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第一章
風の始まり5
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格上のゲートに覚醒者が挑むことは少ない。
同格とされるゲート、もしくは格上のゲートに挑んでも自分よりも上の覚醒者に同行して入るのが普通である。
等級の高い覚醒者と格上のゲートに入った時でも強い覚醒者の補助に回るのが一般的でモンスターを積極的に倒して回るものでもない。
波瑠の事案を見ると何も倒した1人にだけ経験値的なものが入るわけじゃなさそうだけどゲーム的に考えると強くなるほど多くの経験値が必要なのでレベルアップも楽じゃない。
圭自身は結構サクサクレベルが上がっているので低レベルだと上がりやすいのはあるのだろう。
だが問題はどうやってモンスターを倒すかである。
強さ的な問題もあればモンスターと戦う場面をいかに作るかも問題となる。
そもそも人数的なことを考えると低級覚醒者は多くて低級のゲートもそんな人たちが殺到する。
圭たちが挑めそうな限定された低級ゲートは探すのも楽じゃない。
圭と波瑠だけでは定められたゲートの攻略要件を満たさないし他に仲間を引き入れることなどどの問題も簡単には解決しない。
だけど波瑠には可能性がある。
誰にも理解してもらえない才能で、今潰れてしまうには惜しい才能。
「……夜滝さんにもご相談したらどうでしょうか?」
「夜滝ねぇに?」
なんだかんだ夜滝と波瑠も仲良くなっていた。
夜滝は波瑠を敵対視していたのだけど波瑠はニコニコと夜滝に話しかけたりする。
人付き合いが苦手であるが人が嫌いなわけではない夜滝は割とコミュニケーション上手だった波瑠といつの間にか普通に話すようになっていた。
圭の面倒も見てくれていたし元より面倒見も悪い人じゃないのだ。
ただ波瑠もめげない子であった。
ついでに2人には圭という共通点があるのでそうしたところも2人が仲良くなる要因だった。
たった数日なのによくやったものだ。
「そうだね……」
確かに考えてみれば夜滝に隠すこともない。
世界が広いといってもおそらくその中でも夜滝は1番信頼できる人である。
不確定なことでどう説明したらいいのかも分からなくて伸ばし伸ばしになっていたけれど多少考えもまとまってきた。
むしろ説明したら夜滝の方が頭がいいので上手く考えてくれるかもしれない。
冷めてちょっとしんなりしたポテトを食べる。
「話してみようか」
どうせここで悩んでも答えは出ない。
圭は夜滝にも相談してみようと決めた。
少し波瑠のことを聞いた。
公立の一般的な学校に通っていて陸上をやっていたらしい。
家が貧しくなってしまってからは部活は辞めたけど時々1人で走ったりもしていた。
「圭さんは何かやっていたんですか?」
「俺か? いや、特に何かってことはなかったかな。でも運動神経はよかったから中学の時はいろんな部活に助っ人で出たりはしてたよ」
「へぇ~」
「家の事情がなかったり、覚醒者にならなかったら何かのスポーツの道にでも進んでいたかもしれないな」
「夜滝さんみたいな学者さんタイプじゃなさそうですもんね」
「頭良くなさそうって言ってる?」
「私たちのこと助けようとするぐらいにはおバカさんじゃないですかー?」
「それは……褒めてんのかバカにしてんのか、どっちなんだ?」
冗談めかした不思議な言い方に圭は困り顔になる。
本気でバカだと言っているのでは無さそうだけどかと言って褒め言葉として受け取るのもなんだかって言い方だ。
「どうでしょ?」
波瑠はベーっと舌を出してウインクしてみせる。
「何をしてるんだい?」
こうしてたわいもなく会話をしていたら夜滝も病室にやってきた。
夜滝だって忙しいのにこうして仕事終わりに顔を見せてくれる。
ヘルカトにやられかけた時には誰も来やしなかったのにこうして2人の女性に見舞ってもらえるなんて人生分からないものである。
「夜滝ねぇ、おつかれ」
「圭も明日退院だろ?
