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第十章
不幸を背負う者6
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「シャリン、大丈夫か?」
圭がシャリンに駆け寄るとシャリンは満面の笑みで振り向いた。
「大丈夫だよ!」
「頬に血が……」
シャリンの頬には人と同じく赤い血が滲んでいた。
ただ圭が軽く指で拭ってあげるともうすでに傷は塞がって綺麗な白い肌が戻っている。
「……たい……がん」
「えっ?」
体を動かして壁から抜け出した王たるシタチュフリスアが言葉を発した。
短い言葉だったので何を言ったのかわからなかったけれど聞き馴染みのある言葉にも聞こえて圭は驚く。
「我らが大願のため!」
目を血走らせた王たるシタチュフリスアが力を振り絞って圭に飛びかかった。
王たるシタチュフリスアが口にした言葉は圭にも理解ができるものだったがそんなこと気にする暇もない。
「ケイに触るな」
真っ直ぐに伸ばされた王たるシタチュフリスアの手であったが、その手は圭に届くことはなかった。
綺麗さの中に恐怖を抱かせるような顔をしたシャリンが王たるシタチュフリスアの頭を鷲掴みにして止めていたのである。
「ケイに、触るな。ケイを、傷つけるな」
シャリンが王たるシタチュフリスアの頭を壁に叩きつける。
何度も何度も壁が砕けるほどの力で叩きつけて、抵抗を見せていた王たるシタチュフリスアもだんだんと動かなくなる。
「ケイ、大丈夫?」
手を真っ赤な血で染め、頬にも自分ではなく王たるシタチュフリスアの血をつけたシャリンは笑顔で振り返る。
「あ、ああ……」
シャリンが味方でよかったと心から思う。
圧倒的な力と悪魔なりの残虐性が自分に向かないこともそうだし、今回シャリンが味方であることでかなり楽に戦うことができた。
運が良かったと言わざるを得ない。
「イレギュ……ラー……聞いてない…………」
王たるシタチュフリスアは何かをぶつぶつとつぶやいている。
「大願……俺たちの世界……あと少し……だった…………」
壁にもたれかかって座った王たるシタチュフリスアはうつろな目をして空を見上げる。
しかしそこには天井しかない。
「◻︎◻︎◻︎◻︎……」
「……今なんて言ったんだ?」
「ピピ……ワカラナイ」
圭たちの言葉を王たるシタチュフリスアが発していることも不思議だった。
しかし王たるシタチュフリスアは最後の最後にフィーネにも誰にも分からない言葉を口にしてうなだれるようにして死んでしまった。
「何だったんだ……」
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! クリア!
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
圭を狙うことも謎であり、この戦いには分からないことが多かったと圭は眉をひそめた。
戦いには勝ったもののスッキリとしない感じがある。
王たるシタチュフリスアが死んだことによって最後の試練がクリアになった。
これによって十階の試練を攻略したことになる。
「ん? シャリン……大丈夫だよ」
アルデバロンが圭の肩に手を乗せた。
シャリンがサッと拳を握ったので圭は慌ててシャリンを止める。
アルデバロンから敵意のような一切感じない。
ただシタチュフリスアは試練がクリアになると消えてしまうと聞いていたのにアルデバロンはまだ消えていなかった。
「……何だ?」
一度頷いたアルデバロンはおもむろに壁のほうに歩いていった。
何をするのかと見ていると壁に向かって手を伸ばした。
「スイッチがあったのか」
壁の一部が四角くへこむ。
見た目はほとんど壁であったのだが隠しスイッチがあったのである。
地面がわずかに振動し、ゴゴゴと低い音が響く。
「あそこ!」
波瑠が王の墓所の真ん中を指差した。
地面が開いていって中から階段が姿を現す。
「これは……」
「確かに王の墓所なんていう割には何もないもんね」
墓所というからにはお墓である。
そこには眠っている人がいるのだろうが降りてきた先にあったのは何もない空間だった。
戦うには都合が良かったけれどよくよく考えると何もないというのもおかしな話である。
「来いと言っているようだねぇ」
アルデバロンは手招きをして階段を降りていく。
少し怪しさはあるものの何かがあるという予感を覚えて圭たちはついていくことにした。
階段にも等間隔に松明が設置されていて降りるのに困らないぐらいには明るく、アルデバロンは圭たちがついてくるの確認しながらゆっくりと先を進む。
「……ここが本当の墓所なんだな」
下には大きな石の棺桶が並ぶ大きな部屋になっていた。
シンプルな棺桶であるがそれぞれに名前のようなものが書いてある。
アルデバロンは両膝をついて墓所に頭を下げると真っ直ぐに奥に向かっていく。
「まだ何かあるでしょうか?」
お墓の横を通り過ぎていき、一番奥にある一際大きなお墓の前にアルデバロンは立った。
さらにもう一度お墓に対して膝をついて礼を尽くすとお墓の裏手に回る。
「まーた隠し扉か」
アルデバロンがお墓をまさぐるとお墓の後ろにある壁が開く。
