人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第二章

闇のオークション4

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「うちもなかなか大変なのよ」

 かなみが小さくため息をつく。
 圭が何を言いたいのか察しているようだ。

 組織に属している以上自由気ままにとはいかない。
 ギルドマスターが強権振るって魔石を確保することもできないしスポンサーや契約企業というものもある。

 B級の魔石となると絶対数が少ないのに欲しがる企業も少なくない。
 薬となると言われて需要が高まったの最近で以前から高等級の魔石を入手したら優先的に売ってほしいといった契約もあるのだ。

 今はオークションでは出品されたものを自分のお金で買うのだから誰にも文句は言わせない。

「コール! 2億5000万!」

 オークション会場でさらなるコールがあってまた値段が跳ね上がる。

「でも厳しそうね。お金持ちの人たちが健康を強く欲しているもの」

 金額が上がって入札に参加する人が減り、誰が札を上げ続けているのかVIPルームの圭からでは良く見えるようになった。
 ここまで値段が上がるだなんて思わず冷や汗が噴き出してくる。

 まだ値段は上がっていき札を1人、また1人と下ろしていく。
 かなみも悩んでいたけれど最後まで競り合っていた2人がなかなか札を下ろす気がなさそうだったので諦めた。

「2億8500……いませんか?」

 とうとう競り合っていたうちの1人が札を下ろした。
 何回か値段が読み上げられて視界が会場を見回す。

 後ろに控えているオークションの係員にも連絡が来てVIPルームの状況を答える。

「36番が2億8500万円でご落札です!」

「マジか……」

 想像よりもはるかに高い金額だった。
 圭は驚きを隠せなくて声を漏らした。

「3億近くも出すならそのお金でもっと色々できるでしょうに」

 かなみはため息ををついた。
 魔石を健康のために買うぐらいなら運動でもした方がよほど健康的な気がしている。

「それにしても……あの魔石、あなたが出したものなのかしら、ジェイ?」

「それは……」

 かなみはいたずらっぽく微笑んでいる。
 よく目を見ると黒目もやや青っぽいのだなと圭は思った。

「ウソが下手くそなのね? バレバレ。でもこれ以上は追及しないであげる」

 圭のリアクションを見ていれば魔石の出品者であることは簡単に分かった。
 驚き、動揺、喜び、様々な感情が圭から見て取れて、その原因はどう考えても魔石のオークションにある。

 なんの関係もなければ感情を揺り動かされることなんてない。
 圭は一度も札を上げずに手に取る素振りもない。

 値段のコールもないので落札に関わるつもりがなかった。
 落札するつもりもないのに感情が動かされる魔石に関わる人の可能性として残されたのは出品者本人であることだ。

 いかにも場慣れしておらずオークションが初めてなような雰囲気があってVIPっぽくない。
 なのにVIP扱いであるのはオークションを盛り上げてくれる商品を持ってきてくれたと考えるなら納得できる。

 ただ相手の正体を探るのは御法度なのでかなみもそこでやめておく。
 圭のウソのつけないリアクションを見ればほとんど答えのようなものだからそれで満足しておく。

「不思議な人……まだオークションは続くから楽しみましょう」

 オークションに落札者として参加することはないと思っていた。
 しかし落札金額を思えば多少落札側に回っても良さそうだ。

 圭の魔石の後に出てきた商品は魔石に比べるとだいぶグレードが落ちる。
 覚醒者用の装備、絵画や骨董品などの美術品、表に出ていないゲートの攻略権なんかもオークションにかけられていた。

「やっぱりいつもより高めね」

「そうなんですか?」

 最初に何億っていう金額を見たので低く感じている圭はかなみの言葉に首を傾げた。

「最初からすごいもの出てきたからみんな影響されちゃってるわね」

 圭が低く感じている感覚は他の人も大なり小なり感じてしまっていた。
 そのためにいつもより値段が上がっていくペースが早くて値段も高めに落札されていた。

 オークション側の策略がうまくいった形である。

「ジェイは落札しないの?」

「何か良いものでもあればと思っていますけど……」

 お金に余裕ができたので記念に入札してみたいとは思うけれど欲しいと思うものもない。
 美術品にも特に興味はない。

 ゲートの攻略権なんか落札しても使い道がない。
 なら装備品であるけど八重樫工房で買ったばかりで八重樫工房の方が品質も良かった。

 わざわざオークションで経歴不明の装備を購入する必要がない。
 圭は距離はあるけど真実の目で出品された商品は見れないかと思ったら見ることができた。

 中には偽物だったものに高値がついていたり、曰くありげな経歴が真実の目で見えた商品もあったりした。
 この目を活用すれば美術品の鑑定で食っていけそうだなんて少し考える。

「続いての商品はこちらです! ゲート内でドロップした盾です!」

「おっ?」

 ステージに運ばれてきたのは大きな盾。
 分厚くて重たそうなタワーシールドでどう見ても覚醒者用の装備である。

 圭はそれを見て興味を惹かれた。
 なぜなら圭が予想するにカレンはタンク型の覚醒者であると思っていたから。

 タンク型にも色々な種類があってどうタンクとしての役割をこなしていくかに違いがある。
 盾を駆使して相手の攻撃を防ぎながらヘイトを集めるやり方もタンクの中には多い。
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