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第三章
三つ巴の混乱2
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なぜこんなことにと思わざるを得ない。
先ほどの轟音が爆発だと気づいたのも束の間で武装した男たちがなだれ込んでくる。
「奥の部屋に逃げましょう!」
警備の覚醒者たちも武器を手に戦い始める。
落ち着いた儀式の間が一転して戦場へと変わる。
圭は鈴木に言われて奥の部屋に逃げ込む。
「不敬の輩が……」
ヴェルターに襲いかかる男たち。
邪魔な仮面を外して冷たい目をしたヴェルターも動き出す。
「な……」
「ぐ……」
振り下ろされた剣をかわして両手にそれぞれ頭を鷲掴みにする。
グッと手をひねると2人の首がゴキリと音を立てながら折れて回転する。
「我らが主に仇なすものを殲滅せよ!」
「司祭長様、こちらを!」
仮面の男がヴェルターに剣を渡す。
ヴェルターはそれを受け取ると散歩でもするかのようにゆっくりと敵の中に入っていく。
ヴェルターが剣を振るたびに人の首が飛ぶ。
「む?」
振り下ろした剣が横から出てきた剣に防がれた。
ヴェルターが剣を防いだ相手に素早く剣を振るが相手は距離をとってかわした。
「これ以上うちのファミリーをやられるのは困るな」
がっしりとした体型の男性。
戦場にふさわしくないストライプのダボっとしたシルエットのスーツを着て髪を後ろに流してかっちりと固めている。
片手で持つには大きめの剣を軽々と肩に担いでいる。
かけていたサングラスを外して胸ポケットに入れて男は笑う。
「あんたがヴェルターだな?」
「お前は誰だ?」
「マティオ・エルボザール。怠惰の悪魔ベルフェゴールの使徒だ」
「エルボザール……エルボザールファミリーか」
「おっ、知ってるかそうだよ。ぜひとも俺たちもジャポンに支部が欲しくてな……お前らのシマくれよ」
「誰が貴様らのような汚れた者に我らの築いたものを渡すわけがないだろう!」
ヴェルターがマティオに切りかかる。
「くれないというのなら……」
マティオは正面からヴェルターの剣を受け止める。
「奪い取るしかないな!」
戦争が始まった。
ーーーーー
「伊丹さん」
「村雨さん! 大丈夫ですか!」
混乱に乗じて圭は外部との連絡を試みた。
「こちらは今のところ大丈夫です。いきなり襲撃があって……」
「ええ、車が急にそちらに入っていって……大きな爆発が」
「敵対する悪魔教が襲ってきたみたいです」
「そんな……まだ動かないと思っていたのに……」
「どうしますか?」
「…………」
「このままうちも突入するわ」
「かなみ!」
向こうがどんな状況なのか圭には分からないが近くにかなみもいたようである。
判断を下せない薫に代わってかなみが決断した。
「このままじゃ被害も大きくなるし今なら2つの悪魔教を一掃できるわ。両者が争っているこの隙を狙えば十分こちらの被害も少なく制圧できるはずよ」
「……上に確認を取ります」
「こんな時にも許可が必要なのは固い組織の嫌なところね。
でも圭君、少なくとも私はあなたのこと見捨てないわ。
こんなことさせておいて危険だからと手を引くことは絶対にしない」
「上杉さん……」
「このこと恩に着るならかなみって呼んで」
「分かりました、かなみさん」
「うーん、さんもいらないんだけどね」
冗談めかして言っているがかなみの声も少し緊張している。
かなみの中では圭はまだG級覚醒者で簡単に死んでしまうような存在。
凶刃の目標にされればまず助からないのである。
妹の命の恩人、さらには悪魔教にまで潜入してくれているのに死なせるわけにはいかない。
「村雨さん」
「う、あ……」
「俺です、嶋崎です」
肩に手を置かれて圭は無線機を落としかけた。
振り向くと黒い仮面の男がいた。
それは力を与えられ儀式の警備に当たっていた嶋崎だった。
実は先日お金が貯まって妹を両親と共にアメリカに治療のために向かわせたと聞いたばかりだった。
怪しまれないようにあと何回か仕事をするつもりだと聞いていたし今日の警備についてはちゃんと報告の上で来ていた。
「どうですか?」
「敵対する悪魔教の襲撃のようです。ですがこのまま作戦は決行して突入してくるみたいです」
「そうですか。それならこのまま大人しくしている方がいいかもしれませんね」
突入を待って素直に降伏すれば全てが終わっているかもしれない。
無理に戦わずにいた方が安全である。
「みなさん、こちらです。こちらから外に出られます」
「えっ……」
窓もない奥の部屋。
どこからそこに出られるのだと思ったら下に続く階段が床下にあった。
ここで残るだなんて言えば怪しい。
一瞬嶋崎と視線を交わした圭は大人しく避難の誘導に従うことにした。
嶋崎は警戒のために最後まで残ることになり、圭は埃っぽい階段を降りていく。
チカチカとする暗めの明かりに照らされた地下の隠し通路。
時々戦いの影響だろうか地面が揺れて天井から埃がパラパラと落ちてくる。
「ここから外に出られます」
そんなに歩くこともなく通路は終わった。
先頭で誘導していた男が壁のスイッチを押すと天井が開いていく。
