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第八章
潜入、暴食の悪魔の城9
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「本来魔界への扉を開くには大きな魔力とふさわしい環境が必要なものだが、こんな場所を無理矢理魔界への入り口作るとはな」
ルシファーは深いため息をつく。
「見たところこの入り口は非常に不安定だ。何か衝撃が加わってしまうと簡単に閉じてしまうだろうな。それこそこんな衝撃でも危うい」
再び船が大きく揺れた。
ダンテたちが激しく戦っているのだろう。
魔界に続く入り口など本来あってはならないものである。
多くの場合は儀式によって一時的に出現させて悪魔を呼び出すのが普通なのである。
それなのにこの船にある魔界への入り口は通常とは違う方法で作り出され、固定化されている特殊なものであった。
ただ普通のものとは違うので安定して魔界へ行き来できるように見えていてもルシファーから見ればかなり不安定で危険なものとなっていた。
「入り口が崩壊するとかなり危険だ。流入現象が起こるかもしれない」
「流入現象?」
「簡単に言えばあたりのものが魔界に吸い込まれてしまうのだよ。吸い込まれる時にほとんど助からないし助かってもそこは魔界……入り口が崩壊する前に早く避難する方がいい」
「けれど……」
「諦めろ」
まだ人がいるかもしれないと渋い顔をする圭にルシファーが首を振る。
「連れて行かれたのだろう? わざわざ捕らえておく場所を変える必要なんてない。ならばもう助からないだろう」
薄々勘づいていた。
連れて行かれた人たちはもう助からないかもしれない。
そのことをルシファーはハッキリと口にした。
「……船の外に出よう」
入り口が崩壊する危険はあるしダンテたちの戦いに巻き込まれる可能性もある。
みんなの命を危険に晒すことはできない。
圭は船を脱出することを選択した。
十人ほど助けることはできたのでここは意地を張ることなく撤退する。
「みなさん、外に出ましょう!」
決めたなら行動は早めに。
圭たちは再び魔界に戻ることを諦めて外へ脱出を図る。
エレベーターは戦いの衝撃で停止してしまう可能性があるので階段に向かう。
「一般人……まあ、お逃げください!」
階段を上がって一般招待客の階に行くと異端審問官の覚醒者が一般招待客の避難誘導をしていた。
見ると一般招待客はすでにほとんど逃げていて、異端審問官にやられた悪魔教が床に倒れている。
異端審問官は武装した圭たちのことを見て一瞬警戒したようだが、後ろに武装していない一般人を連れているのを見て人を助けようとした覚醒者だと考えた。
「お待ちください! そちらの女性……グフっ!」
圭たちが異端審問官の前を通り過ぎようとした時ユファのことを呼び止めようとした。
ユファは異端審問官の腹を殴りつけて気を失わせる。
全くためらいもなく判断のスピードも速かった。
「行こう」
ユファは異端審問官を壁にもたれかからせるとそのまま階段を上がり始めた。
「あの子何者なのかしら?」
「まあ……あんな感じの子だよ」
きっと悪魔と契約していることがバレたのだと思うけれどユファの判断はかなり早かった。
悪いことじゃないとかなみは思うけれどかなり肝がすわっているなと感じた。
「早くお逃げください!」
一つ上の階に上がるとそこはVIP会場となっている。
そこでももう人は逃げていて異端審問官ばかりが残っている。
会場ホールを囲むように異端審問官は並んでいて光る結界のようなものを張っていた。
「他の人に被害が及ばないようにしているのね」
直接的な攻撃が外に漏れるだけでも非常に大きな危険がある。
しかしそれだけでなく高等級覚醒者が戦う力の余波はそれだけでも一般人にダメージも与えてしまう。
なので異端審問官たちは魔法で防御壁を展開して戦いの余波が他に影響しないように防いでいるのだ。
船に大きな振動がありながらも未だに船が無事な理由も異端審問官が頑張っているからだった。
結界を張ることに必死になっていて景たちの方に構っている余裕がない。
ユファの正体がバレる前にとさっさと圭たちは階段を上がっていく。
「退け! 俺が先に行くんだ!」
「押さないでよ!」
会場の人はほとんど避難していたが船の乗降口はひどいことになっていた。
人が一気に押し寄せていてなかなか前に進まないでいた。
押し退けていくわけにも行かない。
焦りばかり大きくなるが人が降りていくのを待つ。
「うわっ!」
「きゃー!」
船の一部が爆発して人々に動揺が広がる。
誰かの攻撃が異端審問官の結界を突き破ったようだった。
「村雨さん!」
「木山さん!」
ようやく船を降りた。
警察や救急車、覚醒者協会などが到着し始めていて大きな騒ぎとなっている。
圭たちは助け出した人たちを医療班に引き渡して覚醒者協会の人に話をしようと向かっていた。
そこで圭を見つけた木山が声をかけていた。
「無事だったんだね」
「木山さんこそ。他の皆さんも?」
「ああ、他のシェフも私の家族も無事だ」
