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第二章
闇のオークション1
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ブラックマーケットにおけるオークションは非常に厳正に管理された1つの聖域のような場所である。
多少の暴力沙汰は目をつぶられるブラックマーケットの中でもオークションの会場ではささいな小競り合いも禁じられる。
もし殴り合いでもしようものならブラックマーケットから永久追放となる。
酷ければ両手を切断されたり帰らぬ人となることもある。
圭は問題など起こすつもりはないがそんな場所だと聞いているのでどうしても緊張してしまう。
「ジェイ様ですね。ご身分の確認が終わりました。こちらはオークションが終わった後にも必要ですのでお返しいたします」
オークション当日、圭は再びブラックマーケットを訪れた。
オークションを見届ける必要はない。
けれどどれぐらいの値段で売れるのか気になったしオークションのお金から購入もできるというので見に来た。
お店を訪れると前とは違うスーツの男性が対応してくれた。
「これはなんですか?」
カードを出してジェイと名乗るとカードを持って奥に消えていったスーツの男性店員。
戻ってきた時にはカードと仮面、それに黒い布がトレーの上に乗せられていた。
口元以外顔をすっぽり覆ってしまう仮面を手に取った。
プラスチック製のなんの変哲もない仮面である。
「本オークションではトラブルを避けるためにお顔やお姿を隠していただいております。仮面や姿を隠すためのマントはこちらで用意させていただいております」
ブラックマーケットの短い歴史の中で生まれた習慣。
互いの身分を分からなくするために顔を隠すということは昔から行われてきた。
それがいつしか仮面になり、服装まで隠すようになったのだ。
落札者の姿を隠して参加者同士のトラブルを防ぎ、さらに完全に互いを分からなくさせることで値段を釣り上げたりするような不正も防止している。
仮面をつけて黒いマントを羽織る。
こうなれば分かるのは髪色と背格好ぐらいで見ただけで個人を認識するのは難しい。
「ジェイ様は今回VIP待遇で接客するように申し受けております」
スーツの店員に案内されてオークション会場に向かう。
エレベーターに乗って下に降りる。
客の秘密を守るために監視カメラもない廊下を歩いていく。
「こちらがVIP専用の部屋となっております。ご希望でしたら個室もございます。そちらについては別料金もかかりますが」
「ここで大丈夫です」
通された部屋はホテルのラウンジのようになっていた。
壁の一面がガラス張りになっていてそこにテーブルやイスが並んでいる。
ガラスの奥には明かりに照らされたステージと並んだ座席が見えていて、一般的な参加者はそこでオークションを楽しむようである。
「こちらの部屋にあるお飲み物や食べ物はご自由に飲食ください。何がご用がありましたら私どもに何なりとお申し付けくだされば対応いたします。それではオークションの開始までごゆっくりお過ごしください」
部屋にはもうすでに数人の人がいた。
性別すらも分からないような人もいるが髪などからなんとなく女性、男性と察することが出来る人もいる。
お酒を楽しもうというつもりはないけれどこんな状況で緊張してしまうことは避けられない。
口の中も乾燥するし高いお酒が並んでいる。
ただなら飲まなきゃ損な感じがしてしまうのは貧乏性が故。
「何かお飲みになられますか?」
部屋にあるバーカウンターに向かう。
こちらも仮面のバーテンダーが対応してくれる。
「軽く飲めるお酒でもあれば……」
「かしこまりました」
ふわっとした注文であったけれどバーテンダーはサッとカクテルを作って出してくれた。
透き通った綺麗な赤いお酒は目でも楽しい。
圭が一口飲んでみると甘めで飲みやすく、果物のような香りが口に広がった。
「オークションは初めて?」
ちびちびお酒を飲んでいると圭の隣に1人の女性がやってきた。
鈴の音色のような澄んだ声をしている人で長い髪は深い青色をしていた。
見ると口元は微笑んでいる。
「あなたは……」
圭はその女性を知っていた。
別に知り合いではない。
だが隠すことなく晒されている青い髪が女性の正体を物語っているのである。
「あら、分かっても名前を口にするのは御法度よ?」
「あっ、すいません」
「いいのよ。どうせここにいる全員がわかってるもの」
覚醒者が立ち上げたゲートの攻略を主に行う会社のことを一般の会社と区別してギルドと呼ぶ。
日本にも覚醒者ギルドはいくつもあって高い等級の覚醒者が創った大きな勢力を持つギルドは強い力を持っている。
政府や覚醒者協会でも簡単に手を出せないような巨大ギルドが複数あって、五大ギルドと言われている。
その中の大海ギルドは女性がギルドマスターとして頂点に君臨している。
大きなギルドなので何かと話題になることも多く、特にギルドマスターの女性はよくテレビや新聞、ネットニュースなどに顔が載る。
理由は顔が良いからだ。
