人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第七章

うるさい魚5

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「クリアしたのアメリカと中国だけなんでしょ?」

「しかも一回ずつのはずだよな?」

 三つ目のシークレットクエスト攻略済みに圭たちに動揺が走る。
 聞いていた話と違う。

「……まあでもあり得ない話じゃないわ」

 考え込んでいたかなみが口を開いた。

「そうなんですか?」

「むしろアメリカと中国がよく公表したわねって思うぐらいよ。考えてもみなさい。他の誰も知らない塔の秘密、しかもクリアすれば報酬を得られる凄いものだったら誰にも言わずに自分だけで探したいと思わない?」

「確かに……」

「きっとアメリカと中国が公表することになったのはイレギュラーがあったからよ。他の人に見られたとか隠しようもない被害が出たとかね」

 シークレットクエストは見つけるのが大変で攻略も楽でない分クリアすると良い報酬がもらえる。
 もし仮に何かのきっかけでシークレットクエストというものがあることを知ったのなら他には言わないでこっそりとシークレットクエストを探した方が得である。

 それなのに情報共有がなされている。
 単なる慈善行為と考えるのは少し無理があると言わざるを得ない。

 シークレットクエストを攻略するにあたって情報を公開しなきゃならない何かがあったのだろうとかなみは言った。
 たとえば圭たちが一階で攻略したシークレットクエストのように大きな問題となって他の覚醒者が駆けつける事態となると隠し通すのは難しい。

 そのためにアメリカと中国はシークレットクエストなるものがあって攻略はしたと情報共有はしたものの何を得たのか、どんなシークレットクエストだったのかについては秘匿しているのである。
 中国の場合はシークレットクエストで得られた武器の片割れが欲しいという理由で情報共有していたが、隠しきれなかったような事情もあったのかもしれない。

「裏を返せば周りにバレていないのなら公表する必要もないってこと」

 シークレットクエストをクリアしたかどうかは圭以外の人たちには本人しか知り得ない情報となる。
 もし他の人に知られることなくシークレットクエストをクリアできたのなら口外しなければ誰にも分からないのだ。

「確かにそうだねぇ」

 情報共有がなされていたから他の人も言うだろうと思っていたがよくよく考えればわざわざ情報共有する必要もないのである。

「じゃあ他の国とも限らないかな?」

「あー、そうかも」

 波瑠の言葉にカレンが頷いた。
 第三国が攻略したということを最初は考えていたけれどこうなるとすでに攻略した2カ国が再び攻略したという可能性も大いにありうる。

「国単位じゃなくてギルド単位なこともあり得ますしね」

 今会話では国全体で隠しているように言ったが個別のギルドとして国にすら隠していることもある話なのだ。

「何にしても知る術はないからな。気にしすぎても仕方ない。今日は帰ろう」

 どんな推測をしても推測の域を出ない。
 とりあえず塔のシークレットクエストをクリアしたようなところが他にもあるのだということは分かった。

「もう結構遅い時間だけどこの後どうするのかしら?」

「この後? あー、時間的にはもう夕飯か……」

 言われて時計を見てみる。
 帰ってご飯の準備をすると少し遅くなりそうだと圭は思った。

「どこかで食べていく……いや、また家に集まってなんか頼むか」

 帰る途中どこかで食べていくという方法もある。
 しかし今は海水で濡れて全身ベトベトした感じあった。

 着替えは持ってきているので服は替えられるけれどやはりシャワーぐらい浴びたい気分である。
 ここは一度夜滝の家に集まって五階、六階の攻略祝いも兼ねてフードデリバリーでも頼もうかなんて考えた。

「……私も一緒にいい?」

 期待するような目でかなみが圭を見つめる。

「みんなはどうだ?」

 圭としては別にかなみがいても構わない。
 今回出番はなかったが五階の攻略をお膳立てしてくれたし同じく事情を知っている仲間である。

「……まあいいんじゃねえか?」

 一番最初に賛成したのはカレンだった。
 圭への態度は気に入らないが他のところでは別にかなみのことは嫌いじゃない。

 過去にはもっとやばい女たちもいたのでそうした人に比べればかなみは割といい子だと思う。
 少し出会いが違っているだけで同じように未覚醒から出会っていたら今頃普通に仲良くなれる自信がある。

「特別だよ?」

「僕もいいと思いますよ」

「まあみんながいいのなら文句はないよぅ」

「やった! みんなありがとう」

 みんなの賛同を得られたのでかなみも圭たちと一緒に家でご飯を食べることになった。

「ピピ……オスシタベタイ」

 ちなみにずっとフィーネもいたのだが欧州連盟の覚醒者がいたことに加えてフィーネが塩水や潮風を嫌がったので後方にいる夜滝の装備に擬態していたのだった。
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