「それは良かったです。早くここから避難してください。もっとひどいことになるかもしれません」
「……分かった。君は……何かやることがあるようだね?」
木山は圭の姿を見て何かを察した。
木山と別れた圭は事態の把握に努める覚醒者協会の担当者を探す。
ルシファーは深いため息をつく。
「見たところこの入り口は非常に不安定だ。何か衝撃が加わってしまうと簡単に閉じてしまうだろうな。それこそこんな衝撃でも危うい」
再び船が大きく揺れた。
ダンテたちが激しく戦っているのだろう。
魔界に続く入り口など本来あってはならないものである。
多くの場合は儀式によって一時的に出現させて悪魔を呼び出すのが普通なのである。
それなのにこの船にある魔界への入り口は通常とは違う方法で作り出され、固定化されている特殊なものであった。
ただ普通のものとは違うので安定して魔界へ行き来できるように見えていてもルシファーから見ればかなり不安定で危険なものとなっていた。
「入り口が崩壊するとかなり危険だ。流入現象が起こるかもしれない」
「流入現象?」
「簡単に言えばあたりのものが魔界に吸い込まれてしまうのだよ。吸い込まれる時にほとんど助からないし助かってもそこは魔界……入り口が崩壊する前に早く避難する方がいい」
「けれど……」
「諦めろ」
まだ人がいるかもしれないと渋い顔をする圭にルシファーが首を振る。
「連れて行かれたのだろう? わざわざ捕らえておく場所を変える必要なんてない。ならばもう助からないだろう」
薄々勘づいていた。
連れて行かれた人たちはもう助からないかもしれない。
そのことをルシファーはハッキリと口にした。
「……船の外に出よう」
入り口が崩壊する危険はあるしダンテたちの戦いに巻き込まれる可能性もある。
みんなの命を危険に晒すことはできない。
圭は船を脱出することを選択した。
十人ほど助けることはできたのでここは意地を張ることなく撤退する。
「みなさん、外に出ましょう!」
決めたなら行動は早めに。
圭たちは再び魔界に戻ることを諦めて外へ脱出を図る。
エレベーターは戦いの衝撃で停止してしまう可能性があるので階段に向かう。
「一般人……まあ、お逃げください!」
階段を上がって一般招待客の階に行くと異端審問官の覚醒者が一般招待客の避難誘導をしていた。
見ると一般招待客はすでにほとんど逃げていて、異端審問官にやられた悪魔教が床に倒れている。
異端審問官は武装した圭たちのことを見て一瞬警戒したようだが、後ろに武装していない一般人を連れているのを見て人を助けようとした覚醒者だと考えた。
「お待ちください! そちらの女性……グフっ!」
圭たちが異端審問官の前を通り過ぎようとした時ユファのことを呼び止めようとした。
ユファは異端審問官の腹を殴りつけて気を失わせる。
全くためらいもなく判断のスピードも速かった。
「行こう」
ユファは異端審問官を壁にもたれかからせるとそのまま階段を上がり始めた。
「あの子何者なのかしら?」
「まあ……あんな感じの子だよ」
きっと悪魔と契約していることがバレたのだと思うけれどユファの判断はかなり早かった。
悪いことじゃないとかなみは思うけれどかなり肝がすわっているなと感じた。
「早くお逃げください!」
一つ上の階に上がるとそこはVIP会場となっている。
そこでももう人は逃げていて異端審問官ばかりが残っている。
会場ホールを囲むように異端審問官は並んでいて光る結界のようなものを張っていた。
「他の人に被害が及ばないようにしているのね」
直接的な攻撃が外に漏れるだけでも非常に大きな危険がある。
しかしそれだけでなく高等級覚醒者が戦う力の余波はそれだけでも一般人にダメージも与えてしまう。
なので異端審問官たちは魔法で防御壁を展開して戦いの余波が他に影響しないように防いでいるのだ。
船に大きな振動がありながらも未だに船が無事な理由も異端審問官が頑張っているからだった。
結界を張ることに必死になっていて景たちの方に構っている余裕がない。
ユファの正体がバレる前にとさっさと圭たちは階段を上がっていく。
「退け! 俺が先に行くんだ!」
「押さないでよ!」
会場の人はほとんど避難していたが船の乗降口はひどいことになっていた。
人が一気に押し寄せていてなかなか前に進まないでいた。
押し退けていくわけにも行かない。
焦りばかり大きくなるが人が降りていくのを待つ。
「うわっ!」
「きゃー!」
船の一部が爆発して人々に動揺が広がる。
誰かの攻撃が異端審問官の結界を突き破ったようだった。
「村雨さん!」
「木山さん!」
ようやく船を降りた。
警察や救急車、覚醒者協会などが到着し始めていて大きな騒ぎとなっている。
圭たちは助け出した人たちを医療班に引き渡して覚醒者協会の人に話をしようと向かっていた。
そこで圭を見つけた木山が声をかけていた。
「無事だったんだね」
「木山さんこそ。他の皆さんも?」
「ああ、他のシェフも私の家族も無事だ」
「それは良かったです。早くここから避難してください。もっとひどいことになるかもしれません」
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