人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第四章

性格ゴブリン戦2

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 だからだろう突き落とされた護衛となぜか事務をやっていた子まで退職して会社を訴えたらしい。
 突き落とされたこととか悪質な環境とか塔の中ということでなあなあになっていた残業代なんか、色々と請求したようだ。

 護衛とも知り合いじゃないし事務の子もほとんど知らないので伝え聞いた噂しか知らないが会社の方はその対処に苦慮しているらしい。
 最初は重恭のことを訴えると息巻いていた社長も今は重恭のことになど構っている余裕がなくなった。

「なかなか雰囲気のいいお店だな」

 後日重恭から連絡があった。
 直接会いたいという旨の連絡で圭はもはやお馴染みとなった喫茶店で重恭と会うことにした。

 塔の中であった時には少しやつれたような元気のない印象であったが今はどことなく活力がある感じがしている。

「元気そうですね」

「ああ、言いたいこと言ってやったから気分が良い。久々によく眠れたよ」

 清々しい笑顔を浮かべる重恭。

「それで、どうですか?」

「先日の提案だね?」

「はいそうです」

 ゴブリンとの戦いが終わった後圭は重恭にある提案をしていた。

「君のギルドで会計や雑務担当をやらないか、ね……」

 圭は重恭をギルドに誘ったのだ。
 ただ戦闘員としてではなく、その他の仕事をしてもらおうと思っていた。

 ギルドとなると様々なことの管理も必要になる。
 怪しいことをしなければ目をつけられるようなことはないけれど提出しろと言われた時のために帳簿やゲートの攻略記録などをつけておかねばならない。

 今はとりあえず圭がつけているけれど圭自身それほどお金に強いものではない。
 あとはゲートまで車を移動させたり、出てくるモンスターによってはトラックなどを借りて死体を運ぶ必要もある。

 そうした人員も後々に必要になる。
 元々経理の事務をしていた重恭はそちらの方面の資格も取っていた。

 リーダビリティギルドなら規模も大きくはないので複雑な作業でもないので重恭でも難しいことはないだろう。
 戦闘員とするつもりがないのは重恭に今後伸びていくような才能がなさそうだからである。

 レベルは112と高いのだがE級で体力以外は無才なのである。
 レベルが上がるのかとか興味はあるので今の段階では少し攻略に参加してもらうこともあるかもしれないがメインはそうした雑務のつもりである。

「失礼な質問かもしれないがお金は払えるのかい?」

「今のところはお支払いできるかと」

 重恭が当然の質問をする。
 職がないのだから次の仕事を探さねばならない。

 それを置いてギルドの活動を優先させることはできない。
 ただ雇うというのならそこにはお金が発生する。

 仕事として十分な給料が出るのなら検討することもあり得る。

「とりあえずこれぐらい……」

 あまり直接金額を口に出すのはよくないのでスマホの電卓に金額を打ち込んで見せる。

「本当にこれだけの金額をもらえるのか?」

「ええ、不安なら別に仕事しながらでも構いませんし」

 正直な話、特別配達人の仕事でもらえる金額は多くなかった。
 その時に護衛としての金額も聞いた。

 重恭の給料では生活も厳しかったぐらいなのであるがそれよりも少し上なぐらいの金額になる。
 実際やることの内容から考えると破格の金額である。

 ゲートの攻略は多くても月数回。
 そこに付いてきたり、ゲート攻略後の事務処理を考えてもやることが詰まっているとは言いにくい。

 さらにゲート攻略や事務仕事に都合つけられるなら他で働いてもいいという条件付き。
 重恭は思わず目を見開いた。

 アルバイトぐらいの金額でももらえれば御の字だと思っていたからだ。
 実際のところ圭たちにはお金的には余裕があった。

 強くなって少し上のゲートに挑めるようになってお金を稼げるようになった。
 みんなで等分してしまうと個々人が生活できるような金額ではないが重恭に給料分を支払ってもまだ残るぐらいには稼ぎが出ていた。

 圭と夜滝はRSIに勤めているし、カレンは工房の方でちゃんと生活できるだけお金を稼いでいる。
 波瑠は学生だし父親が残してくれた保険金とか保険会社から支払われた慰謝料などお金には困っていない。

 事後承諾的にみんなにも相談したのだけどみんなもいいのではないかと賛成してくれていた。

「私に同情してくれているなら……」

「そんなことはないですよ」

 もっと強くなってもっと高い等級のゲートを攻略できるようになれば作業も多くなるし、帳簿なども記録しておく必要が大きくなる。
 必要だから誘ったのだし給料については多少多めに出していることはあるかもしれないが信頼できる人を探すことは楽なことじゃない。

 重恭ならば信頼できる。
 こうした機会に引き込んでおきたい狙いもあったのである。

「ふふ……ありがとう、村雨さん。是非とも君のギルドで働かせてほしい」

 重恭は少し目頭が熱くなるような思いがしている。
 圭が自分のことを気にかけてくれるのもあるが圭が今やこうして人を雇えるほどに活躍できていることも嬉しかったのだ。

「ただもう少し待ってほしい」

「何かあるんですか?」

「例の社長……退職金の支払いなんかを渋っていてね。まだちょっとばかり戦わねばならないのだ」

「あの人は変わらないようですね……」

「そうだな……ここだけの話、性根がゴブリンみたいな人だ」

「はははっ、違いないですね」

「一応こういうのも領収書で落とせたりするのかな?」

「うーん……どうなんですかね?」

「また勉強が必要そうだ。村雨さんのことも社長とか呼んだほうがいいのかな?」

「やめてくださいよ。いつもの通りでいいですよ」

 どうせなら、とケーキを頼んだ重恭が圭たちをバックアップしてくれる仲間としてギルドに入ってくれることが決まったのであった。
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