元々モデルをしていた人で圧倒的な強さと美しさでメディアも彼女のことを取り上げるのである。
さらには特徴的で分かりやすいこともメディアが取り上げる理由で大海ギルドのギルドマスターは魔力の影響を受けて髪が青く染まっているのだ。
多少の暴力沙汰は目をつぶられるブラックマーケットの中でもオークションの会場ではささいな小競り合いも禁じられる。
もし殴り合いでもしようものならブラックマーケットから永久追放となる。
酷ければ両手を切断されたり帰らぬ人となることもある。
圭は問題など起こすつもりはないがそんな場所だと聞いているのでどうしても緊張してしまう。
「ジェイ様ですね。ご身分の確認が終わりました。こちらはオークションが終わった後にも必要ですのでお返しいたします」
オークション当日、圭は再びブラックマーケットを訪れた。
オークションを見届ける必要はない。
けれどどれぐらいの値段で売れるのか気になったしオークションのお金から購入もできるというので見に来た。
お店を訪れると前とは違うスーツの男性が対応してくれた。
「これはなんですか?」
カードを出してジェイと名乗るとカードを持って奥に消えていったスーツの男性店員。
戻ってきた時にはカードと仮面、それに黒い布がトレーの上に乗せられていた。
口元以外顔をすっぽり覆ってしまう仮面を手に取った。
プラスチック製のなんの変哲もない仮面である。
「本オークションではトラブルを避けるためにお顔やお姿を隠していただいております。仮面や姿を隠すためのマントはこちらで用意させていただいております」
ブラックマーケットの短い歴史の中で生まれた習慣。
互いの身分を分からなくするために顔を隠すということは昔から行われてきた。
それがいつしか仮面になり、服装まで隠すようになったのだ。
落札者の姿を隠して参加者同士のトラブルを防ぎ、さらに完全に互いを分からなくさせることで値段を釣り上げたりするような不正も防止している。
仮面をつけて黒いマントを羽織る。
こうなれば分かるのは髪色と背格好ぐらいで見ただけで個人を認識するのは難しい。
「ジェイ様は今回VIP待遇で接客するように申し受けております」
スーツの店員に案内されてオークション会場に向かう。
エレベーターに乗って下に降りる。
客の秘密を守るために監視カメラもない廊下を歩いていく。
「こちらがVIP専用の部屋となっております。ご希望でしたら個室もございます。そちらについては別料金もかかりますが」
「ここで大丈夫です」
通された部屋はホテルのラウンジのようになっていた。
壁の一面がガラス張りになっていてそこにテーブルやイスが並んでいる。
ガラスの奥には明かりに照らされたステージと並んだ座席が見えていて、一般的な参加者はそこでオークションを楽しむようである。
「こちらの部屋にあるお飲み物や食べ物はご自由に飲食ください。何がご用がありましたら私どもに何なりとお申し付けくだされば対応いたします。それではオークションの開始までごゆっくりお過ごしください」
部屋にはもうすでに数人の人がいた。
性別すらも分からないような人もいるが髪などからなんとなく女性、男性と察することが出来る人もいる。
お酒を楽しもうというつもりはないけれどこんな状況で緊張してしまうことは避けられない。
口の中も乾燥するし高いお酒が並んでいる。
ただなら飲まなきゃ損な感じがしてしまうのは貧乏性が故。
「何かお飲みになられますか?」
部屋にあるバーカウンターに向かう。
こちらも仮面のバーテンダーが対応してくれる。
「軽く飲めるお酒でもあれば……」
「かしこまりました」
ふわっとした注文であったけれどバーテンダーはサッとカクテルを作って出してくれた。
透き通った綺麗な赤いお酒は目でも楽しい。
圭が一口飲んでみると甘めで飲みやすく、果物のような香りが口に広がった。
「オークションは初めて?」
ちびちびお酒を飲んでいると圭の隣に1人の女性がやってきた。
鈴の音色のような澄んだ声をしている人で長い髪は深い青色をしていた。
見ると口元は微笑んでいる。
「あなたは……」
圭はその女性を知っていた。
別に知り合いではない。
だが隠すことなく晒されている青い髪が女性の正体を物語っているのである。
「あら、分かっても名前を口にするのは御法度よ?」
「あっ、すいません」
「いいのよ。どうせここにいる全員がわかってるもの」
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日本にも覚醒者ギルドはいくつもあって高い等級の覚醒者が創った大きな勢力を持つギルドは強い力を持っている。
政府や覚醒者協会でも簡単に手を出せないような巨大ギルドが複数あって、五大ギルドと言われている。
その中の大海ギルドは女性がギルドマスターとして頂点に君臨している。
大きなギルドなので何かと話題になることも多く、特にギルドマスターの女性はよくテレビや新聞、ネットニュースなどに顔が載る。
理由は顔が良いからだ。
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