人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜

犬型大

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第二章

お仲間が必要です3

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 気分を切り替えて晩御飯の話でもしながら教室を出ようとした。

「きゃっ!」

 誰もいない教室に入ってくる人なんていないと思って油断していた。
 リュードたちと入れ違いに教室に入ってこようとした人がいた。

 ルフォンと会話しながら出ようとしていたリュードとぶつかってしまった。
 確かこんなこと前にもあったなとデジャブを感じる。

「ごめん、大丈夫?」

「ごめんなさい……てっきりもう誰もいないと思って」

 尻もちをついた女の子にリュードが手を差し出す。

「あれ、君……」

「あっ、あなたはあの時の」

 デジャブではなかった。
 ぶつかったのは前に教科書を買いに行った書店の出入り口でぶつかった子であった。
 
 女の子の方もリュードを覚えていたようで驚いた顔をしている。
 同時に同じ人に2度もぶつかってしまった恥ずかしさで顔が赤くなっていく。

 光の当たり具合によっては深い藍色にも見える髪、クリクリした大きな目が特徴的な可愛らしい少女。
 体格は小柄でルフォンよりも小さく、リュードを前にすると小動物のようだ。

「書店でぶつか……会いましたね。ええと……」

「俺はリュード、こっちはルフォン」

「リュードさんにルフォンさんですね。私はエミナと言います。何回もぶつかってしまってほんとごめんなさい」

「いやいや、俺も注意不足だったからお互い様だよ」

 ぶつかってしまったことにどちらが悪いとか言ってもしょうがない。
 互いに注意不足だったのである。

「人のいない教室にそんなもの持って何の用?」

 ルフォンが当然疑問を口にする。
 そんなものとはエミナの手に持たれたホウキのこと。

 学校だし魔法を使うための補助道具として杖を使うことはあるけどホウキを使うことはまずない。
 空を飛ぶ道具として使うこともない。

「あ、これはお掃除するためです」

「掃除?」

 ルフォンが首を傾げる。掃除が何なのか分からないということではない。
 何でエミナが掃除をしているのかが分からないのである。

「はい、私もここに通ってるんですがあんまりお金がなくて。冒険者学校卒業後に冒険者として活動したお金から天引きで返済する制度もあるんですけど、同時にこんな風に冒険者学校の雑用をこなして支援してもらうことも出来るんです」

 ホウキを持ち上げてエミナはニッコリと笑顔を浮かべた。
 エミナは朝と学校終わりに掃除を手伝い、その代わりに学費の軽減と多少のお金の支援などを受けていた。

 冒険者学校にはこうした支援のシステムもある。
 細々としたやらねばならないことが冒険者学校でも発生するのでそうしたことを行ってくれる生徒にはお金を払ったり、単位の助けを出したりするのだ。

「雑魚寝を嫌がって宿なんてとらなきゃもっと余裕あるんですけどね」

 あははと笑ってエミナが頭を掻く。
 多くの人と寝ることに抵抗がない人もいるけれど嫌がる人も多い。

 村ではお風呂が普及して皆体を綺麗に保っていたが広く世界を見るとお風呂などは一般的ではない。
 身なりを小綺麗にしているのはまだいい方で臭くなるまで何もしない人だっているのだ。

 かく言うリュードたちも雑魚寝を嫌がったのでエミナの気持ちはよく分かる。

「何か手伝おっか」

「えっ? いいですよ、そんなこと」

「いいのいいの、リューちゃんがぶつかっちゃったお詫び」

 エミナからホウキを奪って床を掃き始めるルフォン。

「あ、あれ?」

「諦めろ、受け入れて掃除をした方が早いぞ。俺も手伝うから、何をしたらいい?」

 思いつきの突拍子もない行動だけど、こうしたお人好しなところもルフォンの良いところである。
 掃除をして少しでもお金を稼いで冒険者学校を卒業しようとするのは立派な行いだ。

 応援したいとルフォンは思った。
 だからちょっと手伝ってあげて掃除が早く終わるのならその方がいい。
 
 他にも教室の掃除はあった。
 どうせなら最後までやろうとリュードとルフォンの手伝いもあって掃除はさっさと終わった。
 
 冒険者学校を出てから向かう方向が同じということでエミナも途中まで一緒に帰ることになった。
 帰りながらエミナのことを聞く。
 
 エミナはこの国の出身ではなく他の国から来ていた。
 どうにか自分の力で生計を立てたくて冒険者になるために冒険者学校に通うことにした。
 
 最初は宿に泊まるつもりはなくて雑魚寝で我慢するつもりだったのだが、先にいた人たちがちょっと綺麗な感じでなかったために宿に泊まることにした。

「情けないですよね。冒険者になろうっていうのに他の人と寝るの我慢できないなんて」

 伏し目がちにエミナは言ったけれどリュードたちは試すこともなく雑魚寝を断念したので何も言えなかった。 
 その後もエミナと教師の悪口なんかを言いながら歩いているとリュードたちが泊まっている宿に着いた。

「ここが私が泊まっているところです……って何ですかその顔?」

 思わず笑ってしまう。
 不思議な偶然もあるものだ。

 エミナが泊まっている宿とリュードたちが泊まっている宿は同じであった。
 これまでエミナに会うことはなかった。
 
 それはエミナは掃除のためにリュードたちよりも早くに宿を出発していたからで会うことがなくて知らなかったのも当然のことである。
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