「外はどうなっているのか分からないので私が出ます」
先導していた男が階段を上がって外に出る。
先ほどの轟音が爆発だと気づいたのも束の間で武装した男たちがなだれ込んでくる。
「奥の部屋に逃げましょう!」
警備の覚醒者たちも武器を手に戦い始める。
落ち着いた儀式の間が一転して戦場へと変わる。
圭は鈴木に言われて奥の部屋に逃げ込む。
「不敬の輩が……」
ヴェルターに襲いかかる男たち。
邪魔な仮面を外して冷たい目をしたヴェルターも動き出す。
「な……」
「ぐ……」
振り下ろされた剣をかわして両手にそれぞれ頭を鷲掴みにする。
グッと手をひねると2人の首がゴキリと音を立てながら折れて回転する。
「我らが主に仇なすものを殲滅せよ!」
「司祭長様、こちらを!」
仮面の男がヴェルターに剣を渡す。
ヴェルターはそれを受け取ると散歩でもするかのようにゆっくりと敵の中に入っていく。
ヴェルターが剣を振るたびに人の首が飛ぶ。
「む?」
振り下ろした剣が横から出てきた剣に防がれた。
ヴェルターが剣を防いだ相手に素早く剣を振るが相手は距離をとってかわした。
「これ以上うちのファミリーをやられるのは困るな」
がっしりとした体型の男性。
戦場にふさわしくないストライプのダボっとしたシルエットのスーツを着て髪を後ろに流してかっちりと固めている。
片手で持つには大きめの剣を軽々と肩に担いでいる。
かけていたサングラスを外して胸ポケットに入れて男は笑う。
「あんたがヴェルターだな?」
「お前は誰だ?」
「マティオ・エルボザール。怠惰の悪魔ベルフェゴールの使徒だ」
「エルボザール……エルボザールファミリーか」
「おっ、知ってるかそうだよ。ぜひとも俺たちもジャポンに支部が欲しくてな……お前らのシマくれよ」
「誰が貴様らのような汚れた者に我らの築いたものを渡すわけがないだろう!」
ヴェルターがマティオに切りかかる。
「くれないというのなら……」
マティオは正面からヴェルターの剣を受け止める。
「奪い取るしかないな!」
戦争が始まった。
ーーーーー
「伊丹さん」
「村雨さん! 大丈夫ですか!」
混乱に乗じて圭は外部との連絡を試みた。
「こちらは今のところ大丈夫です。いきなり襲撃があって……」
「ええ、車が急にそちらに入っていって……大きな爆発が」
「敵対する悪魔教が襲ってきたみたいです」
「そんな……まだ動かないと思っていたのに……」
「どうしますか?」
「…………」
「このままうちも突入するわ」
「かなみ!」
向こうがどんな状況なのか圭には分からないが近くにかなみもいたようである。
判断を下せない薫に代わってかなみが決断した。
「このままじゃ被害も大きくなるし今なら2つの悪魔教を一掃できるわ。両者が争っているこの隙を狙えば十分こちらの被害も少なく制圧できるはずよ」
「……上に確認を取ります」
「こんな時にも許可が必要なのは固い組織の嫌なところね。
でも圭君、少なくとも私はあなたのこと見捨てないわ。
こんなことさせておいて危険だからと手を引くことは絶対にしない」
「上杉さん……」
「このこと恩に着るならかなみって呼んで」
「分かりました、かなみさん」
「うーん、さんもいらないんだけどね」
冗談めかして言っているがかなみの声も少し緊張している。
かなみの中では圭はまだG級覚醒者で簡単に死んでしまうような存在。
凶刃の目標にされればまず助からないのである。
妹の命の恩人、さらには悪魔教にまで潜入してくれているのに死なせるわけにはいかない。
「村雨さん」
「う、あ……」
「俺です、嶋崎です」
肩に手を置かれて圭は無線機を落としかけた。
振り向くと黒い仮面の男がいた。
それは力を与えられ儀式の警備に当たっていた嶋崎だった。
実は先日お金が貯まって妹を両親と共にアメリカに治療のために向かわせたと聞いたばかりだった。
怪しまれないようにあと何回か仕事をするつもりだと聞いていたし今日の警備についてはちゃんと報告の上で来ていた。
「どうですか?」
「敵対する悪魔教の襲撃のようです。ですがこのまま作戦は決行して突入してくるみたいです」
「そうですか。それならこのまま大人しくしている方がいいかもしれませんね」
突入を待って素直に降伏すれば全てが終わっているかもしれない。
無理に戦わずにいた方が安全である。
「みなさん、こちらです。こちらから外に出られます」
「えっ……」
窓もない奥の部屋。
どこからそこに出られるのだと思ったら下に続く階段が床下にあった。
ここで残るだなんて言えば怪しい。
一瞬嶋崎と視線を交わした圭は大人しく避難の誘導に従うことにした。
嶋崎は警戒のために最後まで残ることになり、圭は埃っぽい階段を降りていく。
チカチカとする暗めの明かりに照らされた地下の隠し通路。
時々戦いの影響だろうか地面が揺れて天井から埃がパラパラと落ちてくる。
「ここから外に出られます」
そんなに歩くこともなく通路は終わった。
先頭で誘導していた男が壁のスイッチを押すと天井が開いていく。
「外はどうなっているのか分からないので私が出ます」
先導していた男が階段を上がって外に出る。
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