人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第八章

封印を解いて1

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「何度来てもこの雰囲気には慣れないな」

「私もあんまり落ち着かないな」

「なんかこう……悪いところって感じだね」

「ピピ……イロンナケハイガアル」

 圭たちはブラックマーケットを訪れていた。
 相変わらずブラックマーケットは独特の雰囲気があって何度訪れてもなれる気がしない。

 今日来ているのは圭を始めとしてカレンと波瑠、そしてフィーネ。
 夜滝は外出がめんどくさいとお留守番で薫は学校がある。

 ブラックマーケットには遊びに来たのではない。
 ちゃんとした用事があって訪れていた。

 オープナーが見つかったとブラックマーケットから連絡があったのである。
 オープナーとは何かしらの理由で能力が封印された魔道具の封印を解く能力を持った人のことである。

 カレンの持っている盾は能力が封印されている。
 今でも十分な能力を持っているけれどより強くなるためにも強力な装備品は必要で、カレンの盾の封印を解くことによってより戦力アップを図ろうとしていた。

 ただオープナーの能力を持った人はそこらへんにいるものではない。
 国によっては希少能力として保護していることもある。

 普通に探しても圭では接触することすら難しい。
 そこでブラックマーケットにお願いしていたのである。

 ブラックマーケットが持っている人脈や情報はかなり広くて圭の依頼を受けてくれるオープナーを見つけてくれると考えたのである。
 スマホを渡されていたのだけどそこに連絡があって依頼を引き受けてくれそうなオープナーがいるので話したいということで来ていた。

「ご足労いただきてありがとうございます」

 いつもお世話になっているお店に入ると仮面の男性が対応してくれる。
 なんとなくではあるが一番最初に来た時に対応してくれた男性と同じような気が圭にはしていた。

 ブラックマーケットで相手の情報を探るのはご法度なので真実の目で見るようなことはとりあえずしないでおく。
 バレはしないだろうけどルールを破りもしない。

「ジェイ様のご依頼を受けてくださるオープナーの方はお二方いらっしゃいます」

 そう言って店員は二つのファイルを圭の前に置いた。
 そのうちの一つを開く。

「イジャヤ・ナガラジという方が一人目でございます」

 ファイルの中には顔写真も貼ってある。
 名前もそうであるが顔も日本人ではなさそうに見えた。

「インドの覚醒者でして塔で繋がっているので日帰りでお会いすることができます」

「なるほど」

 他の国の覚醒者であっても覚醒者ならば塔を通って別の国に行くこともできる。
 インドは塔が繋がっている場所であり会いに行こうと思えば行くこと自体はそんなに難しくない。

「依頼料は日本円で五億円となります」

「ご……」

「五億円!? そんなのぼったくりだよ!」

「そうおっしゃられましても……向こうの提示額ですので」

 オープナーは希少なので仕事を依頼しようと思えば当然その依頼料は高額になる。
 金額も特に固定のものはないのだがブラックマーケットからの秘密裏の依頼ということでより足元を見たような金額になっている。

 当然のことながら五億円など払うことはできない。
 五億円なんて金額あれば他に魔道具を集めたほうがいいような気すらする。

「もうお一方がこちらです」

「あっ、この人知ってる」

 店員がもう一つのファイルを開いた。
 今度の人は日本人っぽそうだなと真っ先に目に入ってきた顔写真を見て圭は思った。

 波瑠は顔写真を見て誰なのか知っているようだった。

「梅宮剣心さんという方で日本の覚醒者の方になります」

「あー、やっぱり?」

「知り合いなのか?」

「ううん、知り合いじゃなくてこの間テレビで見たんだ」

「テレビで?」

「有名な覚醒者を追いかけてるテレビ番組で見た時にたまたまこの人が出てたんだ。確か……剣聖のおじいちゃん、とかそんな感じだったかな?」

 だから顔は知っているけれど知り合いということでもない。

「剣聖のおじいちゃん……なのか?」

「ええそうです。剣聖と言われているA級覚醒者梅宮風馬さんのお祖父様に当たる方です」

 カレンの疑問に店員が答えた。
 剣聖ならば圭も知っている。

 日本が誇るA級覚醒者で北条勝利とも並ぶような有名人である。
 剣聖と呼ばれるような剣の使い手であるのだが、大きなギルドに所属することはなく要請があると動くというやや特殊な活動をしていた。

「梅宮剣心様はオープナーでしてジェイ様との取引に興味を持っておられます」

「取引に興味ですか?」

 なんとなく言い回しが気になった。

「ええ、梅宮剣心様はお金ではなくジェイ様に取引を持ちかけてまいりました」

「と言いますと?」

「封印を解く対象はこちらで購入なされた盾でよろしかったですよね?」

「ええ、そうです」

「実はあの盾、梅宮剣心様がこちらにお持ちになられたものなのです」

「そうなんですか」

「その時は鑑定不可の品物として持ち込まれてきたのです」

「鑑定不可?」

「ええ正体のわからない魔道具なのでオークションで売ってしまおうとしていたのです」

 鑑定不可とは文字通り鑑定出来ないもので、基本的になんの効果もないもののことを指す。
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