人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

文字の大きさ
545 / 550
第八章

人を呪わば穴二つ3

しおりを挟む
「きゃああ!」

「コユキ、それ投げて!」

「ぬううううん!」

「ギャアアアアアア!」

 阿鼻叫喚。
 ルフォンの悲鳴が聞こえて、続いてホルドの悲鳴が聞こえてきた。

 何事かと足を早めたリュードが駆けつけると、嫌悪感丸出しのルフォンたち三人と股間を抱えてうずくまるホルドがいた。

「だ、大丈夫か?」

 掠れた声でうっすらとうめいているホルドは、動かないでいる。
 何が起きたのかはなんとなく分かるが、ひとまず逃げる心配はなさそうだ。
 
「うん、コユキのおかげで大丈夫……」

「ぬん!」

「そ、そうか……」

 外で待機していたルフォンたちは手持ち無沙汰だった。
 なのでコユキは神聖力の球、ホーリーボールの練習をしていた。

 投げるのではなくしっかりと打ち出せるようになるために、何度も繰り返し撃ち出していた。
 中々撃ち出すのが上手くいかなくて、ふよふよと飛んでいく神聖力の球の軌道は安定しなかった。

 試しに込める神聖力の多さを変えて大きさを変えたりなんかしていた。
 たまたま大きめに神聖力の球を作った時に、目の前に全裸の男が走ってきた。

 生まれたままの姿のホルドである。
 とっさに出されたラストの指示に従ってコユキは神聖力の球を投擲した。

 そこまで狙っていたのではないが、投げられた聖なる力で作られた球はたまたま性なるタマタマに当たった。
 なんか良くやったとも言えなかったリュード。

 けれどこうなったのは逃げ出したホルドが悪いのである。
 
「おーい、大丈夫かー?」

 とりあえずホルドは倒したので屋敷の中の様子を見に行く。

「その言葉そのまま返すよ」

 リュードが切った女性が赤黒い塊となって倒れた。
 それを見て、サンジェルたちもようやく暴れ回る女性を倒す決心がついた。

 人数さはあるので、何人かで一人の女性を相手取り、ナイフで倒すと謎の塊となってベシャリと倒れていく。
 しかしそれも簡単ではなかった。

 慣れない子供サイズの体で、みんなも動きに精彩を欠いていた。
 殴られたり引っ掻かれたりと結構ボロボロになっている人も何人かいるのが見える。

「おいっ!」

 コーディーやデルよりも関与が明らかなホルド。
 やっていたこともやっていたことであるしみんなの態度もとても冷たい。

 サンジェルが未だに床に丸まっているホルドの腹を蹴る。

「う……うっ」

「よう、ホルド」

「あんたは……サンジェル」

「そうだよ。だいぶ小さいけれど分かってくれたようで嬉しいぜ」

 男の股間なんて見ても面白くない。
 サンジェルは投げ捨てるようにホルドの服を股間にかぶせた。

「クク……」

「何がおかしい?」

「いや、なんでもできるって言われて調子に乗って、このザマだ。やったことと言えば女の形した人形と遊ぶだけ……何やってたんだろうな…………」

 裸で冷たく見下ろされている。
 何でもできるという言葉に惑わされて周りを見返してやると思っていたのに、やっていたことを振り返っても何の身にもならないことをしていた。

 何であんなことに傾倒したのか自分でも分からないが、冷たい視線を向けられるのにふさわしいクソみたいなことをしていたとホルドは急に冷静になってきた。

「……これも呪いなのかもな」

 リュードはこれもまた呪いに踊らされた憐れな姿の一つなのかもしれないと思った。
 欲にまみれて、欲に溺れた憐れな男は欲から抜け出せなくなった。

 ホルドの意志が弱かったのか、それとも呪いの効果なのか、それは誰にも分からない。

「くだらない言い訳はいい! 町に何をした!」

「フッ……さあな」

「ふざけるなよ!」

「サンジェルさん、落ち着いてください」

「……ああ、すまない」

 サンジェルは今にもホルドを刺してしまいそうな剣幕だ。
 リュードが止めなきゃ実際にそれぐらいやっていたかもしれない。

「俺がやったのは周りの環境を整えることだけだ。場所や魔石を提供して、情報を隠して、金を渡してやったり……」

「魔石の横流しは噂じゃなく本当にお前がやっていたのか」

「そうだよ……計画のために必要だからやったんだ。だけど計画を立てて、魔石や金を使って全部をやったのはカイーダさ……」

「ならカイーダの野郎はどこにいる? この屋敷にも来ていたんだろ?」

「地下だよ。この屋敷には地下室があってそこにいる。俺と同じようにお楽しみする以外の時は大体地下の方にこもってやがる。何してるかはしらねぇ」

「やけに素直だな」

「こんな状況じゃウソなんてつかねぇよ。それに……今更だけどこんなことやるつもりはなかったんだ。こんなことになるだなんて思ってなかったし……何言っても言い訳にしかならないけどな」

 何であんなことをしでかしたのかホルド自身も分からない。
 街を支配する全能感が以前はあったが、今はこの状況が気持ち悪く思えた。

 何にでも従う偽物の人に囲まれていたのにもいつしか虚しさを感じ始めて、それを振り払うように淫らな行為に耽っていった。
 止めてもらってむしろ清々としたような気分がある。

「チッ……散々好き勝手しておいて今更改心したって遅いさ」

 直前まであんなだったのにいきなり改心しましたと言われても信じる人などいない。
 ホルドを縛り上げてリュードたちは地下室への階段を探す。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜

大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!? どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...