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第二章
父の出した条件4
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「仲が良いのも悪くないけどうちの壁はそんなに厚くないから気をつけな!」
「いでっ!」
豪快に笑いながらおばちゃんはリュードの背中を叩いた。
魔人族に対して偏見もないようでかなり良い人である。
ただ流されるままにリュードはルフォンと4人部屋を2人で使うことになってしまった。
「……あの、ルフォン?」
「…………これからも旅を続けるならこういうことってあると思うの」
『意外とね、外の広いところじゃ男は意識しないものよ』
「それにお金だって2部屋も取ったらもったいないと思うんだ」
『意識させたいなら密室! 同じ部屋の中が絶対よ』
「リューちゃんは私と一緒じゃ……イヤ?」
ルフォンの頭にはとある人物から聞いたアドバイスがこだましていた。
『なんならベッドにでも潜り込んじゃいなさい。あの子だってベットの中じゃある意味狼よ』
結構大胆なことをした。
緊張でうるんだ瞳で見られてリュードは何も言えなくなる。
確かに間違ったことは言っていないので反論の余地もない。
若い男女が1つ屋根の下でけしからん云々なんて旅の中では言ってられない。
今は言える時だったと思うけれど言えるタイミングは完全に過ぎ去ってしまった。
いざ必要に迫られて同部屋を悩むくらいなら今から経験しておいた方がいいかもしれないとリュードも覚悟を決める。
なかなか大胆な行動であるがもちろんこうした行動はルフォンが急に自分だけで考えたものではない。
実は一部屋にしてくれないかなんて大胆さが出てきたのにはメーリエッヒの教えがあってのことであった。
ルフォンはメーリエッヒに戦い方を習っていたがメーリエッヒは戦い方だけを教えていたわけでない。
メーリエッヒはルフォンのリュードの対する気持ちを知っていた。
なので時として純粋すぎるルフォンに知識の伝授も行っていた。
少し、いやかなり攻撃的で実践することもはばかられる知識もあったけれど、ルフォンは勇気を出して実践できるものをやってみたのだ。
まずは密室で二人きり。
広い外とは違って部屋の中ではリュードもルフォンを意識するに違いないとメーリエッヒは言っていた。
「もちろんイヤじゃないけど……」
こうなってしまってはリュードの負けなのだ。
大人しく一緒の部屋に泊まるしかない。
リュードは照れ臭そうに頭をかく。
リュードの方はいいのだ。
どちらかといえばルフォンの方が気遣うことが多いのではないのかなと思うのだ。
「なんか気になることあったら言ってくれよ? ちゃんと直していくから」
「うん、わかった。リューちゃんも何かあったら言ってね」
この際だから気になることとか意見のすり合わせはしていこう。
夫婦間であっても些細な不満がたまり続けることだってある。
余裕があるうちにルフォンが気になることがあるなら積極的に直していこうと前向きに考える。
パッと花が咲いたように笑顔になったルフォンを見て、しっかりと理性だけは保っていこうと心に決めたリュードであった。
「じゃあ俺はこのベッド使うから」
リュードはベッドの1つに座り寝心地を確かめる。最高級は望むべくもないが悪くない。
安宿や野宿に比べると天国みたいなものである。
「えっと、私は……」
『ベッドに潜り込んじゃいなさい』
ウインクしながら簡単に言っていたメーリエッヒの顔が頭をよぎって、少し頬が熱くなる。
ルフォンは慌てて頭を振って邪悪な考えを追い払う。
1部屋にするのも必死に頭を巡らせて言い訳したのに同じベッドに寝るなんてもはや言い訳のしようもない。
子供のころならともかく今そんなこと言えない。
さっきも恥ずかしくて目がうるんでしまっていたぐらいなのに。
「こっち、かな」
ルフォンが選んだのはリュードの隣のベッド。
ベッドは離れているとはいっても隣でさある。
「ま、まあ好きにするといいさ」
リュードは一緒に寝るとは言われなくて少しホッとしていた。
実際ルフォンがやたらとリュードのことを見ていたので半分ぐらいは考えていることがばれていた。
「宿も確保したし教科書買いにいこうか」
ちょっとまったりしてしまった。
もう日が傾いてきているので閉まる前に早く教科書を買いに行かなければいけない。
冒険者学校でもらった必要なものが書いてある紙には教科書を売っている書店も書いてあった。
早速その書店に向かった。
宿から一番近い書店はこじんまりとしていて雰囲気の良いお店である。
「ありがとうございまし……」
「おっと」
書店に入ろうとした時、開きっぱなしの入り口から出てきた女の子とリュードがぶつかった。
体躯の良いリュードは少しよろけただけだったけれど、ぶつかった女の子は倒れて尻もちをついてしまった。
女の子が持っていた本が床に散らばる。
