人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第九章

あの時の

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「どうやら鍵というのが必要らしいな」

 新たなる問題発覚。
 猿の魔物とは別の魔物に門そのものについて質問した。

 門は現世と呼ばれる圭たちの世界に繋がっている。
 正確には現世と魔界の間には狭間であるゲーダと呼ばれている空間があって門を通るとそこに行くらしい。

 ただゲーダに留まることはできなくて魔界から入れば現世に、現世から入れば魔界に弾き飛ばされてしまう。
 この時に弾き飛ばされる先が門なのである。

 門は悪魔が作ったものなのだがそれにもさまざまな理由があるらしい。
 かつては門などなくゲーダに繋がる空間の穴があった。

 穴を通じて悪魔は比較的自由に現世に行き来していたのだが神がそれを怒って悪魔と戦争が起きた。
 結果悪魔と神は盟約を結び自由に魔界と現世を行き来しないように門を作って悪魔を封じることにしたのである。

 ただ門も万能ではなく何かのきっかけで開くがある。
 代表的な例が悪魔の召喚だ。

 人間が悪魔を儀式などで呼び出そうとすると門が開いて悪魔が現世に行けるようになるのである。
 そうしたことでもない限り門は開かず現世に行くことはできないのであるが、門を悪魔側から開く方法というものもあった。

 それが鍵だった。
 鍵と言われるものがあってそれを使うと門を開くことができるらしいということを悪魔から聞き出した。

 つまり圭たちが門に行って帰るためには悪魔召喚のタイミングを待つか、鍵を使って門を開くしかないのである。

「だが鍵はモルデベルドとかいう大悪魔が持っているのだろう?」

 悪魔召喚のタイミングなど分かるはずがない。
 となると鍵を手に入れる必要があるのだが鍵はそこら辺にあるものじゃない。

 鍵はモルデベルドが持っているらしく、長年門を管理してきたモルデベルドが鍵をおとなしく渡してくれるとは考えにくい。
 たとえ食料を積んだとしても交渉に応じてはくれないだろう。

 門を開ける鍵の手立てもなく第四階層に向かうのはリスクが大きすぎた。
 第四階層の方にも鍵がある可能性はあったけれども、あるかどうかも不明である。

「門を破壊するわけにはいかないし……困ったな」

 厳しくともモルデベルドを倒すしかないかとルシファーは考えていた。
 魔界では悪魔は本気の力を発揮できるが圭たちなら倒して鍵を奪うこともできるかもしれない。

 モルデベルドの力がいかほどのものかはルシファーも知らないが、いざとなったらルシファー本人が出ればいい。

「鍵……鍵か」

「何かあるのか?」

 圭は顎に手を当てて何かを考えている。
 鍵ということに引っ掛かりを覚えている様子であった。

「ん、あっ、ちょっと待って……」

 圭は亜空間の収納袋の中に腕を突っ込んだ。
 不思議なもので亜空間の収納袋は取り出したいものをイメージしながら手を入れるとものを取り出すことができる。

「これだ」

「これは……鍵?」

 圭が袋の中から取り出したのは古びた鍵であった。

『□□□の鍵
 □□□への入り口であり、出口である。』

『あなたは知識を得ました。情報が更新されます!』

 鍵を真実の目で見た瞬間横に別の表示が現れた。

『ゲーダの鍵
 ゲーダへの入り口であり、出口である。』

「あっ……」

「これはなんだ?」

 別の表が現れたと思った今度は鍵の表示がシュンと変わった。
 ルシファーは圭が持つ鍵を不思議そうに見ている。

「これは以前塔の中で手に入れたものなんだけど……」

 圭は鍵を手に入れた経緯と真実の目で見えている表示について説明した。

「なんだと!?」

「ならばそれが門の鍵……ということなのか?」

「ふむ……塔とやらなんでもありだな」

 圭が説明するとみんなは驚いた顔をした。
 鍵と聞いてもしかしたらと思って取り出してみた。

 最初に手に入れた時には文字化けしたように伏せ字になっていてなんの鍵か分からなかった。
 だから家で保管していたのだけど亜空間の収納袋を手に入れた時何か使う機会があるかもしれないと収納袋に入れておいたのだ。

 伏せ字のところがゲーダという言葉に入れ替わっている。
 表示によると圭がゲーダという存在を知ったから鍵の情報も更新されたようだった。

 鍵が本当に門の鍵なのかということは説明に書かれていない。
 しかしゲーダの鍵ということは門の鍵なのではないかという可能性が大きい。

「ほぼ間違いなく門の鍵といっていいだろう」

 ゲーダというものが他の何かの名称である偶然なんか今は考えられない。
 説明もよくみたらそれっぽさがある。

「塔は無意味なことをしない」

「どういうことだ?」

 ジャンの突然の言葉に圭は眉をひそめた。

「そのまんまの意味だ。以前神と交信できる能力者からこう聞いたことがある。塔は意味を持ち、助けであり、無意味なことをしないと。それが塔で手に入れたものならば何かの意味を持つものなのだ」

「つまり……どういうことだ?」

「意味など考えたところで答えは見つからない。だが今は鍵があったのだと考えることにしよう」

 意味を考えても答えを教えてくれる存在はいない。
 意味があるとかないとか、その内容を考える意味がないとルシファーは断ずる。

「他に希望などないのだ。これを鍵とし、第四階層の門を目指すとしよう」

「ひとまず鍵問題は解決……でいいのかな?」

 ずっと前に手に入れた謎の鍵がこんなところで出てくるとは圭も驚きだった。
 もしかしたらこんな未来すら何かが予想して圭に鍵を渡してくれていたのではないかとすら思えるほどだった。

「まっ、運が良かったってことにしよう」
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