人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第八章

封印を解いて2

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 カレンの盾は頑丈ではあるものの通常の鑑定ではなんの効果もないただの盾として評価されていた。
 捨てるのももったいない。

 当時剣心はブラックマーケットと取引があったのでついでにカレンの盾を引き取ってもらったのであった。

「ですがジェイ様が封印を解いてほしいと持ちかけられたことで鑑定不可ではなかったのだということが梅宮剣心様の方にも伝わってしまいました」
 
 剣心が出した盾を圭が落札したわけであるのだがその盾の封印を解いてほしいと話があった。

「通常の鑑定で分からないものをジェイ様の方では見抜くことができるのではないか。そしてそのこと梅宮剣心様は交換条件にしたいということでした」

「何を交換……ですかね?」

 今の話で何を交換としたいのか圭にはよく分からなかった。
 圭が盾を出すということは分かるのだけど剣心の方の要求がわからない。

「ぜひとも盾を鑑定した人に鑑定してほしいものがあるようです」

「つまりそれを鑑定すれば盾の封印を解いてくれる、そういうことですか?」

「まさしくその通りです」

 思ってもみなかった交換条件である。
 封印解くから鑑定してくれというのは五億円に比べれば遥かに簡単な条件だといえる。

 ただ少し悩むこともある。
 圭の目についてこれまであまり多くの人に知られないようにしてきた。

 梅宮剣心という人がどんな人か分からない以上は目のことを知られてもいいのかという不安がある。

「何か問題でもありますか? 出来る限りこちらの方でも橋渡しさせていただきますよ」

「……いえ、梅宮剣心さんに条件を飲むとお伝えください」

「いいのか、お兄さん?」

「ああカレンのためだしな」

「お兄さん……」

 悩みどころではあるけれど圭が真実の目で鑑定するだけで五億円の価値になるならと受けることにした。
 普通の鑑定じゃ分からない盾の真価も気になった。

「分かりました。ではそのままこちらで調整するような形でよろしいでしょうか?」

「お願いします」

「承りました。ご都合の良い日など教えていただけるとありがたいのですが」

 ーーーーー

 後日正式に話がまとまって圭の方が剣心を訪ねることになった。
 剣心は九州に住んでいる。

 ゲートが出る前なら多くの移動手段もあったのだけどゲートが出てモンスターが溢れて色々と破壊した。
 長距離を移動するための線路なんかは破壊されたり攻略されていないゲートから出てくるモンスターの縄張りになっていたりと利用できなくなっていた。

 飛行機も空港が破壊されたところもある上に飛行型のモンスターの出現によって難しくなってしまった。
 今ではシールドを発生させる装置が開発されたので以前よりもかなり本数は少なくなったものの飛行機も飛ぶようになっている。

 国内での長距離移動のメインとなるのは車での移動だろう。
 ゲートの出現が落ち着いてきた頃に主要な道路を修理して壁で囲って使えるようにした。

 なので圭は車で九州まで移動した。
 盾の所有者でもあるカレンも同行するので交代で運転でもしていくことを考えていたのだけど、圭とカレンがいくならとみんなで行くことになった。

 みんなでいくなら飛行機という選択肢もあった。
 日本は飛行型モンスターのブレイキングゲートはないので国内線ならば防御のためのシールドのない飛行機も飛んでいる。

 けれど空港の都合で剣心の住んでいるところから遠い空港しかなかった。
 レンタカーを借りてそこから移動となるのもそんなに結果的に変わらなかったので自分の車で移動してしまおうとなったのだ。

「運転ありがとね。はい、アーン」

「……美味いな」

 圭とカレンで交代しながら運転していたのだけど途中で休憩なんかもちゃんと挟む。
 人間の商魂もたくましいものでモンスターの被害に遭わなくて無事だった道の駅なんかは商売を再開していたりする。

 そこで食べるものなんかを買ってワイワイと移動を続けていて、波瑠が後ろから手を伸ばして圭に買ってきたお菓子を食べさせた。
 地域の名産の洋菓子で優しい甘味が口の中に広がる。

「もうすぐ九州だな」

「でも九州に入ってからもまだもう少し走るんだろ?」

「ああ、そうだな。もう一踏ん張りだ」

「また不便なところに住んでいるねぇ」

「どこに住んでも勝手だからな」

 剣心が住んでいるところは大きな都市から離れた郊外にある。
 わざわざそこまで行くのはなかなか面倒であると正直圭も思う。

「着いたら微妙な時間になりそうだけど泊まるところは大丈夫かい?」

「今日は梅宮さんのところに行かずに手前の町でホテルに泊まるつもりだよ」

「ん、それならよかった」

「明日は……あれ?」

 車を走らせていると先の方が通行止めにされていた。
 他の車は反対車線に誘導されて戻っていく。

「何があったんですか?」

 窓を開けて誘導している人に声をかける。

「ああ、すいませんこの先にゲートが発生しまして。道路に直接出たのではないですがゲートの警戒区域に道路がかかっていまして一時的に通行止めに」

「どれぐらいで通れるようになりますか?」

「近くに覚醒者がいなくて……要請をかけてはいますがまだ見通しが立ちません」

 圭たちは顔を合わせた。
 みんな考えていることは同じなようだった。
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