「ごめん、大丈夫?」
リュードが手を差し出す。
「こ、こちらこそごめんなさい。私もちゃんと前見てなかったです」
女の子がリュードの手を取り立ち上がる。
恥ずかしさからかうつむき気味の女の子の頬は少し赤くなっている。
「はい、これ」
「ありがとうごさいます」
ルフォンが女の子が落とした本を拾って渡すと慌てたように受け取って頭を下げる。
「どうもすいませんでした!」
女の子はもう一度頭を下げると足早に去っていった。
「怪我はない?」
「ああ、俺は大丈夫」
あれだけ走れれば女の子にも怪我はないだろう。
女の子の後姿を見送ってリュードたちは書店に入った。
「何をお探しで?」
「これを探しています」
店主の老人に必要なものがかかれた紙を見せる。
「冒険者学校かい。たった今中古のやつの最後が売れちまったから新品しかないけどいいかい?」
「中古もあるんですか?」
「ああ、あるぞ。今はないけどな。冒険者学校が時間をかけて作った教科書はなかなかためになることも書いてあるがなんせ本はかさばるからな。卒業した後まで持っていられない連中から買い取って後の入学者に安く売ってやるのさ」
冒険者学校が後ろにいても教科書となる本はなかなか高価なものになる。
そして冒険者としてやっていくのに有益なことが書かれていても本を荷物として持ち運ぶことは現実的でなく、旅をする冒険者にとっては正直邪魔でしかない。
そこで教科書を書店では買い取りをしている。
書店はわざわざ商品を新しく仕入れなくてもいいし、本がいらない人は多少のお金が帰ってくるし、新しい入学生は安く本を入手できる。
合理的なリサイクルである。そもそもこの世界では大量消費社会ではなくて中古で使うことも一般的なので何らおかしくない話である
リュードも安いなら中古でも構わないと思う。
ただ、今は中古がないので新品で購入するしかない。
このようなこじんまりした店でも中古が残っていないなら他でも残っていないと思われる。
他の店を回っている時間もない。
そもそも中古の存在を知らずに新品で買うつもりだったから新品でも何の問題もない。
「新品2冊ずつでいいかい?」
「はい、お願いします」
「はいはい……ちょっくら待っててくれ」
店主の老人は奥に消えていき2冊ずつ同じ本を持って来ることを繰り返した。
「これでいいかな?」
持ってきた本のタイトルを紙に書かれたものと突き合わせて確認する。間違いはない。
お金を渡して商品を受け取る。
「教科書がいらなくなったらぜひうちに売りに来てくれよ。綺麗なら高く買い取るから」
無事教科書も買えた。
後は明日からの冒険者学校で良い成績を残してさっさと卒業するだけである。
「いでっ!」
豪快に笑いながらおばちゃんはリュードの背中を叩いた。
魔人族に対して偏見もないようでかなり良い人である。
ただ流されるままにリュードはルフォンと4人部屋を2人で使うことになってしまった。
「……あの、ルフォン?」
「…………これからも旅を続けるならこういうことってあると思うの」
『意外とね、外の広いところじゃ男は意識しないものよ』
「それにお金だって2部屋も取ったらもったいないと思うんだ」
『意識させたいなら密室! 同じ部屋の中が絶対よ』
「リューちゃんは私と一緒じゃ……イヤ?」
ルフォンの頭にはとある人物から聞いたアドバイスがこだましていた。
『なんならベッドにでも潜り込んじゃいなさい。あの子だってベットの中じゃある意味狼よ』
結構大胆なことをした。
緊張でうるんだ瞳で見られてリュードは何も言えなくなる。
確かに間違ったことは言っていないので反論の余地もない。
若い男女が1つ屋根の下でけしからん云々なんて旅の中では言ってられない。
今は言える時だったと思うけれど言えるタイミングは完全に過ぎ去ってしまった。
いざ必要に迫られて同部屋を悩むくらいなら今から経験しておいた方がいいかもしれないとリュードも覚悟を決める。
なかなか大胆な行動であるがもちろんこうした行動はルフォンが急に自分だけで考えたものではない。
実は一部屋にしてくれないかなんて大胆さが出てきたのにはメーリエッヒの教えがあってのことであった。
ルフォンはメーリエッヒに戦い方を習っていたがメーリエッヒは戦い方だけを教えていたわけでない。
メーリエッヒはルフォンのリュードの対する気持ちを知っていた。
なので時として純粋すぎるルフォンに知識の伝授も行っていた。
少し、いやかなり攻撃的で実践することもはばかられる知識もあったけれど、ルフォンは勇気を出して実践できるものをやってみたのだ。
まずは密室で二人きり。
広い外とは違って部屋の中ではリュードもルフォンを意識するに違いないとメーリエッヒは言っていた。
「もちろんイヤじゃないけど……」
こうなってしまってはリュードの負けなのだ。
大人しく一緒の部屋に泊まるしかない。
リュードは照れ臭そうに頭をかく。
リュードの方はいいのだ。