ようやく家に帰ったら圭の温かい料理が食べられるようになるねえ」
「えっ、お2人って……同棲して、るんですか?」
波瑠が動揺する。
確かに夜滝の言葉を聞いたらそうとも取れる。
「そうさ! 私と圭は愛の巣で2人」
「違う違う違う」
それを見てニヤリと笑った夜滝がさらに畳み掛ける。
「同じ会社に勤めてるから同じ会社の寮に居るんだよ」
実際家にいる時の半分ぐらいは料理をするために夜滝のところにいたりもするのでかなり解釈を広げれば半同棲ぐらいにはなるかもしれない。
「……へぇ、夜滝さん料理できないんだ~」
「な、なんだいその目!」
変な誤解を生まないようにちゃんと説明してやると納得はしてくれたようである。
今度は波瑠が反撃に出る。
ニターっと笑って夜滝の痛いところを突く。
「わ、私だって料理ぐらい!」
「圭さん、私料理得意なんですよ?」
忙しい母親に代わって弟の面倒を見ることも多い波瑠は家庭力が高め。
対して夜滝は家庭力で波瑠に完敗だ。
「なんで圭にアピールする!」
「それは第三者に勝敗を決めてもらわなきゃいけませんからねー」
「……夜滝ねぇ、そこはもうやめた方がいいよ」
「圭まで!」
多分突き詰めるほどに夜滝の負けが濃厚になるだけである。
同格とされるゲート、もしくは格上のゲートに挑んでも自分よりも上の覚醒者に同行して入るのが普通である。
等級の高い覚醒者と格上のゲートに入った時でも強い覚醒者の補助に回るのが一般的でモンスターを積極的に倒して回るものでもない。
波瑠の事案を見ると何も倒した1人にだけ経験値的なものが入るわけじゃなさそうだけどゲーム的に考えると強くなるほど多くの経験値が必要なのでレベルアップも楽じゃない。
圭自身は結構サクサクレベルが上がっているので低レベルだと上がりやすいのはあるのだろう。
だが問題はどうやってモンスターを倒すかである。
強さ的な問題もあればモンスターと戦う場面をいかに作るかも問題となる。
そもそも人数的なことを考えると低級覚醒者は多くて低級のゲートもそんな人たちが殺到する。
圭たちが挑めそうな限定された低級ゲートは探すのも楽じゃない。
圭と波瑠だけでは定められたゲートの攻略要件を満たさないし他に仲間を引き入れることなどどの問題も簡単には解決しない。
だけど波瑠には可能性がある。
誰にも理解してもらえない才能で、今潰れてしまうには惜しい才能。
「……夜滝さんにもご相談したらどうでしょうか?」
「夜滝ねぇに?」
なんだかんだ夜滝と波瑠も仲良くなっていた。
夜滝は波瑠を敵対視していたのだけど波瑠はニコニコと夜滝に話しかけたりする。
人付き合いが苦手であるが人が嫌いなわけではない夜滝は割とコミュニケーション上手だった波瑠といつの間にか普通に話すようになっていた。
圭の面倒も見てくれていたし元より面倒見も悪い人じゃないのだ。
ただ波瑠もめげない子であった。
ついでに2人には圭という共通点があるのでそうしたところも2人が仲良くなる要因だった。
たった数日なのによくやったものだ。
「そうだね……」
確かに考えてみれば夜滝に隠すこともない。
世界が広いといってもおそらくその中でも夜滝は1番信頼できる人である。
不確定なことでどう説明したらいいのかも分からなくて伸ばし伸ばしになっていたけれど多少考えもまとまってきた。
むしろ説明したら夜滝の方が頭がいいので上手く考えてくれるかもしれない。
冷めてちょっとしんなりしたポテトを食べる。
「話してみようか」
どうせここで悩んでも答えは出ない。
圭は夜滝にも相談してみようと決めた。
少し波瑠のことを聞いた。
公立の一般的な学校に通っていて陸上をやっていたらしい。
家が貧しくなってしまってからは部活は辞めたけど時々1人で走ったりもしていた。
「圭さんは何かやっていたんですか?」
「俺か? いや、特に何かってことはなかったかな。でも運動神経はよかったから中学の時はいろんな部活に助っ人で出たりはしてたよ」
「へぇ~」
「家の事情がなかったり、覚醒者にならなかったら何かのスポーツの道にでも進んでいたかもしれないな」
「夜滝さんみたいな学者さんタイプじゃなさそうですもんね」
「頭良くなさそうって言ってる?」
「私たちのこと助けようとするぐらいにはおバカさんじゃないですかー?」
「それは……褒めてんのかバカにしてんのか、どっちなんだ?」
冗談めかした不思議な言い方に圭は困り顔になる。
本気でバカだと言っているのでは無さそうだけどかと言って褒め言葉として受け取るのもなんだかって言い方だ。
「どうでしょ?」
波瑠はベーっと舌を出してウインクしてみせる。
「何をしてるんだい?」
こうしてたわいもなく会話をしていたら夜滝も病室にやってきた。
夜滝だって忙しいのにこうして仕事終わりに顔を見せてくれる。
ヘルカトにやられかけた時には誰も来やしなかったのにこうして2人の女性に見舞ってもらえるなんて人生分からないものである。
「夜滝ねぇ、おつかれ」
「圭も明日退院だろ?
ようやく家に帰ったら圭の温かい料理が食べられるようになるねえ」
「えっ、お2人って……同棲して、るんですか?」
波瑠が動揺する。
確かに夜滝の言葉を聞いたらそうとも取れる。
「そうさ! 私と圭は愛の巣で2人」
「違う違う違う」
それを見てニヤリと笑った夜滝がさらに畳み掛ける。
「同じ会社に勤めてるから同じ会社の寮に居るんだよ」
実際家にいる時の半分ぐらいは料理をするために夜滝のところにいたりもするのでかなり解釈を広げれば半同棲ぐらいにはなるかもしれない。
「……へぇ、夜滝さん料理できないんだ~」
「な、なんだいその目!」
変な誤解を生まないようにちゃんと説明してやると納得はしてくれたようである。
今度は波瑠が反撃に出る。
ニターっと笑って夜滝の痛いところを突く。
「わ、私だって料理ぐらい!」
「圭さん、私料理得意なんですよ?」
忙しい母親に代わって弟の面倒を見ることも多い波瑠は家庭力が高め。
対して夜滝は家庭力で波瑠に完敗だ。
「なんで圭にアピールする!」
「それは第三者に勝敗を決めてもらわなきゃいけませんからねー」
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多分突き詰めるほどに夜滝の負けが濃厚になるだけである。
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