「さて……何が目的なのかねぇ?」
さらに奥の部屋に進むアルデバロンに圭たちはついていく。
圭がシャリンに駆け寄るとシャリンは満面の笑みで振り向いた。
「大丈夫だよ!」
「頬に血が……」
シャリンの頬には人と同じく赤い血が滲んでいた。
ただ圭が軽く指で拭ってあげるともうすでに傷は塞がって綺麗な白い肌が戻っている。
「……たい……がん」
「えっ?」
体を動かして壁から抜け出した王たるシタチュフリスアが言葉を発した。
短い言葉だったので何を言ったのかわからなかったけれど聞き馴染みのある言葉にも聞こえて圭は驚く。
「我らが大願のため!」
目を血走らせた王たるシタチュフリスアが力を振り絞って圭に飛びかかった。
王たるシタチュフリスアが口にした言葉は圭にも理解ができるものだったがそんなこと気にする暇もない。
「ケイに触るな」
真っ直ぐに伸ばされた王たるシタチュフリスアの手であったが、その手は圭に届くことはなかった。
綺麗さの中に恐怖を抱かせるような顔をしたシャリンが王たるシタチュフリスアの頭を鷲掴みにして止めていたのである。
「ケイに、触るな。ケイを、傷つけるな」
シャリンが王たるシタチュフリスアの頭を壁に叩きつける。
何度も何度も壁が砕けるほどの力で叩きつけて、抵抗を見せていた王たるシタチュフリスアもだんだんと動かなくなる。
「ケイ、大丈夫?」
手を真っ赤な血で染め、頬にも自分ではなく王たるシタチュフリスアの血をつけたシャリンは笑顔で振り返る。
「あ、ああ……」
シャリンが味方でよかったと心から思う。
圧倒的な力と悪魔なりの残虐性が自分に向かないこともそうだし、今回シャリンが味方であることでかなり楽に戦うことができた。
運が良かったと言わざるを得ない。
「イレギュ……ラー……聞いてない…………」
王たるシタチュフリスアは何かをぶつぶつとつぶやいている。
「大願……俺たちの世界……あと少し……だった…………」
壁にもたれかかって座った王たるシタチュフリスアはうつろな目をして空を見上げる。
しかしそこには天井しかない。
「◻︎◻︎◻︎◻︎……」
「……今なんて言ったんだ?」
「ピピ……ワカラナイ」
圭たちの言葉を王たるシタチュフリスアが発していることも不思議だった。
しかし王たるシタチュフリスアは最後の最後にフィーネにも誰にも分からない言葉を口にしてうなだれるようにして死んでしまった。
「何だったんだ……」
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! クリア!
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
圭を狙うことも謎であり、この戦いには分からないことが多かったと圭は眉をひそめた。
戦いには勝ったもののスッキリとしない感じがある。
王たるシタチュフリスアが死んだことによって最後の試練がクリアになった。
これによって十階の試練を攻略したことになる。
「ん? シャリン……大丈夫だよ」
アルデバロンが圭の肩に手を乗せた。
シャリンがサッと拳を握ったので圭は慌ててシャリンを止める。
アルデバロンから敵意のような一切感じない。
ただシタチュフリスアは試練がクリアになると消えてしまうと聞いていたのにアルデバロンはまだ消えていなかった。
「……何だ?」
一度頷いたアルデバロンはおもむろに壁のほうに歩いていった。
何をするのかと見ていると壁に向かって手を伸ばした。
「スイッチがあったのか」
壁の一部が四角くへこむ。
見た目はほとんど壁であったのだが隠しスイッチがあったのである。
地面がわずかに振動し、ゴゴゴと低い音が響く。
「あそこ!」
波瑠が王の墓所の真ん中を指差した。
地面が開いていって中から階段が姿を現す。
「これは……」
「確かに王の墓所なんていう割には何もないもんね」
墓所というからにはお墓である。
そこには眠っている人がいるのだろうが降りてきた先にあったのは何もない空間だった。
戦うには都合が良かったけれどよくよく考えると何もないというのもおかしな話である。
「来いと言っているようだねぇ」
アルデバロンは手招きをして階段を降りていく。
少し怪しさはあるものの何かがあるという予感を覚えて圭たちはついていくことにした。
階段にも等間隔に松明が設置されていて降りるのに困らないぐらいには明るく、アルデバロンは圭たちがついてくるの確認しながらゆっくりと先を進む。
「……ここが本当の墓所なんだな」
下には大きな石の棺桶が並ぶ大きな部屋になっていた。
シンプルな棺桶であるがそれぞれに名前のようなものが書いてある。
アルデバロンは両膝をついて墓所に頭を下げると真っ直ぐに奥に向かっていく。
「まだ何かあるでしょうか?」
お墓の横を通り過ぎていき、一番奥にある一際大きなお墓の前にアルデバロンは立った。
さらにもう一度お墓に対して膝をついて礼を尽くすとお墓の裏手に回る。
「まーた隠し扉か」
アルデバロンがお墓をまさぐるとお墓の後ろにある壁が開く。
「さて……何が目的なのかねぇ?」
さらに奥の部屋に進むアルデバロンに圭たちはついていく。
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