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第六章

女神様の贈り物2

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 ありがたいといえばありがたい。
 良い武器が欲しいと思っていたので券をもらえるのは嬉しい。

 もしかしたら本当に状況を見てククルテスカトルナが剣を贈ってくれたのかもしれない。
 圭は剣を抜いてみる。

 まるでククルテスカトルナに憑依された時の髪の色みたいに真っ白な刃が出てきた。

「綺麗」

 曇りもない剣身は美しく、思わずみんなで見入ってしまう。
 よく注目すると剣の縁が蜃気楼のようにぼんやりと霞んで見えている。

 これは剣そのものが魔力をまとっているから。

「すごい良い剣だな」

 カレンの職人としての目から見てもククルテスカトルナの剣は良いものであった。

「なんだか温かい力を感じますね」

 薫は剣を見ていると懐かしさにも似たようなものを覚えた。
 今の薫にはククルテスカトルナの加護があるので剣に宿った力に何か通じるものを感じているのだ。

「とりあえず剣の性能を確かめるのは後にして……」

 剣を鞘に納めて次に目を向けたのはテーブルの上に置いてある剣の欠片。
 手のひらほどの大きさのもので柄もなく本当に刃の一部分なのだ。

『折れたラクスの剣の欠片
 女神ラクスの力が宿りし剣の欠片。
 かつていたラクスの代理者が使用していたものであるが悪魔との戦いで剣は折れてしまった。
 強い神性を宿していて悪しき力を払う効果がある。
 使用者の幸運によって発揮できる力が変わる。
 折れた剣の一部であり、これだけでは性能を発揮することができない』

「つまりは以前手に入れた柄だけの剣の刃ってことかい?」

「うん、多分そういうことだと思う」

 圭は刃の部分に触れないようにしながら慎重に欠片を拾い上げて窓から差し込む光に照らしてみる。
 なんの変哲もないように見える。

 ククルテスカトルナの剣の刃と違って魔力をまとっているわけでもなく、平穏の騎士と戦った時に壊れた剣の欠片との違いを正直感じない。
 真実の目で鑑定できなかったらただのゴミをもらったのだと思ってしまうところだった。

「ただこれだけなら足んなそうだな」

 大きさとしては手のひらほど。
 ナイフほどの長さしかなく剣と呼ぶには不足している。

 少なくとも同じぐらいの欠片があと二つ、三つは欲しいところである。

「全部揃ったら直せるんだろうか?」

「さあな……実際集めてみないとなんとも言えないな」

「これもまだ封印だな」

 刃だけでも柄だけでも使えはしない。
 今のところ直せもしないのだし保管しておくしかない。

 どの道ククルテスカトルナの剣という使える剣も手に入れたのでいつか剣の欠片が集まることを期待だけはしておく。

「しっかし……塔を登るたびに事件が起こるねぇ」

「そうだね。シークレットでいいものもらえるのはいいんだけど毎回毎回こんな感じで戦わされると大変だよ」

 全ての階にシークレットクエストなるものがあるんだろうかと疑問に思う。
 あるのは別にいいのだけど巻き込まれる身にもなってほしい。

 四階だってシークレットクエストを避けて通ろうとしていた。
 先の階でもこうしたことがあるのかもしれないと考えると不安は尽きない。

「なぁ~ちょっとだけ。なっ! ちょっとだけならいいだろ?」

「ダメ。フィーネノ!」

「またやってるのか?」

 カレンはお願いするように手のひらを合わせてフィーネに頭を下げている。
 今のフィーネの状態はというと大きなミスリルの塊の上に乗っかっていた。

 圭の剣として平穏の騎士を倒したフィーネはシークレットにおいて貢献度で三位だった。
 フィーネもちゃんとメンバーとして見られていたのだなと驚いた。

 ということで三位である報酬をフィーネは受け取っていたのだ。
 それなミスリルの塊。

 人の頭より少し小さいぐらいの大きさであるが世の中一般で見た時には大きいといえるレベルの塊が贈られている。
 フィーネはミスリルを守るようにしがみつき、カレンはちょっとくれないかとお願いしていた。

 以前カレンのミスリルを食べてしまったのだし代わりに少しくれと言っているのだ。

「いーだろ? フィーネ、私のミスリル食べちゃったからさぁ」

「ウウゥゥムゥゥゥ……ピピピピ……」

「な? そんだけあるんだしさ。ちょっとぐらいいーだろ?」

「チョットダケ」

「ほんとか! フィーネ優しい!」

 何度目かのお願いでようやくフィーネも折れた。
 ミスリルを食べてしまった罪悪感も少しはあるのだろう。

 ちゃんと食べたミスリルの量も覚えていたのだろう。
 ほとんど同じ重さのミスリルを食べ残してフィーネはカレンに返してあげたのであった。
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