人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第四章

モンスターイータージャパニーズ2

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 細かく捌いていくと部位によって少し身の質が違っているような感じがあった。

「とりあえずこんなものかな」

 モンスター解体師はあくまで一般的に素材となりそうなところを残して解体するものでモンスターを細かく食料として解体するものではない。
 2級程度でもあるのだしザックリと解体出来れば上出来である。

「じゃあまずは……」

 圭はサハギンの身を手に取ると一口サイズに切り分ける。
 見た目上違って見える肉も一応分けて切ってみる。

 そしてスーパーで買ってきた醤油とお皿を取り出す。

「思ってたよりも魚っぽいのでお刺身に」

「ってもよ、いきなり生はハードル高かねえか?」

 新徳が怪訝そうな顔をする。
 確かに見てくれは魚の刺身っぽいが得体の知れない魔物を生で食べることには抵抗がある。

 毒性検査は事前にしてあるけれど何があるか分からない。

「そんなこと言うと思って……ほれ」

 渋る新徳に夜滝は小瓶を渡した。

「なんだこれ?」

「耐毒ポーションだよ」

 一時的に体の耐毒性を上げてくれる効果のあるポーションが耐毒ポーションである。
 効果は長く持たないが多くの毒に対して抵抗力を持てるようになるRSI性のお高めポーション。

「これを飲んでおけばお腹を下すこともなくなるよぅ」

 生だから危険、焼けば安全なんてことはない。
 火を通したりすれば毒性を発揮するなんて可能性だってあり得ないことではない。

 今のところ未処理での毒性はない。
 ならば加熱してどうなるか分からない今は生の方が安全だとすら言える。
 
 けれど毒でなくともお腹を下すぐらいの危険はあるのでその対策は取っておく。
 生だと抵抗感があるというのは先入観に過ぎない。

「……しょうがない」

 新徳はグイッと耐毒ポーションを飲み干す。
 独特の渋みがある耐毒ポーションは決して美味しい飲み物ではない。

 圭と夜滝も耐毒ポーションを飲んで、それからサハギンの刺身をテイスティングといくことにした。
 まずは背中側の身。

 全体的に白っぽい身の色をしているのだが背中側の身は透き通るような半透明の身である。

「うん……」

 まずは醤油なしで新徳が一口。
 渋い顔をしてサハギンの刺身を味わう。

「例えるなら……鯛の刺身だな。なかなか悪くないが後味に少し泥っぽさがある」

「意外と美味しいな」

「うーん、美味しいけど残る味があって食べ進めるにはちょっと大変かもねぇ」

 圭と夜滝もサハギンの刺身を食べる。
 最初の感じは魚の鯛にも似たような旨みがある。

 けれど噛んでいると泥っぽいような風味が出てきて顔をしかめる。
 不味くはないのだけどあっさりと美味しさの分泥臭さが気になってしまう。

 3人それぞれ美味しさなどを10段階評価で書き込み、軽くどんな感じかコメントも添えておく。

「漬けなんかにしてもいいかもな。それほど強い泥臭さじゃないから味付けによっては美味く食べられるはずだ」

「ああ、漬けいいですね」

 火を通す調理法はまた別で試すので生のままで食べる方法として漬けにするのはいいかもしれない。
 圭はそれもちゃんとメモしておく。

 続いては腹側の身。
 こちらは背中側の身よりも色が濃く、やや赤みがかっている。

「これは……ハマチだな」

 食べてしまえばそんなに悪くないと分かったのか新徳も次の一口をサラリと食べる。
 食べてみると程よい脂の感じが口に広がる。

 新徳は経験から近い魚をサッと割り出す。

「天然物に近い、さっぱりした感じだがこちらの方は泥臭さはないな。刺身でも十分に美味い」

 さすがはグルメだと圭も感心する。
 美味いとは思うけどとっさにこの魚に近いなという感想は出てこない。

 醤油にも良く合うし生で食べてもなんの差し支えもない。
 むしろ美味しくて、また食べたくなって手が伸びてしまう。

「一般人が食べても平気か確かめる必要はありそうだけど生でもいけそうだねぇ、モグモグ……」

 ちなみに新徳はF級覚醒者である。
 そのためにここにいる3人では多少一般人とは違うということは留意しておかねばならない。

 これならば火を通しても美味しく食べられそうである。

「こんなの食うの日本人ぐらいだろうがな」

 隅に放置されているサハギンの頭を見て新徳がため息をつく。
 味は悪くないがサハギンの見た目が頭をよぎるのは少しいただけない。

 グロテスクなものでもなんでも食べる国民性はあるので慣れれば平気か、とすぐに思った。
 新徳もなんだかんだと食べて美味いと思ってまたもう一口サハギンの腹刺身を食べている。

 美味いもの前には見た目の醜悪さなど些事に過ぎない。

「チッ、白米が欲しくなるな。……なんだその顔は?」

「もちろんあるよぅ。圭」

「はいはい」

 圭が別の部屋に消えていったと思ったら炊飯器を持って戻ってきた。

「なんだってそんなもん……」

「経費で落とした」

「はぁ?」

「試食実験には必要なものだろう? お米も良いもの経費で買ったから食べよう」

「……ふんわりと盛ってくれ」

 突っ込むだけ無駄だ。
 新徳は考えることをやめて試食の方に頭を使うことにした。

 あまり一気に食べてお腹いっぱいになっても正しい評価は下せない。
 試食実験は数回に分けて行うこととなり今日はとりあえずお刺身でご飯にすることになった。

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