どちらかといえばルフォンの方が気遣うことが多いのではないのかなと思うのだ。
「なんか気になることあったら言ってくれよ? ちゃんと直していくから」
「うん、わかった。リューちゃんも何かあったら言ってね」
この際だから気になることとか意見のすり合わせはしていこう。
夫婦間であっても些細な不満がたまり続けることだってある。
余裕があるうちにルフォンが気になることがあるなら積極的に直していこうと前向きに考える。
パッと花が咲いたように笑顔になったルフォンを見て、しっかりと理性だけは保っていこうと心に決めたリュードであった。
「じゃあ俺はこのベッド使うから」
リュードはベッドの1つに座り寝心地を確かめる。最高級は望むべくもないが悪くない。
安宿や野宿に比べると天国みたいなものである。
「えっと、私は……」
『ベッドに潜り込んじゃいなさい』
ウインクしながら簡単に言っていたメーリエッヒの顔が頭をよぎって、少し頬が熱くなる。
ルフォンは慌てて頭を振って邪悪な考えを追い払う。
1部屋にするのも必死に頭を巡らせて言い訳したのに同じベッドに寝るなんてもはや言い訳のしようもない。
子供のころならともかく今そんなこと言えない。
さっきも恥ずかしくて目がうるんでしまっていたぐらいなのに。
「こっち、かな」
ルフォンが選んだのはリュードの隣のベッド。
ベッドは離れているとはいっても隣でさある。
「ま、まあ好きにするといいさ」
リュードは一緒に寝るとは言われなくて少しホッとしていた。
実際ルフォンがやたらとリュードのことを見ていたので半分ぐらいは考えていることがばれていた。
「宿も確保したし教科書買いにいこうか」
ちょっとまったりしてしまった。
もう日が傾いてきているので閉まる前に早く教科書を買いに行かなければいけない。
冒険者学校でもらった必要なものが書いてある紙には教科書を売っている書店も書いてあった。
早速その書店に向かった。
宿から一番近い書店はこじんまりとしていて雰囲気の良いお店である。
「ありがとうございまし……」
「おっと」
書店に入ろうとした時、開きっぱなしの入り口から出てきた女の子とリュードがぶつかった。
体躯の良いリュードは少しよろけただけだったけれど、ぶつかった女の子は倒れて尻もちをついてしまった。
女の子が持っていた本が床に散らばる。
「ごめん、大丈夫?」
リュードが手を差し出す。
「こ、こちらこそごめんなさい。私もちゃんと前見てなかったです」
女の子がリュードの手を取り立ち上がる。
恥ずかしさからかうつむき気味の女の子の頬は少し赤くなっている。
「はい、これ」
「ありがとうごさいます」
ルフォンが女の子が落とした本を拾って渡すと慌てたように受け取って頭を下げる。
「どうもすいませんでした!」
女の子はもう一度頭を下げると足早に去っていった。
「怪我はない?」
「ああ、俺は大丈夫」
あれだけ走れれば女の子にも怪我はないだろう。
女の子の後姿を見送ってリュードたちは書店に入った。
「何をお探しで?」
「これを探しています」
店主の老人に必要なものがかかれた紙を見せる。
「冒険者学校かい。たった今中古のやつの最後が売れちまったから新品しかないけどいいかい?」
「中古もあるんですか?」
「ああ、あるぞ。今はないけどな。冒険者学校が時間をかけて作った教科書はなかなかためになることも書いてあるがなんせ本はかさばるからな。卒業した後まで持っていられない連中から買い取って後の入学者に安く売ってやるのさ」
冒険者学校が後ろにいても教科書となる本はなかなか高価なものになる。
そして冒険者としてやっていくのに有益なことが書かれていても本を荷物として持ち運ぶことは現実的でなく、旅をする冒険者にとっては正直邪魔でしかない。
そこで教科書を書店では買い取りをしている。
書店はわざわざ商品を新しく仕入れなくてもいいし、本がいらない人は多少のお金が帰ってくるし、新しい入学生は安く本を入手できる。
合理的なリサイクルである。そもそもこの世界では大量消費社会ではなくて中古で使うことも一般的なので何らおかしくない話である
リュードも安いなら中古でも構わないと思う。
ただ、今は中古がないので新品で購入するしかない。
このようなこじんまりした店でも中古が残っていないなら他でも残っていないと思われる。
他の店を回っている時間もない。
そもそも中古の存在を知らずに新品で買うつもりだったから新品でも何の問題もない。
「新品2冊ずつでいいかい?」
「はい、お願いします」
「はいはい……ちょっくら待っててくれ」
店主の老人は奥に消えていき2冊ずつ同じ本を持って来ることを繰り返した。
「これでいいかな?」
持ってきた本のタイトルを紙に書かれたものと突き合わせて確認する。間違いはない。
お金を渡して商品を受け取る。
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