でしたよね? 紹介状を書いてはもらえませんか?」

「それは構いませんが、ゴーストやスケルトン相手に通用するでしょうか?」

「兎に角、やってみてください。」

「解りました、少し待ちなさい。」

そう言って、ナナ少尉はアイテムボックスから紙とペン、封筒を取り出した。

 紙になにやら筆を走らせているが、暫くするとナナ少尉は手慣れた手つきで手紙を封筒に入れ、蝋封をして指輪に刻印された家の家紋の部分を押して、手紙をしたためてくれた。

「出来ましたわ、ジャズ少尉、これをあのスケルトンに渡しなさいな。」

「はい、ありがとうございます。ナナ少尉。」

俺は早速手紙を受け取ると、そのまま門番のスケルトンに手紙を渡した。

「そちらの主様宛にお手紙です。フローラ家のご息女様からです。」

「うむ、確かに受け取った。しばし待たれよ、主様に届けてくる。」

そう言って、門番のスケルトンの一体が手紙を持って屋敷の中へと駆けて行った。

「やれやれ、第一関門は何とかなりそうだな。」

「まだ油断は出来ないぜジャズ。仲間を呼んで大軍で俺達を迎え撃つつもりかもよ?」

「まあ、そうならない様に、上手く立ち回るしかなかろう。」

そして、しばらくの間待っていると、先程のスケルトンが戻って来た。

「お待たせしました、主様がお会いになるそうです。貴方方を客人として迎える用意があります。俺が案内しますんで、付いて来て下さい。」

おお!? 上手くいくもんだな、戦闘無しですんなり通されたぞ。

 勿論、何かの罠の可能性も視野に入れているのだが。

どうにもこの屋敷、というかスケルトンはモンスターって感じがしないんだよな。

あまり脅威度を感じない。不思議だ。

ここで、冒険者に伝えておく。

「俺達は屋敷の中へ入るから、あんた等は森の外側を探索して、村娘たちの捜索を頼みます。」

「おう、こっちはこっちでやっておくから、気を付けてな。兵隊さん。」

さて、スケルトンの案内で屋敷の中へご招待されたが、この先何があるのか。

おっかなびっくり進む俺達混成小隊だった。
























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